始まり

時は、約30年前。バブルはとっくにはじけたが、まだ少し経済がまわっていた頃のお話。
夫と、冽香のプロフィールを簡単に紹介しよう。
 ●夫:当時、20代後半。ご両親には医学部を目指すとかなんとかかっこつけて(実はパチンコざんまいの生活だったと後で知る。トホホ、、、)3浪で夜間の大学に入学。バイトに精を出しすぎて4年間での卒業を危ぶまれたが、なんとか卒業。その後、就職し冽香と結婚した。
 ●冽香:20代後半。ごく普通の人生を過ごし、夫と結婚。2人の子供を授かった。

「冽香おめでとう!」「幸せにね~」と親戚、友人から祝福された結婚式。
私は、『そうよ、私が今一番幸せよ、みんなきれいな私を見て!見て!』と思っていた。
まさか、あんな結婚人生が待っているとは思いもよらなかった。。。

新婚当初から、夫の帰宅はとても遅かった。頑張って働いてくれる夫を私は頼もしく思っていた。
そして、会社思いの夫を尊敬していた。
「今度、会社の後輩が結婚するんだって。参考に冽香の婚約指輪を見たいっていうから貸してもらってもよい?」
「今度、出張に行くんだけど出張経費が月末まで精算できないから、冽香のクレジットカード借りてもよい?」
私は、喜んで夫の言うとおりにした。

約2年後、夫あてに見たこともないところから郵便物が届いた。
見たこともない宛名、それは【○○公証役場】であった。
私は、税金の支払いかと思い封を開けた。

【○○(夫の名前)は、○○会社(その当時の大手のサラ金会社)から200万円の借金をしている。保証人○○氏 〇月〇日までに〇〇会社に返済してください。】

と細かい内容は忘れたが、そんなような内容だったと思う。
『200万円て何?保証人て?』
と、頭の中で??が飛び交い、夫の帰宅を待った。

「これ、何?」
「・・・」
「この保証人て誰?」
「実は、パチンコで200万円の借金をし、保証人は会社の後輩になってもらった」
「えー!」

私は頭が真っ白になったが、とりあえず夫の両親に報告、200万円を穴埋めしてもらった。
これで、いつもの穏やかな生活に戻れると思っていた。
その後、大手サラ金や聞いたこともない金貸しの案内のはがきが毎日のように来た。
さすがの鈍感な私も、これはおかしいと思い、夫に問いただした。

「もう借金ないのよね・・・」
「・・・」
「なぜ黙るの?」
「実は、7~8社サラ金から借りていて、総額いくらかわからない。」
「あと闇金も借りている」
「え~!」
どうやら、指輪は質屋に流し、クレジットカードも限度額いっぱい借りて、もっと言うと、車を1か月に1回点検といっては車専用の質屋に入れていたらしい。
車の中にあった私のお気に入りのCDは勝手に売ってしまい、金に換えてしまった。
私の母にも、金を借りていた。(もちろん私には内緒で)
闇金に関しては、勝手に私の名前や義父の名前を保証人の欄にサインして借金していた。(闇金は、本人でなくてもよかったとのこと)
ようは、彼の思いつくあらゆる方法で借金していた。

す、すごい。総額がわからないって、どういうこと?
これって、いわゆる自転車操業ってやつ?
2回目の夫の両親のケツふき返済が始まった。
総額は1500万円。。。
夫は猛反省し、今後パチンコはやめるであろうと周りの人誰しもが思っていた。

                            続く・・・




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