見出し画像

厩務員になるには何が必要?仕事内容・収入・1日スケジュールを公開

 

馬に関わる仕事に就きたいけど、どのように進めて良いか悩んでいませんか?1番馬に関わる時間が長いのが厩務員です。

厩務員は一日を通して馬のお世話をします。厩務員と言っても競馬(競走馬)・乗馬クラブ(乗用馬)の2種類があり仕事内容が異なります。

この記事では現役の厩務員が2つの違いを織り交ぜながら厩務員について紹介します。

厩務員とは

厩務員とは馬が快適、適切に過ごせる環境を提供する仕事です。馬房の清掃や健康チェック、食事の管理や運動などを行います。一頭一頭平均体温や食事のメニュー、運動内容が異なるので、それに応じて仕事内容も異なります。

先述した通り、厩務員には競走馬を扱うものと、乗用馬を扱うもので2種類あります。以下でそれぞれ紹介します。

競走馬の厩務員

競走馬の場合、速く走ることが求められるので脚力や心臓機能を鍛えるトレーニングを行います。またレースに使用する馬は2歳〜7歳と若い馬なので、経験が少なく扱いが難しい傾向があります。

競馬馬でも担当している馬がレースに出る時は、馬が見覚えのない人に囲まれたりいつもと違う雰囲気だったりすると、体調を乱すことがあるので長期間面倒を見てきた厩務員が寄り添い、安心させることも必要です。

日頃から担当馬とのコミュニケーションや信頼関係を築くことが馬の安心材料になり、大きな事故や怪我を防ぐことにつながります。

乗用馬の厩務員

乗用馬の場合、観光地や乗馬クラブで安全に騎乗する事が求められ、馬が暴れたり興奮したりせずに指導者または騎乗者の指示に従うことが大切です。

乗用馬は一般の方が乗ることが多いです。馬が急に走る、暴れるなど危険なことが起きないように日頃から運動して元気が有り余ってないようにします。

乗馬クラブには若い馬から競馬を引退した引退競走馬、20歳を超える馬など様々いるため、はじめは穏やかで扱いやすい馬から担当することが多いです。

厩務員の仕事内容

基本的には競走馬も乗用馬も業務内容は変わりませんが、競走馬はレースに向けて調整をし、乗用馬は競技会やレッスンに向けて調整を行います。

生き物を扱う仕事のため、発熱や自然災害などの非常時にはどの時間帯であったとしても様子を見に行き、処置を行わなければなりません。

健康管理

厩務員にとって最も大切なことは馬の健康管理です。発熱や疝痛(腹痛)、蹄(つめ)の病気や足の腫れなど、異変にいち早く気づく事が大切になります。

蹄は馬にとって最も大切な器官と言われており、蹄の病気で引退やデビューできなくなる競走馬は少なくないです。

食事管理

馬の餌と言っても種類が数多くあり、運動量や筋肉量、年齢などを考慮して飼料を配合していきます。

馬にも好き嫌いがあるので嫌いな物を残す馬や食が細い馬、歯が悪い馬など様々で、食べてもらうために工夫します。

トレーニング

競走馬は本番に近い状態のコースを走ります。コーナーの曲がり方の練習や坂道を走り筋力や瞬発力の強化、ゲートに入る練習など調教師の指示のもと行います。

乗用馬では、一般のお客さんが乗っても素直に指示に従うように調教したり障害物を飛ぶ練習などを行います。


厩務員の1日のスケジュール

実際の厩務員の1日のスケジュールを紹介します。

競走馬の場合

*中央、地方または担当厩舎で異なる事があります。
4:00−6:00 馬体チェック
6:00−7:00 餌、水やり
7:00−9:00 馬の手入れ(ブラッシング、蹄の掃除)
9:00−11:00 馬のトレーニング
11:00−12:00 馬房の掃除
12:00−13:00 昼休憩
13:00−15:00 馬のトレーニング
15:00−16:00 手入れ
16:00−17:00 餌やり
17:00−18:00 馬房や馬の点検

乗用馬の場合

6:00−7:00 餌、水やり
7:00–9:00 馬体チェック・馬房の掃除
9:00–12:00 馬のトレーニング又はレッスン
12:00–13:00 昼休憩
13:00–15:00 馬のトレーニング又はレッスン
15:00–16:00 馬具の手入れや馬場の整備
16:00–17:00 夕餌
17:00–18:00 馬房や馬の点検

業種(競走馬・乗用馬)で必要資格が異なる

同じ厩務員ですが、求められる技術が異なるので必要資格も異なります。まず競走馬(競馬)の中でも地方、中央競馬で必要資格や過程が異なるので、それぞれ説明します。

地方競馬では必要資格や試験がありませんが、基本的に各厩舎で研修制度が設けられているので研修期間で必要なスキルを身に付けます。

中央競馬(JRA)ではJRA競馬学校の厩務員課程を受験し合格、その後6ヶ月間の厩務員課程を行うことが必要です。

乗用馬でも乗馬クラブ、牧場によって必要資格は異なります。各地に展開している乗馬クラブや牧場以外は基本的に必要資格はありませんが、研修期間があります。

そして、各地に展開している乗馬クラブや牧場は乗馬学校を卒業してからでないと受け入れられない所や研修とは別に講習を受講しなければならない場合もあります。

競走馬と乗用馬の違い


そもそも競走馬と乗用馬の大きな違いは、育てられ方や目的が異なります。競走馬はレースに勝つための育て方、乗用馬は安全に人が乗れる、触れ合える育て方をします。

通常、競走馬は2歳から3歳にかけてデビューします。10歳を超えると身体的な面でピークが過ぎる事が多く10歳を超えて活躍する馬は非常に少ないので必然的に若い馬がほとんどです。

乗用馬の場合では10歳以上の馬が多く活躍しています。若い馬より精神が落ち着いており初心者の方でも安全に騎乗できるからです。

また、馬の品種も変わってきます。競走馬は早く走るのに特化した軽種(サラブレッドやアラブ種など)や走る能力の高い馬同士を掛け合わせ、より早い馬を誕生させるため交配を行います。

乗用馬は子供が乗りやすいポニー種や引退した競走馬、軽種より足腰が丈夫でガッチリとしている中間種など様々です。競走馬と同様に飛越能力が高い馬同士を交配を行います。

厩務員の収入


地方競馬や中央競馬、乗馬クラブの規模や頭数の違いでかなり変わります。

競走馬の収入

中央競馬(JRA厩務員)の平均年収は、400〜800万円です。さらに給料とは別に
担当馬が賞金を獲得すると5%を受け取る事ができます。

賞金の配分方法は、各厩舎で異なることがあります。例えば5%の内3%を担当者が貰い、残りの2%を自分が所属する厩舎の厩務員全員で割ったり、5%を厩舎の厩務員で割るなどです。

次に地方競馬(NAR)です。平均年収は400〜600万円で、こちらも賞金の配分がありますが
中央競馬より賞金額が低いです。

また、インディードで検索可能なデータによれば、厩務員を含む競走馬スタッフの平均年収は、約449万円となっています。

地域別では、東京都で約840万円、大阪府で約365万円、北海道で約473万円などとなっています(生産牧場、育成牧場、観光牧場スタッフなども含まれる)

出典:https://www.tcaeco.ac.jp/contents/column/20210506_450/#:~:text=%E5%8E%A9%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE%E7%B5%A6%E6%96%99,%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

http://bajigaku.com/shoku_kyumuin/index.html#:~:text=%EF%BC%AA%EF%BC%B2%EF%BC%A1%E5%8E%A9%E5%8B%99%E5%93%A1%E3%81%AE,%E5%A4%9A%E5%B0%91%E9%81%95%E3%81%86%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%EF%BC%89%E3%80%82

https://jp.indeed.com/career-advice/careers/what-does-a-stable-hand-do


乗用馬の収入

乗馬クラブの厩務員の平均年収は、220〜600万円です。こちらも競技会で賞金や賞品がありますが自分で競技会に出場し入賞する必要があります。

競技会で入賞しても、馬主がいた場合は基本的に馬主に譲渡します。馬主がいない場合はもらえます。ですが競技会に出場した費用などを引かれる可能性があります。

まとめ

馬を扱う仕事なので怪我をする危険性があったり、急な病気で馬が亡くなる事もあります。ですが毎日関わり、絆や信頼関係を築いた馬たちがレース・競技会で良い成績を出した時の達成感が日頃からあるのでとてもやりがいのある職業です。

  • 厩務員になるには、研修や講習または受験をすることが必要

  • 馬の体調、自然災害の非常事態には時間帯関係なく出勤する

  • 年収は220万円〜800万円と幅ひろい

また、厩務員には大きく2種類あり自分の求めてる厩務員はどちらか、理解が深める事ができたのなら幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?