戦隊ロボは『ダサい』?

 YouTubeを見てると、戦隊ロボのDX玩具を変形させる動画けっこうありますよね。shortsで時間を溶かしてるときに流れてくるとちょっとテンションが上がったり。

 YouTubeにはコメント欄があるのですが、戦隊ロボって多様性に富んだデザインをしているので、モノによっては「ダサい」とか「動かない」とか「これは合体(全合体)とは言えない」とか言われてたりもするのですが、自分は基本的にどの戦隊ロボも好きなので、毎回「う、うるせ~~~」となっています。

 今回は、そのお気持ち表明がしたいので、戦隊ロボのデザインについて自分が思っていることを綴っていきます。

 思うに、戦隊ロボが「ダサい」のは、変形前と変形後のビジュアルだけに着目してるからだと思ってます。変形ロボはかっこいい物体からまた別のかっこいい物体に形を変えることが特徴であり魅力なのですが、もうひとつ大事な要素があります。変形中の動作、変形シークエンスも変形ロボを構成する魅力のひとつだと思います。

 変形シークエンスでは、ロボが形態Aから形態Bに変化するために、パーツを移動させたり分離したり合体したりして形を変えていくのですが、戦隊ロボのそれには明確な意味を持った動きが含まれています。

 ここから、特に気に入っている変形シークエンスの戦隊ロボをいくつか例として挙げていきます。

ジュウオウキング
 多分戦隊ロボの中で一番腐されていると感じてます。おそらく原因はロボ状態のシルエットで、真四角で脚が分かれていないフォルムを人型ロボと呼べない、というのが総意だと思います。
 しかし、この評価は先述したように「変形後のビジュアル」だけを見た結果です。ジュウオウキングのデザインのメインは、「積み重なった立方体がそのままロボになる」という過程だと思ってます。ここが先ほど述べた「意味を持った動き」です。「合体」を動詞で表現するとき、通常は「メカ同士をくっつける」以上の表現は無いですが、ジュウオウキングは「キューブを積む」という表現も可能になります。
 この「キューブを積む」という動作は、最終合体で脚を作るときにも一貫して表れているのが面白い所です。

トッキュウオー
 個人的に、これも色々言われているイメージがありますが、どちらかというと最終合体に言われてるイメージですね。
 トッキュウオーの合体シークエンスにおける「意味を持った動き」は、「列車が並走する」ところだと思います。初期合体のトッキュウオーや強化合体の超トッキュウオーは、まるで電車が並走するようにメカ同士が横並びの形になった後、どこかの部位が分離したりすることもなく、そのまま立ち上がって変形していきます。このように、現実にある動きが変形シークエンスのモチーフとして上手く溶け込んでいるのです。

シュリケンジン
 これはそこまで評価は低くないイメージですが、合体シークエンスが好きなので触れます。
 シュリケンジンの合体のサビはなんと言っても、レッド以外のメカが合体して出来たパワーローダーに、コアロボのシノビマルが「座る」所だと思います。変形ロボは、既に操縦者がロボットをパワードスーツとして纏っているのに、シュリケンジンでは、その外骨格であるロボ(=シノビマル)が同じこと(ロボに乗る)をしているのが面白いポイントだと感じてます。さらに、全合体枠の覇王シュリケンジンでは、シュリケンジン自身もより大きいロボに座るという入れ子構造になる。ライオンハオーにシュリケンジンが乗り、シュリケンジンにはシノビマルが乗っていて、ロボのコックピットにアカニンジャー(等身大戦士)が乗るという多重構造。

 これまでいくつかの例を通して述べたように、戦隊ロボの合体は、ただパーツが分離したり変形したりする合体シークエンスではなく、意図やコンセプト性を感じるものになっています。そして、戦隊ロボのデザインは、合体前後のビジュアルだけでなく、合体中の動きも含めてのものであると思ってます。

 これを踏まえると、戦隊ロボのデザインは、一概にダサいとは言えないのではないか。

 結果だけを見ず、過程にも注目してみませんか?

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