2024/6/30 スジナシシアターvol.17  ゲスト:広瀬アリス

2024/6/30に開催されたスジナシシアターvol.17 なかのZERO大ホールに参加してきました。
スジナシってなに???レベルのビギナーでしたが、楽しかったのでレポ書き残します。


vol.17で結構長いこと続いているのに私、全く知りませんでした。
wikiで過去の出演者を見るととっても豪華なので、知らない方は是非調べてみてほしい。
今回のスジナシは3日間開催、私が参加したのは2日目の広瀬アリスちゃん出演回。彼女のお芝居はもちろん、コメディエンヌの才も皆さんご承知の通りかと思いますが、面白かった!



開演


17:00開演
なかのZERO大ホールは2階まであってキャパ1200ほど。
私が見る限り満席。男女比6:4で男性多め。
私の座席は1階4列目下手側、肉眼で表情まで十分に見られるお席でした。

まず鶴瓶さんが登場。
ここまで大きな会場でやるのは初めて、女性客が多いかと思えば男が多い!など。進行役の中井美穂さんも登場。お衣装のシックなグレーのワンピースが素敵。
この日のゲスト広瀬アリスちゃんが登場。即興劇はまた別の衣装に着替えちゃったけどこの登場時の爽やかなブルーのお衣装がすごく似合ってて好きだった。アリスちゃん、写真撮ってたらSNSにあげてほしい。
鶴瓶さんも一昨日海外から帰国したばかり、アリスちゃんも一昨日ウガンダから帰国したばかりとのことで、売れっ子タレント忙しすぎる。
月9撮影終わって、仕事でウガンダに行き、帰国翌々日にはもう別仕事が待ってるの大変だ。平凡OLの私と同世代なのに体力私の10倍くらいあるんだろうなー。

スジナシとは


客席にスジナシ初めてどころか存在も知らなかった人!と問うと、私も含めそこそこ手が挙がったこともあり、改めて中井さんからスジナシの説明をされる。
・舞台上で初めて発表されるテーマで即興劇
・役柄、衣装、小道具に至るまで演者それぞれで決める
・観客は上演中、笑い声や拍手厳禁
ここまでは私も事前に見た情報で知ってた。
・劇の始まり方(演者2人とも舞台上にいるorいない、どちらかだけいる、いるならどこに居るかなど)は観客が決める
・劇中の効果音は観客から選ばれた1人が会場後方の聴講室から出す
・劇のタイトルは振り返りまで終了後に観客から案を募って決める
この3つは知らなくて、斬新で面白かった。
・中井美穂さんの「OKです!」の声が掛かるまで演じ続けなければいけない

今回のテーマ


今回のテーマは「離島」とかなりざっくり。
暗幕の向こうのセットを3人が見に行く。
(離島というより離島へ向かうフェリー乗り場で物語が展開された)
セットの裏には用意された衣装や小道具がずらり。
なかには着ぐるみまで。
女性用のたくさんの衣装を眺めるアリスちゃんが「すごい見覚えある!」と手に取った衣装、私も見覚えある。2023年10月クール放送のドラマ「マイセカンドアオハル」で実際に着用していたお衣装でした。
特に目立つように置かれていたわけでもなく、スタッフさんが情報を伝えたわけでもないのにちゃんと気付いたアリスちゃんすごい。
ドラマがアラサー大学生が年下大学生と恋に落ちる話、と聞いた鶴瓶さんが「俺ともイケるんちゃうの(ニュアンス)」のセクハラすれすれ発言。間髪入れず「すいません!」と断るアリスちゃん。

続いて、劇の始まり方の案を募ると客席のあちこちから手が挙がり、皆さん積極的。(見慣れている方が多かったのかな・・・?)
最終的には拍手で多数決を採り、空舞台から始まり各々のタイミングで舞台に入ってくることに決定。
後ろのほうのお客さんが挙手しているのまでしっかりよく見えるアリスちゃんと近くても全然見えてない鶴瓶さんの対比がすごかった。抗えない年波。

効果音担当もたくさん手が挙がり、過去の経験者もいたものの前日の担当者が男性だったとのことで、今回は女性に。
選ばれた女性のお名前がとっても綺麗だった。
効果音は8パターン。担当者が劇の進行を見ながらリアルタイムで効果音をつける。
・小型船舶通過
・チャイム
・アナウンス
・猫の鳴き声
・汽笛
・携帯電話の着信音
・かもめ
・もう1個なんだっけ
(劇中、このなかの効果音が広瀬アリスにより上手いこと使われる)

一旦演者2人が準備のために舞台から下がる。
舞台も暗幕で隠されていた今回のセットが客席にお目見え。
この即興劇1回のために準備されたとは思えないほど細かく作られている。
2人の準備が整うまでの間、効果音担当者と中井さんのトークや広瀬アリスちゃんのプロフィール紹介などで場を繋ぐ。

私てっきりこの準備中に演者2人で進行や役柄を相談するのかと思っていたけれど、それも一切なし。相手がどんな設定で出てくるか、出てくるタイミングも全く分からない状況で各々が決めていたそうで。よくそれで上手く話が進んだよね。

以下、即興劇内容です。
終盤で役名が登場しますが、鶴瓶さん=男性・アリスちゃん=女性で表記しています。
終了後の振り返りでの会場爆笑ポイントは※表記で記載。


即興劇開演


誰もいない舞台。
女性が電話する声が聞こえる。いかにもTHE★GALな声がホールに響いている(この時点で客席から厳禁のはずの笑い声が漏れている)。
下手側からステージに先に姿を現したのはド派手シャツにビーサン姿の男性。船の乗船券を購入しようとステージ下手に設置された無人のカウンターに「すんまへん!」と何度も呼びかける。
そこへ派手なギャルファッションに平成中期のようなサングラスを頭に乗せてビーサンを履いた女性が上手側からスーツケースを引きながらやってくる。カウンターに引き続き呼びかけ続ける男性を横目に上手側に設置されたベンチへ腰を下ろす。
※振り返って初めてアリスちゃんの衣装を見た鶴瓶さん、相談していないのに衣装のテイスト丸かぶりでお手本のような二度見。終了後の振り返り時会場大爆笑。

寂れたフェリーターミナルで切符の買い方をド派手な女性に尋ねる老年チンピラ風男性、あまりに風景に似合わない状況。既にネットで乗船券購入済でスマホでピッっとするだけ、と話す女性にガラケーを取り出し「これでもピッとできるやろ」と対抗する男性。ガラケーを見た女性「なんかお久しぶりって感じ」「それ、そろそろ終わるから買い替えたほうがいいかも」と会話を交わす。切符購入は乗船後でもできるのでは?と考え、ベンチに並んで座る2人。

フェリーに乗るまでの時間を持て余す2人は自然と会話を続ける。
スーツケースを見て「旅行か?」と問う男性。
彼氏と別れた傷心旅行で東京から離島に住む友人に会いに行く、と答える女性。恋人の前で無理に彼好みの清楚系女性を演じていた彼女は、この日も頭に付けていたウルトラマンみたいなサングラスを彼に見つけられたことをきっかけに本性バレして大喧嘩になり別れてしまったという。「彼氏の好みは清楚系、女優さんで言うと広瀬すずちゃんみたいな感じ」と少し寂し気に話す女性。
※最強カード妹を躊躇なく放り込み、笑いを堪えていた客席の我慢の限界を軽々超えてきた広瀬アリス。更に広瀬すずのモノマネまで二度も披露していた。

一方の男性はバツ3、大阪で金貸しの仕事をしていたと話す。
1人で生きていくことや介護に不安を覚え、マッチングアプリで知り合った女性に会うために離島へ向かうとガラケーを握りながら話す。
※鶴瓶さんがマッチングアプリと口にしたのは完全な口から出まかせ。
マッチングアプリの言葉しか知らない状態で話し始めてしまったらしい。
アリスちゃんに「ガラケーでできるの??」とガラケーをガン見状態で突っ込まれ、初めて違和感に気付いた様子で少しフリーズした後、「やってもらったんや」となんとか会話を繋ぐ。
※介護目的で女性と知り合おうとすることに対してドン引きアリスちゃんの表情も面白いんだけど、笑っちゃいけないから口を押えて見てた。
※お互いの身の上話を聞き合う展開と思いきや、鶴瓶さんに進行のペースを握られたくないアリスちゃん、話のバトンが鶴瓶さんに移りそうになったらすかさず話題を変えたり、船がやってきたことにしたりで常に主導権を握り続ける。

男性に元カレに電話してみろとけしかけられた女性はその場を離れて電話を掛けに行く。舞台に1人きりになった男性もガラケーを取り出し、マッチングアプリをやってくれたと思しき友人「ゆうじ」に電話をかけ「これから島に会いに行く」と伝えている。そこへ戻ってきた女性、強引に男性からガラケーを奪い、赤の他人のはずの友人「ゆうじ」と話はじめる。「さっき偶然この人と知り合って~」とギャル全開で話していたはずが、驚きの声と共に少しずつ『清楚系』な話し方に変わっていく女性。実はこの電話の相手「ゆうじ」が広瀬アリス演じる女性「さおり」の元カレ「ゆうき」のお父さん、という展開。「ゆうじ」との電話を切った後、元カレは電話に出なかったと答える女性。「でもきっとまた掛かってくる、電話」と電話を強調する。
※効果音担当さんに着信音を入れてほしいと誘導していたような印象

ホールに効果音の着信音が鳴り響く。
慌ててカバンから電話を取り出す女性。ここで着信があった電話はさっきまで触っていたはずのスマホではなく何故かカバンに忍ばせていたガラケー。明らかに今までとは違う猫を被ったような話し方で彼「ゆうき」との電話を終えた「さおり」は清々しい表情で「復縁!」と男性とグータッチを交わしたところで、中井さんのOKの声が響き終了。


最後のスマホとガラケー2台持ち設定にした理由は、効果音を順番に試し聴きしていた時、着信音はスマホというよりガラケーの印象が強かったこと、準備された小道具の中にスマホとガラケー両方があったこと、演じる「さおり」は清楚系を装って彼の前ではスマホではなく彼専用のガラケーを使用していたという設定にするため、と聞いてここまで考えられる広瀬アリスの頭の良さに脱帽。コメディエンヌの才はそもそも頭の良い人にしか授けられない才なのだ。
終始、場をパッと明るくするような華やかさと笑うところは思いっきり大口開けて笑っていて今まで以上にアリスちゃんへの好感度が上がる楽しい時間でした。

タイトル決定


そして振り返り終了後、客席からこの劇のタイトル候補を募る。
いくつか候補が出るも、これが出た瞬間に鶴瓶さん即決。
それだけ劇中のインパクトが大きかった。
この劇のタイトルは

「私の彼はすずが好き」