【ガス】米国Freeport LNGターミナルの現況

米国Freeport LNGターミナルの出荷再開状況に関して、
若干方向性の違う報道が散見されますので、
ざっくり先週の前半・後半に時間軸を区切って直近の報道のポイントを整理してみます。

✔︎まだ宿題山積み(~2月20日)

Freeport LNGでは2月16-17日にかけ、JERA向けの船積みが開始。
2月中旬から4隻の船に小ロットが供給されている。

ただし、これらの輸出用に積み込まれたLNGは備蓄設備に残っていた残余在庫と見られている。

米運輸省の安全当局は液化設備の稼働再開をまだ許可していない。
第3液化系列の稼働再開申請はされている模様だが、稼働再開がすぐ承認される状況ではないと見られている。

2月に開かれたタウンミーティングで、規制当局からは、Freeportのずさんな管理体制が指摘されており、地域準民も、「まだ再開できる状況には全くない」と述べるなど、現地での稼働再開に対するネガティブな視線は強い。

上記踏まえ、専門家は、「フル稼働に戻るのは5月頃では」との見方を示している。


✔液化設備一部再開を認可(2月21日)

2月21日、米規制当局は、Freeport LNGの液化2系列を含む一部再開を認可。
Freeportは0.5bcfdのガスを受け入れている。

Freeport LNG自体は、「2022年6月以来初のLNGの生産を開始している。向こう数週間でフル稼働に戻る」とのコメント。


ややトーンの違う報道・見方が出ていますが、いずれにせよ3月~5月の間にフル稼働に戻るとの大きな方向性は一致を見ています。

アジアのLNGマーケットでは、中国が、Freeport再会による更なる価格下落を目して様子見をしています。
米国内に余る天然ガスがアジアに放出されることによってアジアのマーケットが下がるなら、米国内はどうなるでしょうか?

以下、米国Freeport LNGターミナルの出荷再開の影響を推し量る上での基礎的なデータを紹介します。

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