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龍王山の懐深く、静かに眠る衾田陵:西殿塚古墳

万葉まほろば線の長柄駅から東に向かい、県道を越え、萱生(かよう)集荷場前で山の辺の道に合流すると西山塚古墳が右手に見える。

ただ今、合同会社cofunia(西山塚古墳)さんが絶賛リノベ中。

白い屋根が今リノベ中の家屋

秋には古墳の裾に泊まれるホテルがオープンの予定。
一昨年に墳丘で開かれた「西山塚古墳の活用を巡る妄想ミーティング」に参加したこともあって、私も楽しみにしている。

そこから桜井の方に道を取り五社神社で東に曲がると、目の前に南北に横たわる巨大な衾田(ふすまだ)陵が姿を現す。
全長230m、大和古墳群最大。

衾田陵(西殿塚古墳)は手白香皇女の墓に治定されているが、発掘の結果では3世紀後半のものとされ、皇女の時代と合わない。それで、前述の西山塚古墳(6世紀)が皇女の陵墓ではないかと言われている。

手白川皇女は継体天皇の后で,武烈天皇の姉と言われる。欽明天皇の母であり、推古天皇の祖母。
6世紀初頭に武烈天皇で仁徳天皇系の男系皇統が途切れてしまったので、応神天皇5世孫の継体天皇が越前から迎え入れられ、天下が治ったと言われている。

天皇家の系図はいつも難しい!

天皇家の系図

衾田陵が手白香皇女のものでないにしても、誰かを葬るために作られたのは確かである。
何故こんなところに、こんなデカいものがドデンと横たわっているのか?
当時の死生観はどんなものだったのだろう?

そして、これを築き上げるには、沢山の人の働きが必要であったのも当然だ。
どんな風にして築造したのだろう?

想像力を膨らませてみる。

遥拝所

衾田陵は大和古墳群の中でも一番高いところにあるので、遥拝所へは少し登らなければならない。

参拝した後は、両脇に柿の木が茂る細い道を蟷螂山古墳の方に下っていくことになる。

ここから見える景色が大好きだ。

二上山と大和三山が見渡せる。
古代の人も同じ景色を見ていたのだろうと思うと時の流れが一瞬止まる。

二上山の「ふたかみ」もくっきり
耳成山と畝傍山が重なって見える


1700年前から変わらない景色。
「何もない」という贅沢。

ここで楽しむのはそれに尽きる。

折しも、道の両端には柑橘系の白い花が花盛り。
みかんや八朔などだろうが、橘もよく見かける。


ネロリ系の香りが辺りを漂う。
そう、アロマのエッセンシャルオイルの中では、めちゃ高いやつ。

なんてゴージャスなんだろう!
これが散歩道だなんて…

道端の花や草を愛で,頭上に鳥の声を聞き、甘い香りを胸いっぱいに吸い込む。

五感と想像力を駆使して楽しむこと。
これができれば最高のウォーキングになる。

ムラサキツユクサ
コバンソウ
栴檀の木?


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