あしあと / 久保琴音×かんたろう

あのね、もしも…
きみとぼくが
出会えなかったら?
こわくなる…。
空の青さ、付けた傷の痛みも
なんにも きっとわかんなかったろうね

うまれおちた おかしなほし
○も‪✕‬も □より いいよ
のびた影が 少しずつ色こくなる
まってて もうすぐ帰るよ
はみ出して笑って
おこられて凹んで
やけに遠くまで来た

あした ぼくは 街を出る
あれも これも 置いていく
さらば ここには戻らない
どんな いまも 「ぼく」という物語の途中

きみは どう思う?
いまのぼくを
胸のおくで  呼びかける
砂利で転んでも
平気な顔で笑っていられる
そのくらいの大人になったよ
「あてはまる」覚悟と
「はずされる」勇気とを
ない混ぜで 味わってきた

きみも そうかな?

そして、僕は 街を出る
アレも コレも 片付いちゃいないけど
醒めた朝陽で白む部屋
きみの手をはなしたら
不安と期待にせっつかれ
ここで いちど さようなら
(風も雨も浴びて歩いてきた道の上)
今日を往け ただ、それだけを持って
どんな いまも 「ぼく」というあしあとになる
ここに いたよ たしかに、きみとぼくは