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【想いをカタチにするvol.7】介護離職防止に取り組む団体紹介❶

 今回から、3回に分けて介護離職について取り組む団体を紹介する。1回目に紹介する団体は、一般社団法人日本顧問介護士協会である。最後には、ぼくの分析を述べることになる。分析というか、ぼくが取り組むビジネスモデルの優位性を主張しているわけだが、自分勝手な主張であるため、気分を悪くされたら申し訳ない。
 それでは、始めよう。

一般社団法人日本顧問介護士協会

2020年4月に設立されたこの協会は、以下の業務内容を行っている。

顧問介護士の業務内容

  1. 社員の親、もしくは社員が介護状態になった際の適切なアドバイスを個別に行う。

    • 介護保険サービスの種類や利用法(メリット・デメリット)、実質利用金額の情報提供

    • 介護申請の手順(市役所や地域包括支援センターに相談)

    • 介護生活で具体的に困っていることの相談に乗り、適切な情報提供

    • 代行電話サービス(家族の方に代わり、介護施設等へ電話で問い合わせ)

  2. 年に1回、訪問して介護セミナー&相談会を実施

    • 介護保険サービスの種類とそれぞれの特徴と実質かかる費用などの情報提供

    • 大切な書類等(通帳・印鑑・保険証券等)を確認する

    • 認知症の方への接し方や、具体的な自宅での介助方法などレクチャー

    • 効果的な福祉用具の選び方や使用法、住宅改修のポイント、使える補助金などの情報提供

    • 社内両立支援制度設計のお手伝い

    • 社内での介護相談窓口設立に対しての具体的なアドバイスを行う

  3. オプションサービス

    • 規定数以上のセミナーや相談会の実施

    • その他:上記以外は都度相談

介護まるごと相談所(高齢者施設紹介)

  • 特徴①:相談員全員が “有資格者”

  • 特徴②:相談員全員が “介護相談業務経験者”

  • 特徴③:圧倒的な“聴く力”と“共感力”

  • 特徴④:介護に直面するとよくある「お困りごと」もワンストップ解決

  • 特徴⑤:介護の業界にいたからこそわかる「表と裏」

介護支援推進企業

ヤングケアラー、ビジネスケアラーが増えていく時代に、「身近な人の介護があっても安心して働ける企業」であることを一目でわかることを目的に、介護支援推進企業認定マークが策定された。以下が認定に関する詳細である。

  • 介護支援推進(優良)企業 認定マーク:企業等の名称、認定期間等を記載した認定証を発行・進呈する。

  • 協会ホームページ内に、認定企業の名称を掲載する。

  • 「介護支援推進(優良)企業 認定マーク」を自社のホームページや会社パンフレット、名刺等に掲載できるようにする。

  • 自社の取り組みを社内外にアピールすることで、企業イメージの向上が図れ、従業員の定着率向上・人事の採用効率向上が期待できる。

組織体制、仕事と介護の両立に関する実態把握、介護に直面した従業員への支援、就業規則等制度の整備

これらは、15項目で審査し、項目数に応じて「介護支援推進企業」または「介護支援推進優良企業」の2種類の認定を行う。認定期間は認定取得月から1年間で、その後は1年毎の更新となる。認定登録料は22,000円/年(税込)である。現在、介護支援推進優良企業は3企業、介護支援推進企業は19企業である。

介護まるごとアドバイザー認定講座

  • 受講時間:3時間(オンライン・オフライン)

  • 認定期間:約1年間(受講月から12か月後の末日まで)

  • 受講料:税込22,000円

  • 更新:講義時間1時間30分、更新受講料 ¥11,000 税込

年間サポート

  • 介護まるごとアドバイザー(認定講座+年間サポート):

    • 受講時間:3時間(オンライン・オフライン)

    • 認定期間:約1年間(受講月から12か月後の末日まで)

    • 受講料:税込88,000円(受講料:22,000円、年間サポート料66,000円)

    • 更新:講義時間:1時間30分、更新受講料 ¥77,000 税込(更新受講料11,000円、年間サポート料66,000円)

    • 特典1:ホームページやパンフレット、名刺等に「介護まるごとアドバイザー」を掲載できる

    • 特典2(年間サポート):顧問介護士によるバックサポートがつく(専用相談ツールLINE・Zoom365日受付)

    • 特典3(年間サポート):介護にまつわるさまざまなお困りごとの相談窓口になれる。

リスク調査

  • 費用:無料

  • 介護サーベイを実施し、表面化せず潜んでいる介護(隠れ介護)を数値化して“見える化”する。

提供サービス

  1. 介護コンシェルジュ

    • 365日10時~19時相談対応。介護に関するあらゆる悩み、困りごとを相談できる。

    • LINEチャット(AWANAIケアマネ)、Zoom、電話(フリーダイヤル)、メール(infoメール)。

  2. 会員専用ウェブサイト

    • 会員企業様専用ウェブサイト。企業IDとパスワードを入力してアクセスするサイト。

    • 動画による情報の発信、介護に役立つ情報の配信、全国の地域包括支援センター検索サービス、広報誌の発信。

  3. 「介護支援ハンドブック」の提供

    • 介護支援制度の情報や介護保険の知識など、介護と仕事の情報をまとめてお届けするPDF資料。

  4. アンケートによる介護離職リスク診断

    • 従業員の介護の実態を把握するアンケートフォームをご提供。集計から結果報告まで日本顧問介護士協会が行う。

  5. 年1回、社員向け介護セミナーを開催

    • 介護の知識や制度、介護予防に関する情報、仕事との両立支援について、企業様ごとにセミナーを開催。

    • 原則は年1回の従業員向けセミナー(60分)、管理職向けセミナーを希望する場合は別枠で開催可能(30分)。

  6. 介護関連施設の紹介

    • 老人ホーム、リハビリセンター、通所施設など。

  7. シンボルマークの登録支援

    • 厚生労働省推奨の「仕事と介護を両立できる職場環境」の整備促進のシンボルマーク:トモニン。

    • 独自取り組みの介護支援推進企業認定マーク:かいまるちゃんマーク。

  8. オプションで、法人会員専用リーフレットの作成が可能

    • 利用料金(初月無料)、入会費(システム登録料)、月額会費が従業員数に応じて変動する。企業の福利厚生としての位置付け。

これらのサービスは、一般社団法人日本顧問介護士協会とご利用企業様との契約に基づくものであり、サービス利用にあたりオンライン導入説明会を開催し、利用方法等をお伝えいたします。



分析

強み

  • 企業に対して介護サーベイを無料で行い、契約につなげている。

  • 旭化成ホームズと提携している。

  • 静岡銀行と連携して取り組む事業アイディアとして選定された。

  • 企業に対して独自の認定制度(シンボルマーク)、従業員に対して独自の認定講座を展開し、更新制にすることでLTV(顧客生涯価値)を上げている。

  • toB(ビジネス対ビジネス)だけでなく、toC(ビジネス対消費者)向けのサービスも展開しており、キャッシュポイントが複数存在する。

弱み

  • 相談員の専門性や質の担保が不明瞭である。

  • キャッシュポイントが複数あるがゆえに、ターゲティングが不明瞭である。

 以上のように、一般社団法人日本顧問介護士協会は、多角的なサービスを提供することで、介護離職を防ぐための総合的な支援を行っている。しかし、それぞれのサービスの専門性をいかに高め、その質を担保するかが課題であると考える。また、ビジネスモデルの多様性が強みである一方で、明確なターゲット層の設定とそのニーズに応じたサービスの最適化が求められるだろう。

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