【彼岸のオルカ】恋に落ちて、故意に堕ちていく
「ロックに失敗しました。何をですか? 石凪さん」
→もしかして、それは恋心ですか?
今回は、聴くanime「彼岸のオルカ」#1〜4と、その主題歌である「半端者」について書いていきます。
さて。早速ですが、まずは#1〜4を語る上で欠かせない酒本さんと石凪さんについて振り返ります。
・酒本さん
教師に乱暴されかけ、潜ろうとした女子高生。
・石凪さん
酒本さんの友達。酒本さんが襲われた事件現場で、警察を呼んだ人物。
さらに調査を進めていくと、石凪さんは同性が好きなんじゃないか、相手は酒本さんじゃないか、と考察されていきます。
酒本さんを好きでいながら、けれど自分が同性愛者だと知られたくなくて、結局どうしようもなくなって酒本さんを傷つけてしまった。
「石凪は、酒本さんと自分を天秤にかけて、選びきれなかった」と、海くんも言っていますね。
主題歌「半端者」の歌詞は、まるで石凪さんと酒本さんの話に繋がっているようにも見えてきます。
石凪さんは、酒本さんへ愛を伝えたかったのかもしれません。
酒本さんは、みんなと同じように誰かを愛したかったのかもしれません。
けれど、2人の距離は遠ざかってしまったんですよね。
さて、「半端者」の歌詞についてなんですけれども。
一番最初にこの曲を聴いたとき、私は「故意」を「恋」だと思っていました。
「愛が欲しくて、恋に落ちていった」曲、というのが第一印象です。
が、しかし。
歌詞を見ると、「故意に堕ちる」なんですよね。
ここからは私の想像になるんですが、もしかして「恋に落ちる」と「故意に堕ちる」をかけてるのでしょうか?
その前提を元に、少し石凪さんの恋について考えていこうと思います。
石凪さんにとって、恋心とは何でしょう。
・同性が好きということを指摘され、ムキになったこと。
・いっそいなくなってほしいと思うのに、「好き」な気持ちは終われなかった。
いくつもの矛盾と、話せない本当の気持ちと、どうしようもない恋心を抱えていた石凪さん。
もし、「たった一言、一言だけ」でも言えていたら、未来は変わっていたのでしょうか。
冒頭にも書いてるんですが、予告にて言われていた、「ロックに失敗しました。何をですか? 石凪さん」について。
ロックする、つまり錠を掛けるということ。
石凪さんが鍵をかけたかったものは、恋心なんじゃないかなぁと思うんです。
でも、恋心ってロックできないものだと思うんですよね。
一説によると、恋と愛の違いとはコントロールできるかどうか、というものらしいです。
できないのが恋、できるのが愛。
引用させていただきましたが、この記事を見て、恋心について少し分かったような気がしました。
つまり、自分ではコントロールできないものに無理に蓋をして。
見ようともせず、見せようともせず。
でも生じた綻びの恋心に、絡まってしまった。
石凪さんって、もしかしたらそういう人なのかなぁと思います。
オルカ本編では、石凪さんと直接話している描写はなく、これらは単に私の想像にしかすぎません。
もしかしたら本当の気持ちはもっと別のものにあるのかもしれません。
半端者の歌詞と繋げたのも、私の考えすぎなのかもしれませんね。
でも、こういう解釈もありなんじゃないかな?と書いていった次第です。
ここからは、少しだけだらっと#1〜4の感想を書いていきます。
・#1の一番好きなシーン
飛びそこなった酒本さんに近づいて、「唇まで、真っ青」という海くん。
たぶんしれっと唇に手を添えてそうで、顔がいい男のそういう動作はいけないと思う(ただの想像です)
・#2の夢のシーン
仰げば尊しがバックグラウンドで流れているのがたまらなく心臓に刺さります。「いざさらば」のタイミングで真琴が電車に飛び込むのが何とも言えない……。
・#3の海くんの独り言(?)
「足が早いだけで〜」とか、「お互い生きてんだから〜」とか。ぐさっと胸を刺す海くんの一言の重さ。でも、間に合わないこともあったり、生きてるのに話せないということもあったり。自分も、小さいけれどそういう経験あったなぁと思い出して、生きるって難しいなぁと漠然と思ったりもしました。
・#4の石凪さんと酒本さんの“いつか”
2人は離れてしまったけれど、いつかまた再会してほしいと願います。今度こそ、ちゃんと伝えられる気持ちもあるかもしれないし、そうでなくとも昔のように、友達のように、ただはしゃいで過ごしてほしいです。
「とりあえず、生きてみます」っていう酒本さんのセリフが好きです。生きていれば出来ることだって、たくさんあるから。
彼岸のオルカ、あまりにも好きになったので台本付きの音源を購入しました。
じっくりと台本を読んでいって、1つ1つのセリフを噛み締めて世界観に浸りつつ、改めて声優さんって凄いんだなぁ……と思いました。
文字から読み取った情報量と、そこから各キャラクターに落とし込む感情と、それを表現する声。
そして、BGMやSEがさらに物語の世界観を広げていって、聴いていてじっくりと余韻に浸ることができます。
これが聴くanime……このコンテンツに出会えて良かったと思いました。
以上、しろやぎの感想でした。
読んでいただき、ありがとうございました。
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