2017シーズン新体制について



2017シーズンの新体制が発表され、ユニフォームも発表、いよいよ始動ということになりました。

個人的にはまだ昨シーズン終了のダメージ(森崎浩司の引退と佐藤寿人の移籍)も受け止められているのかどうかというところですが、11番の空白と茶島雄介の7番が雄弁に語りかけています。それでもサッカーは続く。否、続けるのであると。

というわけで今シーズン広島で戦うことを選んでくれた選手のみなさんをざるっとみていきます。だれのユニフォームにしよっかな。そんなあなたに大天使教団。

(完全に余談ですが、今年のユニフォーム発表はユニフォームポエムが消失していてデザイン云々の前にショックが強すぎて立ち直れてません…NIKEのユニフォームからポエムを抜いたら何が残ると言うんだ...鹿島や浦和は傑作であったのに…w)




凡例

★:新加入 ◆:昨夏加入 ☆:背番号変更 レ:レンタル移籍中 

背番号、選手名/年齢(2017シーズン中)/昨季データなど

※なお、選手のポジションおよび並びは独断に基づきとくに序列とかではありません。キャンプのお楽しみにしましょう。


GK

1 林卓人/35歳/リーグフル出場、セーブ率73.4%

★34 中林洋次/31歳/リーグフル出場、セーブ率73.2%

21 廣永遼太郎/28歳/出場なし

レ増田卓也/28歳/長崎レンタル、背番号1


・ひとこと:チームで唯一手を用いることが許されたゴールを守る最後の砦。長崎からの守護神ラブコールに挑戦を決意した増田卓也と入れ替わるようにして中林洋次が6年ぶりの帰還。岡山でJ2トッププレーヤーに成長した超反応のGKが廣永遼太郎とともに林卓人の座を狙うスリリングなスカッドとなった。この場でいうのもなんだが廣永遼太郎さん挙式おめでとう!反り立つ壁が2枚そびえてしまうのだけどピッチで戦う姿を見せておくれ…



CB

5 千葉和彦/32歳/パス成功率93.7%、パス数チーム1位

◆2 野上結貴/26歳/空中戦勝率70%

★25 イヨハ理ヘンリー/19歳/ユースキャプテン、プレミアwest優勝、Jユースカップ準優勝

レ吉野恭平/23歳/京都レンタル2年目

コンバート可能性:森崎和幸、塩谷司

ひとこと:守備の要にしてパスの第一手を担うチームのコントロールタワー。千葉和彦のドーピング疑惑でにわかに危機に陥ったポジションであったが、公式に辞書登録されていなかった途中加入の野上の奮闘が失意のシーズンの一筋の希望となり、千葉和彦の疑惑も無事晴れたことで一挙に層の厚いポジションとなった。吉野恭平のレンタル継続は残念だがユースで堂々たる成果を収めた(日本一を逃して悔しいだろうけど)おさむちゃんがあがってくるのでやむなしか。低空飛行のチームで八面六臂の活躍を見せた千葉ちゃんが今度はチーム全体のパフォーマンスを引き上げられるか、そしてのがみんの2年目の充実に期待がかかる。


RB

33 塩谷司/28歳/5得点、パス数チーム2位、スルーパス数チーム4位

26 川崎裕大/25歳/出場なし

レ宮原和也/21歳/リーグ13試合、名古屋レンタル

レ大谷尚輝/22歳/町田レンタル2年目

コンバート可能性:森崎和幸、◆野上結貴、佐々木翔

・ひとこと:宮原和也の名古屋移籍によって一気に心許なくなってしまった右ストッパー。ペナルティエリアの角のスペースを守るとともに相手の守備の及ばない地点からの攻撃の加速と援護が重要な役割です。魂の5年契約更新ということで、攻撃のスイッチャーと困った時の飛び道具としてチームに勢いをもたらし、ピンチをなんとかしてきてきてくれた塩谷司の復活が今季のキーポイントであることは間違いないでしょう。以前とは警戒度の跳ね上がった相手の守備を食い破り、かつ内に絞るSHと外に開くSBの二律背反をどう防ぐか。彼個人のみならずチームの動きとしてみられれば。怪我が相次ぎ全然見れていない川崎君が満を持するという解決策も歓迎しています。


LB

19 佐々木翔/28歳/長期離脱までファーストチョイス

4 水本裕貴/32歳/自陣空中戦勝率73.5% タックル成功率80.4%

コンバート可能性:森崎和幸、清水航平、★イヨハ理ヘンリー

・ひとこと:ストッパーの左側。安心と信頼の対人守備の名手水本裕貴と現代的パス能力とハードな寄せの佐々木翔とがスタメンを争うという層の厚かったポジションも昨季は佐々木翔が傷害事件の被害に合い、水本も骨折と危機に陥ってしまっていました。清水航平のストッパー起用はうれしい驚きではあったものの、やはり安定とは程遠く、今季はこの2人の無事が最大の補強となりそう。第一人者が二人もいるしもしなにかあっても一番コンバートできそうになったという層の厚さは往時(3バックだけどDF登録は全部で2人)を考えれば隔世の感があるとはいえ、やはり2人の無事が雪辱の前提になるでしょう。



後衛型ボランチ

8 森崎和幸/36歳/パス成功率95.1% DF全ポジションコンバート

28 丸谷拓也/28歳/リーグ21試合出場 2得点

レ宮原和也/21歳/リーグ13試合、名古屋レンタル

コンバート可能性:柴崎晃誠 ★稲垣祥

・ひとこと:細かなポジション調整でマークを分散させショートパスによるボールの循環と攻守の意思決定を担当するポジション。丸谷拓也の定着によって積年の森崎和幸問題は解決に動き始めたものの、それでも100%の状態ではないカズ様に多くを頼らざるを得ないという状況が昨季の成績に大きく影を落としてしまったと思われます。しかしまあCBの離脱ラッシュを黙々と埋めきったカズ様マジカズ様ですね…。このカズ様の巧緻を"アイデア"とか"センス"とかでなくチームの連携として、他の選手でもできるようになるのがいわゆる"世代交代"だとか"伝統"だとかということになるでしょう。今季はまさにそういう意味でも勝負でしょうか。いざとなったらシャドウが充実しそうなので柴崎晃誠を落とすことも視野に入るか。


前衛型ボランチ

6 青山敏弘/31歳/インタセプト、こぼれ球奪取チーム1位

☆7 茶島雄介/26歳/22試合3得点

29 森島司/20歳/ACLターンオーバーで躍動

レ 川辺駿/22歳/磐田レンタル3年目

(コンバート可能性:柴崎晃誠、★稲垣祥)

・ひとこと:ピッチ中央であえて孤立することで攻撃と守備のスイッチングを担うポジション。昨季はとかく青山敏弘のパスがつながらなかった1年でした。原因は相手の研究が上回ったこともあるし、こちらの前線の問題もあるし、彼自身の問題もあったことでしょうが、チームの"ハブ"となるここのポジションが殺されてしまうと厳しくなってしまいます。今季はもう少し青山に合わせてくれそうな前線になりそうですし、彼の中の空回りが収まってくれれば望む結果に近づくでしょうか。他のポジションに比べると極端に薄いポジションだと思うのですが、まあサブと分かっててこの大事なポジションを任せられるレベルの選手が来てくれるはずもないですよね。じゃあ育てるしかないのだから川辺駿君はどうした、と思うのですが、どうするのでしょうか…w

相手の攻撃とプレッシャーを一手に引き受ける都合上単純に体の強さが必要なので難しいかもしれませんが、そうはいっても青山のほかにも任せられてほしいなという選手はいます。森崎浩司の7番を継いだ茶島雄介は崩しのデータ(スルーパス、ドリブル、シュート)が他の選手に比べると軒並み物足りないところですので今季の飛躍に期待。前につなげる能力では非凡さをみせていた森島司にもルヴァン杯で結果を出してスタメン争いに名乗りを上げてほしいところ。



ウイング(2枠)

(右)14 ミキッチ/37歳/ドリブル数リーグ2位、クロス数リーグ1位

(左右)18 柏好文/30歳/ドリブル成功率チーム1位、クロス数リーグ2位、タックル数チーム4位

(左右)16 清水航平/28歳/タックル成功率チーム1位、アシストチーム2位

☆(左右) 3 高橋壮也/21歳/リーグ2試合

レ (左右)キム・ボムヨン/27歳/清水レンタル延長(おそらくこのまま兵役)

コンバート可能性:佐々木翔(左)、長沼洋一、★稲垣祥(右)

・ひとこと:逆サイドからのサイドチェンジを受けて突貫し敵陣を打ち崩す切り込み隊長的なポジション。柏好文加入以降突破力に磨きがかかった両翼は今季も健在となりそう。ミカ様は天使であることだなあ。清水航平が着々と成果を出しており、以前のラッキーボーイぶりとは違った形で存在感を増しているのが心強い。ただ、ミカ様ラストシーズン予定であり怪我もあるということで高橋壮也の出番が増えて継承という形にもっていってほしいところです。誰も補強せず、背番号も若くしたのというのもその決意の証であるでしょう。ルヴァン杯に出るぞとかいってるばやいではない選手層になっているので画伯頼むぞ画伯。とはいっても誰かが負傷するとゲームオーバーになりそうなので補強自体は用意してるんじゃないでしょうか…新加入の稲垣祥も甲府でやってたという話があるとも聞きますが、自分で抜きに行くタイプではないでしょうし守備固め的な采配くらいが現実的でしょうか。とかいってたらささしょみたいにわりかし巧い突破とクロスを見舞うかもしれない



シャドウ(2枠)

30 柴崎晃誠/33歳/リーグフル出場、8得点10アシスト

◆44 アンデルソン・ロペス/24歳/終盤スタメン、3得点

☆7 茶島雄介/26歳/1stステージスタメン、リーグ22試合3得点2アシスト

31 宮吉拓実/25歳/中盤スタメン、リーグ13試合4得点1アシスト

★10 フェリペ/27歳/24試合4得点2アシスト

★15 稲垣祥/26歳/33試合5得点2アシスト

24 長沼洋一/20歳/U19代表

★32 松本泰志/19歳/高校総体4強

レ 野津田岳人/23歳/新潟→清水レンタル

レ 川辺駿/22歳/磐田レンタル3年目

コンバート可能性:★工藤壮人


・ひとこと:CH~FWまで場合により多様な役割を要求されるシャドウポジション。安定して活躍したのは柴崎晃誠先生のみ。負傷と連携構築に苦しんだ準レギュラー3名(茶島→宮吉→ロペス)にレンタル組の帰還と見ものだなと思ったらレンタルは継続、パスのフェリペ、運動量の稲垣のてこ入れという結果に。新卒の松本君は強化部長曰く高萩洋次郎をイメージしているとのことですが、まずはプロのレベルの体とプレースピードを養ってからということになるでしょう。映像で見る限りフェリペはフィットさえすれば第一候補なのだと思われますが、ビデオはキャリアハイのピックアップでしかないですし昨季の成績はちょっと大丈夫なんだろうかという感じ。実績でいうと稲垣でしょうが、そうなるとより固定化できている後ろの選手には向いてない(佐々木翔のおかげで出来そうだったけど傷害事件に遭ってしまった)そして今季実際失敗してしまっていた、縦に速いサッカーにもっていくということか…はてさて今年もまたもや未知数ということになりました(3年連続3回目)。

広島が勝てない/勝ちたいチームに比べるとやはりこのあたりの選手の入れ替わりの多さ、毎年まっさらにやり直しになってしまうことが一つネックだと思うのですが、まあないものをねだってもしょうがない。そういうサッカーのおかげで相手の予測もつかないところからの素材の味で殴る攻撃で結果を出してきているわけですしね。懸念は年々素材の味しかしなくなってスープがなくなってきているところですので今年はきっちりとスープを継ぎ足し調理ができるか。良きにつけ悪しきにつけ今季の最注目ポジションであることには変わりはないでしょう。ちょっと人数が多すぎる気がしますが、宮吉はFW、柴崎晃誠先生や稲垣はボランチとオプションが豊富そうなのでそういう意味合いがあるかもしれません。来たれ…攻撃ルートの整備された守備で赤字の出ない5-3-2…


ストライカー

★50 工藤壮人/27歳/17試合2得点(MLS)

22 皆川佑介/26歳/リーグ19試合(うち先発1)1得点

31 宮吉拓実/25歳/FWとしてのスタメンはなし

コンバート可能性:フェリペ

・ひとこと:これまで前線の核であった佐藤寿人、これから核になるはずであった浅野拓磨、そして昨季核となったピーター・ウタカ(正式発表はないけどたぶん)と同じシーズンで一挙に3つの核を失ってしまった最前線のポジション。贔屓目に見積もっても暗黒だと思われたのですが、ネルシーニョの柏レイソル(2013シーズン,2014シーズンの死闘が記憶に新しい。やたら対戦しましたね…w)の核であった工藤壮人を射止めることが出来、エースの旗が無事受け継がれるかは不安よりも期待の方が大きくなったのは幸い。とはいえ、昨季全大会77ゴールのうち21得点9アシスト(筆者による集計)を記録したピーターウタカに代わる勝ちパターンたりえるのかどうか。他クラブのオファー(多分甲府)を断り残留を決意した皆川佑介はそろそろ単なるポストプレーヤー、汗かき役から脱却をしなければならないですし、FWでこそ発揮される宮吉拓実のゴール技術も見てみたい。新たに11番、広島を背負うのは誰か、というシーズンであることでしょうし、誰がつけてもいいよと悩ませてくれるシーズンになってほしい。