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【想いをカタチにするvlo.10】介護離職防止に取り組む団体まとめ

 3回にわたって介護離職防止に取り組む団体について紹介してきた。今回はその振り返りとまとめをこのnoteに記すことにする。


一般社団法人日本顧問介護士協会


 日本顧問介護士協会の強みとしては、まず企業に対して介護サーベイを無料で行い、それを契約につなげている点が挙げられる。そして、旭化成ホームズと提携している点や、静岡銀行と連携して取り組む事業アイディアとして選定された点も見逃せない。
 同協会は企業に対して独自の認定制度(シンボルマーク)を展開し、従業員に対しても独自の認定講座を実施しており、更新制を導入することでLTV(顧客生涯価値)を上げている。
 また、同協会はtoB(ビジネス対ビジネス)だけでなく、toC(ビジネス対消費者)向けのサービスも展開しており、キャッシュポイントが複数存在する点も大きな強みである。
 一方で、相談員の専門性や質の担保が不明瞭であり、キャッシュポイントが複数あるがゆえにターゲティングが不明瞭である。
 以上のように、一般社団法人日本顧問介護士協会は、多角的なサービスを提供することで介護離職を防ぐための総合的な支援を行っているのであるが、それぞれのサービスの専門性をいかに高め、その質を担保するかが課題であると考える。また、ビジネスモデルの多様性が強みである一方で、明確なターゲット層の設定とそのニーズに応じたサービスの最適化が求められるだろう。


一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会(ケアマネジャーを紡ぐ会)


 ケアマネジャーを紡ぐ会は産業ケアマネジャーという民間資格の認定と試験の運営を行っている。同協会の強みは、全国のケアマネが会員として加わっており(4,198人)、有料のオンラインサロンで情報交換ができる点、専門職団体や行政とのつながりが強い点、そして資格化による質の担保が可能である点である。しかし、弱点としては、産業ケアマネの認知度がまだ低いことが挙げられる。


一般社団法人介護離職防止対策促進機構


 介護離職防止対策促進機構については、活動実態が不明であるものの、「仕事と介護の両立支援対策推奨企業」マーク付与や介護離職防止対策アドバイザー養成講座を開催していることが確認されている。
 同機構の代表が経営する株式会社ワーク&ケアバランス研究所はより実務的な内容であり、厚生労働省の内容に沿ったサービス展開をしている。強みとしては、介護当事者としての経験がある点、書籍出版やテレビ出演等のメディア露出が多い点が挙げられる。一方で、サービス提供者が「介護経験者」であり専門性に欠ける印象がある。


まとめ

 企業に対して「介護離職防止の取り組みの重要性」を浸透させるのは大変である。今までになかった仕事を浸透させるには、〇〇協会のような団体を作り、資格や認定制度を設けて運営することで、まずは社会的信用を獲得するのが常套手段であるのだと思った。団体で活動することで信頼が増すことは理解できるが、それはだれが得をするのか?
 例えば、産業ケアマネという資格を創出してある程度の認知は拡大されたが(これは本当にすごいこと!)、産業ケアマネの仕事はあるのか?仕事がないのに資格がある?
 介護離職防止について企業から求められ、介護離職防止に関する仕事がたくさん出てくるようになってから団体を設立する方がいいのか?卵が先か鶏が先か?つまり、ニーズが爆発してから団体を設立する方が良いのではないかとも思う。
 この辺は、先日似顔絵セラピーの村岡さんとお話しさせてもらったときに面白い話を聞かせてもらった。その気づきはまた今度noteにまとめるつもりである。

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