理想の城と小さな天使

立派な大きなお城に憧れてた
いつかあんな城に住むんだ
遠くから眺めて
空想して楽しんでいたんだ
だから今は苦しくても大丈夫

あるとき城の窓に天使が見えた
優しい笑顔
「本当の望みを見てみようよ」

ニコニコして手招きしている

でも城に近づけない
足が動かない
足じゃない頭がブレーキかけてる
怖い
城がハリボテだったら

その日からふとした時に天使が見えた
いつも微笑んで手招きしてる

20年後
ようやく城を近くで見る決意をした

一歩近づく毎に城は小さく縮んだ
縮んで縮んで
着いた時には普通の小さな家になっていた

すぐ近くで天使が微笑んでいる
僕も微笑んだ

窓の中をみると
ようやく本当の理想が見えた


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