共感の海に溺れる
"共感すること" とても素敵なことです。
悲しい気持ち、報われない気持ち、のような
苦くも味わい深い ネガティブに分類されるような気持ちも
嬉しい気持ち、幸せな気持ちなど
分かち合うことで増すように感じるような喜びも
同じような経験を経たからこそ、
同じような"喜びを自分に許した"からこそ
或いは
その人に想いを巡らせ想像力を働かせたからこそ自分ごととして寄り添える、
そんな温かな能力が共感能力です。
共感を示すことで、人は存在を抱きしめられた、と感じます。
人と人が繋がっていくときに、
人と人が協力し寄り添い歩んでいこうとしたときに、
"同じ鍋を囲む"ような
"同じお湯"に浸かるような温かさは
人の温もりを教えてくれます。
この"共感能力の高さ" は、人それぞれで
例えば私が提案している占星術リーディングは
生まれ持った共感能力の高さ、具合のようなものも示します。
そして占星術において、人一人の心理傾向や
体質等を理解するための構成要素として用いられるのが自然界に準えた 水、風、土、火 という4つの構成要素です。
大宇宙と小宇宙(人間)の呼応というのが占星術の概念ですので、人の中に自然をみていくのですね。
実際に、そのことを示し、現在医学的に研究が進められている分野において 天体周期と人体の水との呼応関係が観測されているアクアフォトミクスの研究の話など、面白いのですが今回の記事では割愛します。
(心理占星術では、人、一人の中には多面的な要素があることを前提としたうえで、その分類を細かく観察し、一人一人 絶妙に異なる
色合い 風合い 感受点 感性の構成から浮かび上がる肖像画のような心理傾向を読み解き
それを"ヒント"(手がかり)として
今現在に至るまでの"人生経験と照合し"
どこに"解放"や"開花"の糸口があるのかを探ります。)
話を共感能力に戻せば、占星術の概念においては
共感能力は構成要素でいうと"水"に分類されます。
一緒に鍋を囲んだり、温泉に浸かれば親近感が増すように感じるのも、水が関係していて面白いところです。
さて、本題です。
共感能力は、占星術では水と関連していますが
もたらされる恩恵と同時に、もたらされる危惧も併せて知っておきたいのです。
共感能力。温かく素敵な能力ですが、
行き過ぎれば溺れます。
元々 人と人は共感できるように
重なり合うように設計もされていますが、
必ず 人 一人一人の歪な形は
重なり合わない部分があるのです。
例えば ウニのようにトゲトゲした鋭利な感覚を
もった人が、人と近づくために そのトゲトゲを
時に切り落としてもいいですが、
そのトゲトゲにはトゲトゲの働きがこの世界に必ず存在します。
人と手を繋ぐために、その目的のために、
トゲを落としたのだ、と本人が気がついていればいいのですが、元々 トゲトゲだったウニが
つるっと滑らかな球体になってから 自分は
何者だったか思い出そうとして苦しむのは
"共感能力の海に溺れた"結果
自分の立ち位置、形をすっかり見失った状態といえるのです。
時にエゴイストであることが、多くの人をインスパイアすることがあります。
人と重なり合わない、自分だけの感覚や感受点、才能の追求など、その感覚に従った分だけ
この世界に自分だけの、可能性を提案することができるのです。
そう言った意味では、ここまでは共感できるけれど、ここからは私なりの意見がある、考えや、信念がある、とある程度、舵を切ることが
"人生における" 遭難や、海難事故を防いでくれるでしょう。
本当は、共感しなくてもよかった場面
そこまで汲んでしまっていては
自身が潰れてしまう、溺れてしまうと
感じる場面では、共感の海から
顔をだし、沖にあがることも 選択肢として
いつでも用意しておきたいものです。
人生の舵を切るのは いつも自分です。
昨今、同調圧力とよばれるような気配も
まさに共感能力が誘う危険な海かもしれません。
周りの海に、浸かりすぎることはありません。
いつでも、本当の意味で自分のための舵取りができるのは自分だけ。
天候や気圧や、風向きなどは周りの環境で
いくらでも変わるものです。
人生においての浮き輪や地図となるのは、そんな傾向を見通すクリアな視力なのだと思います。
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