見出し画像

オタク気質人間、スケートボードにハマる

まだ記憶に新しい東京オリンピック2020。
その中で一番国民の話題をさらった種目と言えば、スケートボード競技だったと思う。
今回のオリンピックで初めて追加された競技で、解説を担当したスケートボーダー瀬尻稜さんの若者らしい口調も話題になった。
スケートボードの歴史や詳しい事をあまり書くのは今回の記事の趣旨からは外れてしまうので控える。
別に書けるだけの知識量とリサーチ力が私に伴わないので書かないワケではない、決して。

10年くらい前の話だが、私はスケートボードにハマっていた。
引越などで捨てたりもしなかったので、今だに当時のボードは使い込んだ形跡がたくさんついてはいるものの、比較的綺麗な状態で現存している。

さて、私がスケートボードを始めるキッカケはなんだったのかというと
「スケーターの格好をしたかったから」
という不純な理由からだった。
"スケートボードに乗れなければスケーターの格好をしてはいけない"なんてルールは勿論ないし、そんな空気があったワケでもないが、乗れもしないのにスケーターの服装だけ真似するのはダサいな、という信念というか謎の拘りがあったので「いつか始めたろ、そしてその時は堂々とスケーターファッションに身を包んだろ」と常々思っていた。

そんな風に頭の片隅で考えていたトコロに当時の恋人の言った「スケートボードやってみたいよね」という言葉が一押しになり、思いきって始める事にした。
机上の空論が大好きで頭でっかちな私は、まず始めにスケートボードの知識を蓄えるところから取り掛かった。
なんの前知識もなく、勢いで現物を買ってから後悔するのも嫌だったし、そこそこ値段もするので(全部揃ったセットで15,000~20,000円くらい)拘りたい部分と、妥協して安く済ませられる部分との精査をする作業が必要だったから。
自分で書いていてなんだが、スケートボーダーらしくないスタートの仕方だな、としみじみ思う。ほとほとオタクっぽい考え方というか(笑)

画像元 The Anatomy Of A Skateboard

スケートボードというのは幾つかの部材から出来ていて、大まかに分類すると、人が乗る板の部分と車で言うタイヤ、それを板と繋ぐ土台部分、あとはタイヤを回すベアリングがある。それぞれデッキ、ウィール、トラック、ベアリングと呼ばれている。
そのなかで一番人の目を引くのがデッキの裏側部分のアートだ。
まだ何も分からないうちは、このデッキが好みの絵柄である、ということが後のスケートボード、果てはスケートボードという遊び自体への愛着具合にも関わってくるので大事なのだ。
斯くしてムラサキスポーツやスケートボードショップなどを廻って好みの絵柄のデッキを探す日々が始まった。

始めるまでの能書きが長かったが、そんなこんなで好みのデッキを見つけてスケートボードを始めることになった。
「人に相談する」というのが苦手な私は、スケートボード始めたいね、と言ってきた恋人をよそにさっさと自分だけ先に買ってきたので「先に私がやろうって言ったのに」と、軽く釘を刺された記憶があります。
ちなみに未だに「恋人に相談する」という行為が苦手で、歴代の恋人達を集めて「相談もなしに突然○○!」みたいなお題でフリートークさせたら盛り上がると思う。やめてくれ。

私がスケートボードを始めて、まず最初にしたことは「慣れること」だった。
滑れない内はとにかく上に乗って、そのバランス感覚になれる、ある程度乗ったまま進めるようになったら、どこに行くのでもスケートボードに乗って移動する。
気に入った事を「そればっかりやる」というのは得意中の得意なので、あっという間になんの苦もなくスケートボードを移動手段に使うことが出来るようになった。

ギターで言うところのFコードみたいな試練がスケートボードにもある。
それが「オーリー」という技だ。ストリートファッションや文化などを紹介する雑誌『オーリー』の名前の由来にもなっているこの技は、簡単に言うとスケートボードに乗ったままジャンプをするというもの。
だが、スノーボードと違ってスケートボードは脚がデッキに固定されていないので、シンプルに"跳ぶ"と言っても、実はそこには複雑はプロセスが含まれている。

スケートボードを始めるに当たって「スケートボードを始めた人が挫折しやすいと言われているが、自分は最低限オーリーが出来るまでは絶対止めない」という目標があったので、なかなか綺麗に跳べるようにならなかったが、日々、一人で延々と練習を積んだ。
幸いにも仕事をクビになったので、夏にも関わらず野外の公園で毎日毎日オーリーの練習をした。この期間にポカリスエットをどれだけの量、飲んだことか。
この頃は練習の合間にトイレに行くとあからさまに尿からポカリスエットのにおいがしていた。
あと「幸いにも仕事をクビになった」てなんだ?どこが幸いなのかサッパリ分からない。

練習の甲斐もあり、ソコソコの高さで綺麗にオーリーを決められるようになった。
この頃には既に恋人もスケートボードを買っいて二人でよく遊ぶことも多くなっていた。

この時の恋人と別れたショックでいつの間にかスケートボードに乗る機会もメッキリ減っていたが、今もたまに気が向いたらちょっとしたクルーズ気分で乗ることもあるが、なんとも気持ちいいものである。

スケートボードはいざ「明日からやるぞ」と思えばすぐに出来る良い趣味だと思う。
別に仲間もいらないし、資格ももちろんいらないし、ゴールも特にないので、スケートボードさえ手に入れればすぐにでも始められるのが素敵なところだ。
たまに、最近始めたであろう人が一人でモクモクと練習している場面に出くわす事がある。そんな時はとてもホッコリして気分で見守ってあげたくなる。

今までスポーツ経験がない人とかにもいいし、このコロナ禍で人と会わずに出来る趣味としても最適だと思うので、スケートボードなんぞ始めてみてはいかが?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?