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形骸化したケアプラン-介護保険制度の現実-

最近、要介護認定を受けている祖母を訪ねる機会があった。祖母のケアプランを見た時、深い失望を感じずにはいられなかった。

そのケアプランには、サービスを利用するために最低限必要な項目が記載されていたが、それはあくまで「最低限」の内容に過ぎなかった。ここには、祖母の日常生活や個人的なニーズ、生きがいを考慮した痕跡が見当たらなかった。ケアプランは単なる手続きの一部であるべきではなく、利用者一人ひとりの豊かな生活を実現するための道筋でなければならない。

たしかにに、ケアマネジメントには様々な課題がある。人のケアマネジメントにケチをつけたいわけではない。これは単にケアマネの資質の問題ではなく、システム全体の問題だ。現行の介護保険システムでは、個々のケアプランの質よりも、手続きの遵守や効率性が重視されがちになってきているケースもある。これにより、本来の介護保険の目的である「自立支援」「重度化防止」がおろそかになっている。

ぼく自身も、SNSを通じて見解を発信し続けたいと思う。ケアプランが形骸化することなく、本当に利用者の人生を豊かにするためのものであることを目指して。

祖母の例は、ケアプランの質の問題を浮き彫りにした。これは介護保険制度に関わる全職種にとって、考えるべき重要なポイントだ。どうやってケアプランをより個人に合わせ、その人らしい生活を支援することができるか。介護保険制度の中で、ぼくたちはどのようにして利用者の声を反映し、それぞれのニーズに応じた支援を展開できるのか。

本件で感じたことは、ケアプランの表面的な内容だけでなく、その背後にある深い問題に気づかされた。ケアプラン作成においては、単に手続きを済ませるのではなく、利用者の人生の質を真に高めることに焦点を当てる必要がある。

ケアプランは単なる文書ではなく、その人の人生を豊かにするための大切な一歩であるべきだ。

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