【まほやく】4周年イベスト8話までの感想(という名の独り言)~北師弟の会話がしんどい~
しんどいよ。各方面、ありとあらゆることがしんどいよ。
ということで、個人的にはしんどさが心に溢れた8話分だったのですが、個人的に一番刺さって抜けなくなったのは3話でした。レノックスから見たファウストの話、北師弟の話、北まほたちの心の話…どれもがそれぞれしっかりしんどい。
レノックスと賢者の会話は少し泣きそうになるほどでした。諦めないことで400年生きてきたのに、諦めたほうがいいのだと語る彼に、幸せってなんだろうと作中賢者と同じように考えてしまった。でもファウストはレノックスの存在を褒美だとも思っていて…うがぁ…
と、悶々としていた中でやってきたオズの部屋のシーン。
き、北師弟~!!!
オズに対してフィガロがかなり兄弟子やってて、ひゃ…ってなりながら読んでました。双子も、それはそれは北の在り方を誇示していて。
内容も決して穏やかではない。オズがいかに世界最強かというのは作中で何度も何度も語られていて、彼に対する信頼はかなり積みあがっていたので、それが2部ラストでああなってしまったのは確かに自分もショックでした。
そんなシーンでフィガロも双子もオズに様々な言葉を掛けます。今までのストーリーや2部を振り返りながらその言葉たちを思うと、かなりしんどいこと言ってるなぁ…と思ったので今回はそれについて語ろうと思います。
以前の記事でも言っていますが、特段新しい発見があるとか、珍しい見解であるとか、そういうことは一切ありません。あくまで自分が感じたことを言語化しているだけなので、わかり切ったことも沢山があると思いますがご了承ください。
フィガロがオズに告げた言葉、それは巡り巡って自分に返ってくる言葉でもあるのが辛いなと思いました。
フィガロは寿命が迫っていて、それに伴って力が失われている存在です。フィガロがこの先も最期まで生きていたいと願うのであれば、徐々に弱者となりつつあるフィガロは、『誇りを慮られることなく助けを乞う立場』となり、強者から『弱者として生きる』ことを強要されるのだと自分で証言している形になります。
これをオズに告げた彼は、いずれは自分もそうなると思いながら、それでも状況をわからせるためにここまではっきりと言葉にした。フィガロの、世界の調停者としての在り方が見えてくる気がしてしんどかったです。
フィガロはファウスト以外の魔法使いに自分の寿命のことを話していません。
フィガロは2部序盤で、ファウストから寿命のことを双子やオズに話そうと提案された時、それを頑なに拒否しました。
フィガロにとって親しく思う人の記憶を奪うことは忌むべき行為のひとつです。
それをファウストにするぞと言うくらいに、双子やオズに寿命のことを知られたくないと思っていることになります。
彼らに、憐れまれたくないから。
今回3話を読んで、そこまでして知られたくないと思った訳をより深く知ることができました。
「あわれなことじゃ。」
「あわれはあわれじゃ。」
あああああ…
これかぁ、と思いました。フィガロは、自分がそうはなりたくないと思っていることをまさに今目の前で実演されているんですね…。
こういうスノウ(双子)の側面をきっと何度も見てきて、実感しているんだろうなぁと。だからこそ、フィガロは決して師匠や弟弟子に、自分の寿命のことを頑なに言わないんだなぁと。当時2部を読んでいる時よりも『憐み』の解像度が爆上がりしました。
「オズは世界最強だったんですよ。あわれまれては、オズの矜持が……。」
だからこそのこの言葉だったのかなぁと思うと何とも言い難い切なさが込み上げました。自分もいつか矜持や誇りを穢される時が来る。それが痛いほどわかるからこその、心からの同情の言葉だったのかな…。
これも2部で自分が体験したことですよね。
フィガロ、惨めだったんだなぁ…。
フィガロに対して、唸るような気持ちが沸き上がって仕方がなかったシーンでした。
あと個人的に心に残った描写は、北の魔法使いたちの心の揺れ動きですね。生ゆるく、ゆらゆら。
北メンツが他の国の魔法使いに徐々に心や価値観を許していく様子を4年間見てきました。それを微笑ましいなぁと思ったり、いい関係になってきたなぁと嬉しくなったりしてきました。
でもそれは、あくまで一側面から見た場合に限るんですよね。それを決して忘れたわけではなかったのに、それでもやっぱり嬉しく思っていました。
仮面エチュードのクロエのように、負の方向に影響がないわけがないんですよね…。
魔法は心で使うもので、心の在り方で魔法の強さも性質も変わってしまう。
人間社会と相容れることが出来ないからこそ、圧倒的な魔法の力が使える。
他人と馴れ合わないからこそ、強く在れる。
それが北の魔法使い(主に北3)の在り方です。だから当然、人間社会と相容れるようになれば、他人と馴れ合ってしまえば、その強さは揺らぐ。
今回のイベストではその部分をより強調されたように感じました。改めて心に留めておこう…。
でも、それをきちんと書いてくれてどこか安心する気持ちもありました。私個人は、北の魔法使いたちに、魂の形を捻じ曲げてまで他者と共存してほしいわけではなかったので…改めて、彼らの幸せの形ってなんだろう、彼らだからこその素敵な何かってなんだろう、と考えていきたいなと思いました。
ということで、3話が個人的に刺さりまくったというお話でした。やっぱりメインに関わる話は面白いし深いぜ~!(嬉)
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