AIと人間

①AIとは

多くの人が聞いたことがあるであろうAI。それでも「AIのニュースをよく耳にはするけど、あまりピンと来ない」という人がほとんどではないでしょうか。AIとはArtificial Intelligenceの略のことで人工知能を意味します。定義は、専門家の間でもまだ定まっていないのが現状であり、さまざまな専門家がそれぞれの定義をしており、統一的な定義はありません。AIの研究の種類としては、『人間の知能のような高度な知能を機械に持たせよう』というものと『人間が知能を使ってする動作を機械にさせよう』というものがあります。例えばAppleのSiri、Googleの検索エンジン、ファッションアプリなどのオススメなどもAIに入ります。今後は車などの乗り物の完全自動操縦などAIによって、より便利な社会が訪れるでしょう。

②AIの市場

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これはITRによるAI主要6市場の売上金額の図表です。2018年度のAI主要6市場の売上金額は199億5,000万円、前年度比53.5%増と大幅な伸びを見せています。AI主要6市場の中で、2018年度に最も高い伸びを示したのが「画像認識市場」です。画像認識の技術は、「製品の外観検査」や「作業員の安全管理業務」で導入が進んできた。さらに現在では、「道路や橋などの社会インフラ」や「各種建造物の保全業務」、「顔認証」、「車両の自動運転」での利用が進み、今後も継続的な導入拡大が見込まれてます。画像認識に次いで高い伸び率を示しているのが「言語解析」です。現状は、コールセンターでの活用が中心ですが、今後幅広い分野に拡大すると予想されています。AI主要6市場は今後も継続的な伸びが見込まれることから、2018~2023年度のCAGR(年平均成長率)は26.5%、2023年度には640億円に達する見込みとのことです。

③AIができないこと

このように猛スピードで成長し続けるAIですができないことも多く存在します。3つほど取り上げたいと思います。

■自発的に考えること
AIが自ら何かを考え始めることはありません。
与えられた情報を識別したり解析したりはしますが、それに対してAI自身の意見や考えなどは発生しません。

■感情を持つこと
画像や音声に対して適切な返答や必要な行動を行うことはあっても、それは過去の学習にも基づいた判断であって感情に基づいた行動ではありません。AIが自発的な考えや意見を持てないのと同じように、喜怒哀楽や好き嫌いなどの感情を持つことはできません。

■経験やデータの少ないものに対する判断
AIは学習して蓄積した経験や知識に基づいて推測、判断を下すため、事前のデータが極端に少ないものに対しては判断力が落ちます。人間で言う「ひらめき」のようなものは起こりません。

このようにAIにも出来ないことは存在します。野村総合研究所ICT・メディア産業コンサルティング部主任コンサルタントの岸浩稔さんによると「『代替可能性が低い職業』の特徴は、人類学者のように抽象的な概念を整理したり生み出したりする仕事、ケアマネジャーのように他者とのコミュニケーションが大切な仕事、商品開発部員のように決まったパターンがなく、常に新たな発想が必要な仕事という点ですね。これらはコンピュータがいくら発達しても簡単には代わりは務まりません」と言っており、創造力、コミュニケーション力、発想力などが必要な分野はAIにとって、苦手な分野となっています。

④人間だからできること

③でも述べたようにAIにも出来ないことはたくさんあります。0から1を作りだすこと、ビジョンを掲げ相手とのコミュニケーションの中で物事を前進させること、意思決定や複雑な交渉、問題解決力など、だからこそ、今後自分自身にどんな力を身につけていったらいいのか?その力を身につけるためにはどうしたらいいのか?今一度、考えてみるといいのかもしれません。まずは、AIができることを理解したうえで、AIが苦手な分野のスキルを身につけていくことが必要になります。 また、身につけるスキルの程度も重要です。AIで対応できるレベルのスキルでは、将来的にAIに代替される可能性があります。スキルを磨いて必要なレベルまで持ち上げ、自分ならではの強みを持つ人材の育成が必要であると考えます。


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