【想いをカタチにするvol.6】介護離職防止のキーパーソン
そもそも、なぜぼくが介護離職防止に取り組むのかというと、それは地域包括支援センターで働く社会福祉士としての専門性を活かせるからである。多くの人々が、ケアマネを介護保険制度の専門家と捉えていることは承知している。しかし、介護離職防止の分野においては、地域包括支援センターの社会福祉士こそがその専門性を最大限に発揮できる存在であるということを強調したい。
ケアマネは、介護保険サービスの利用を前提に契約を結び、そこから支援を開始する。一方で、地域包括支援センターでは、介護保険サービスを利用する段階に至る前、つまり介護サービスの利用を検討し始めたばかりの人々への支援を行っている。これはいわば、介護の入り口に位置する極めて重要な役割である。介護に初めて直面する人々への、複雑で難解な制度の説明から手がけているわけだ。介護離職防止の対象者とは、まさにこれから介護の世界に足を踏み入れようとしている人々であり、制度を利用し始める前の段階で適切なサポートが求められる。
この点で、ケアマネが支援を開始するのは、ある程度制度に乗っかった状態からであり、制度の利用を開始する前の段階にある対象者への支援は、地域包括支援センターの得意分野であると言える。
また、介護離職防止に取り組む団体は他にも存在するが、地域包括支援センターの社会福祉士の専門性が他の団体と比べて優れている点には、特筆すべき価値がある。介護のプロセスにおける最初の一歩から支援を提供できる能力は、他のどの団体にも見られない強みと言えるだろう。他団体との比較分析に関しては、今後さらに詳しくまとめていく予定である。
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