ハンドレビュー(OOPターンでフルハウス完成)


前置き

よりスキルアップにつながるハンドレビューの在り方は、相手プレイヤーが「バランスの取れたプレイ」からどの程度逸脱したプレイをしているかの仮説を振り返り、その仮説に対して均衡が取れたプレーができていたかを検証することです。

でも、各シチュエーションにおける「バランスの取れたプレイ」がわからなければ、相手の逸脱の程度の仮説を立てられないですし、それに対してバランスの取れたプレイはできません。

そのため、ここでは①対象のシチュエーションにおいて「バランスの取れたプレイ」をする相手に対する「バランスの取れたプレイ」を知ること、②そのプレイがバランスが取れている理由を理解すること、の2点を目的にハンドレビューを実施します。

①バランスの取れたプレイの判断はSnowieの結果を採用し、②バランスが取れている理由はSnowieのRangeAdviceの結果を頻度ベース戦略の視点から筆者が考察します。


本日レビューするハンド

SB(Hero) vs BB。ターンのダブルバレルがクリティカルなミス判定。

フロップ

ボードテクスチャ

ツートーン&すトレードドローあり。かなり動的なウェットボード。

アクション

セットが完成。アグレッサーでOOPからCB1/3pot。

結果判定

バランスが取れたプレイだった。(ただしハーフポットベットの方が期待値高い)

ハンドレンジ確認

▼自分のハンドレンジ(1/2pot)

<頻度>
CB頻度は約52%。

<ベット構成>
・バリュー:セット、ツーペア、AA、KK、QQ、Jペア
・マージナル:セカンドヒット+強フラドロ
・ドロー:ボトムヒット+バックドア、ナッツストドロ、上オープンエンド、バックドア。

<チェック構成>
・マージナル:セカンドヒット(+弱フラドロ)。
・ドロー:弱いフラドロ、下オープンエンド。
・その他クズ手

考察・学び

<学び>
・ツートーンボードはドローにコストを支払わせるため、CBは1/2potサイズで行うのが良い。
・セカンドペア、弱フラドロ、弱ストドロをチェックに回すことで、チェックレンジが弱くなりすぎないように調整する。

ターン

ボードテクスチャ

ターンカードは6♠️。セットとツーペアの一部がフルハウスに、バックドアがフラドロに発展。

アクション

フルハウスが完成したナッツ級ハンドで、OOPから1/3potサイズのダブルバレル。

結果判定

バランスが取れていないプレイだった。チェックが最適。

ハンドレンジ確認

▼相手のハンドレンジ(1/1pot)

<頻度>
レイズ10%、コール63%、フォールド27%。

<レイズ構成>
・バリュー:ボトムセット、ツーペア
・マージナル:セカンドヒット+フラドロ。
・ドロー:Q❤️フラドロ、Q♠️バックドア。

<コール構成>
・バリュー:Jペア
・マージナル:セカンドヒット、ポケットペア、ボトムヒット
・ドロー:フラドロ、ストドロ

<フォールド構成>
・ボードに絡まないクズ手

▼自分のハンドレンジ(1/4pot)

<頻度>
ダブルバレル頻度は約18%。

<ベット構成>
・バリュー:スリーカード
・マージナル:弱いJペア
・ドロー:ナッツフラドロ+ストドロ、ナッツストドロ+フラドロ、ナッツフラドロ、上オープンエンド。

<チェック構成>
・バリュー:フルハウス、ツーペア、AA、KK、QQ、強Jペア
・マージナル:セカンドペア、ポケット。
・ドロー:フラドロ、ストドロ
・その他クズ手

シナリオ分岐(ターン)

▼もしチェックしていた場合の相手のレンジ(1/1pot)

<頻度>
ベット頻度49%。

<ベット構成>
・バリュー:スリーカード以上
・マージナル:なし
・ドロー:弱いフラドロ、すべてのストドロ。

<チェック構成>
・バリュー:強いJペア
・マージナル:セカンドペア、ポケット。
・ドロー:強いフラドロ、ペア+フラドロ
・その他クズ手

▼もしポットベットを打たれた場合の自分のレンジ

スリーカードのみレイズ。9ワンペア以上をコール。ナッツ級のフルハウスはコール止め。

シナリオ分岐(リバー)

▼リバーにスケアカードが落ちた場合の自分のレンジ

フルハウスはスケアカードが落ちてもチェック。スロープレイに徹する。

▼リバーをチェックした場合の相手のレンジ

なんと相手のポットサイズベットの頻度は64%。フラッシュ、スリーカードのバリューに加えて、ドロー滑りのブラフも含まれるため、ベット頻度が高くなる。

考察・学び まとめ

・フロップツートーンボードはフラドロへのコストを払わせるためにベットサイズは1/2potと大きめに。
・ターンもツートーンになりさらにストドロも見えるようなドロー目やセット、ツーペアなどバリューも見える難しいボードでフルハウス以上のナッツ級が入った場合、スロープレーに徹する方が期待値が高い。(ブラフ頻度も増えるので相手が打ってくれる可能性が高い)
・バリューハンドだけでなく、ストドロ、♠️ドロー、♦️ドローなど、複数のドロー目がある場合、各ドローもベットとチェックのレンジに織り交ぜることで、スケアカードが落ちた時に自分のレンジが弱くなりすぎない構成を作る。(強いドローはアグレッシブ、弱いドローはパッシブ)


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