「私の中の私」的な話

自分が存在することは肯定されているという前提。
それを自分で枠組みを作って否定したり肯定したりしないという
その上で、わたしたちはどう生きてみようか、という考え方。

私の中には、何人も私がいる。自分ではない何者かではない。自分の中の感情が強まった存在としての「私」という意味である。
私の中では、私は最も低い存在で、他な奴から常に見下ろされている感覚になる。

①「すべき、しないべき」という、現実の行動を規制しようとする感情。
②「なんとかなる、裏を返せばどうでもいい」という、楽観的な感情。
③「どうにもならない、これは自分のせい」という、自虐的で悲観的な感情。
④そして、「こうなりたい」という、理想を強く持っているがそれ以外には興味のない感情。それから派生した、様々な「なりたい」という感情たち。
⑤このなかに入れてもらえなかった、他責と自責の感情たち。

ざっくりと分けるとこの5種類がいる。

①は気の強い美人で、少し前までは「当たりが強いが面倒見の良い姉御肌」だった。長いブロンドの髪、緑の瞳、薄いくちびるとスレンダーな体。いつもドレスを着て、化粧も万全。今はなぜか、ディズニーヴィランに似た眼光の持ち主になっている。

②は偏光レンズのゴーグルをかけている。ぼさぼさのボブヘア、黒いタートルネックの上に緑のパーカー、黒いパンツとブーツ。手には手袋をしている。首、手首、足首はない。身長は流動的。にやにやしているか、寝ている。話は聞くが、何もしない奴。離れるものは追わなかったらいいし、という考え。

③うねった黒髪、黒いタートルのセーターを着たおばけ。耳は尖り歯はギザギザ、白目部分が黒く瞳は黄色。手は黒く、爪が鋭い。笑ってくることが多いけれど、実は一番私を気遣って寄り添ってくれたりもする。離れるものを引き止めたがる。

④実は一番タチが悪いやつ。きめ細やかな肌に絹のような髪、微笑みをたたえた口元。白いワンピースがとても似合う。すてきか、すてきじゃないかで物事をはかり、すてきじゃないものには興味がなくなる。それは、手触りが良くないとか、ストーリーがないとか、言いがかりにも近いものが多い。

⑤こいつらは叫ぶシャボン玉で、何か負の感情を抱えているが、具体的にそれが何か分からない。「ワー!」みたいに叫ぶだけ。
これを遮断するための重たい木のお面もある。仏頂面。

これらは全て私のなりたい私であり、私がなりたくない私である。
手放そうとすると凝視して威圧され、近付くとそれらが私を支配しているように感じる。

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