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ルドン展へ

2024年11月15日&12月5日、岐阜県美術館で現在開催されている“オディロン・ルドン展”へ行ってきました。

岐阜県美術館はルドンの収蔵量で有名とは知っており、行きたいな〜行かなきゃな〜なんてうじうじ考えているうちに前期展が終了。ちょうど仕事が落ち着いたこともあり、ついにルドン展へ。

西岐阜駅からは徒歩で十数分ほど。静かな住宅街を通り、あっという間に到着しました。
1度目の訪問は裏門?から。展覧会の看板を見ずにささっと入館した為、2度目は裏門から正門へ向かい、前回は見なかった展覧会看板へ。

受付でチケットを購入。その際、同時開催の“山本芳翠展”との共通チケットを薦められましたが、今回もルドン展のみ購入。
1度目の訪問と同じく、本当に、人が少ない。まさに絵の独り占め状態。後ろの人を気にせずじっくり説明文が読めるし、間近で絵が眺められる。
個人的に人混みがすごく苦手なので、これがとてもありがたい。

以降、1度目の鑑賞記録になります。

ルドン展鑑賞前の私の中のルドンのイメージは、白黒の少し不気味な絵を描く人(浅い知識ですみません)なので、1度目の訪問の目当ては“蜘蛛”と“黒い目玉”でした。

眼は奇妙な気球のように無限に向かう



のんびりじっくり絵を眺めながら順路に沿って歩いていくと、前方に人だかりが(といっても数人ですが)。
そう、“蜘蛛”です。見物人が完全に捌けるのを待って、いざ対面。

薄らと黒のみで描かれた壁と床に1匹の蜘蛛。
まっくろくろすけのようなふわふわ?ふさふさな風体に、おどけたような表情。
不気味さも感じるけれどコミカルさだってある、なんとも不思議な絵です。
そして、絵の飾られた位置に注目。Xで事前に知っていた情報通り、本当に壁の隅に寄せられていました。岐阜県美術館学芸員の方の遊び心が感じられました。

さらに先へ進むと、モノクロの絵の中に鮮やかな色が使われた絵が現れるようになってきました。 
パステルを使い始めた時期だそうです。

ペガサス、岩上の馬


まず目を惹いたのは青。
コバルトブルーと言うのでしょうか。爽やかかつ深みのある、ともすればどこか発光して見えるような
美しい青。
次に、筆の跡。何度も上に色を乗せた為か少しでこぼこした絵の具。けば立った紙面。間近で見れる特権ですね。


さらに先へ進みます。
徐々に終盤へ、そして今回の展示で1番お気に入りの絵達です。
この場でだけ、私が勝手に名付けてしまいます。
       
         “花瓶の花の間”

その名の通り、壁一面に花瓶の絵がずらりと並んで
いました。多種多様な花瓶に飾られた、色とりどりの花たち。正面から花瓶を描いたそれは、どれも同じ構図であるのになぜか飽きなく眺めることができました。
その空間から離れがたく、中央にあった長椅子に座り満足いくまで眺めました。

どれほど時間が経ったかは分かりませんが、花瓶の花の間を後にします。
とうとう出口が見えてきました。最後の展示品を鑑賞し終え、「さぁ帰ろう」と扉を潜る直前。
満足したつもりではいたのですが、やっぱりどうしても名残惜しく、もう一度“花瓶の花の間”へ。
じっーくり、それはもうじっくり眺めて、今度こそ帰るぞ!心を鬼に展示室を退散しました。

ショップでは図録とポストカード数枚を購入。少し残念だと思ったのが青の発色が物足りなかったことと、花瓶のポストカードが少なかったこと。これが2度目の来訪を決めた瞬間でした。

図録&ポストカード


以上1度目の来訪の記録です。

滞在はどちらもおよそ2時間ほど。
頭はくらくらしつつも(ちなみにこれ博物館疲労というそう)どこか清々しい気持ちで帰路につきました。
岐阜県美術館での展示はもう直ぐ終了してしまいますが、巡回展もあるそうなので興味のある方はぜひ。

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