見出し画像

会社という組織で生きるスキル「ずるい仕事術」要約・所感

おはようございます。本日は佐久間宣行さん著書の「ずるい仕事術」を取り上げたいと思います。

佐久間はTV東京のプロデューサーとして「ゴッドタン」「あちこちオードリー」といった人気番組を手掛けて成功されたことで有名な方です。現在は退社されてフリーとしてさらに活躍を広げられています。

本書は佐久間さんが会社員としての経験をもとに組織の中での「戦略的な立ち回り方」を解説した内容となっています。TV関係だけでなく多くの会社組織にも汎用が効くものばかりで大変参考になりました。本書から学んだこと、特に私に刺さった部分を以下にまとめて置きたいと思います。

1.仕事術編

・雑務こそチャンスに変える 
 日々の誰にでもできる雑務に追われてはいませんか。自分が会社にとって単なる歯車であるように感じられやる気を失ってしまったことありませんか。

雑務の全てというわけではないですが、中には工夫次第であなたにしかできない仕事に変えられるものがあるはずです。どんな仕事でも必ず誰かが見ていてくれるもの。誰にでもできる仕事をあなたにしかできない仕事に変える工夫の中に仕事の楽しみがあります。

・まだ早いをあざとく使う
自分の感覚で少し手の届かないくらい、ちょっと無理をする仕事に対して自分にはまだ早いと尻込みして手を挙げられなかった経験はありませんか?

どんな人でもどれだけキャリアを積んだところで「よしもう十分力がついた」とはなりません。ダメ元で無謀なオファーに挙手したとして、たとえそれが「まだ早い」と断られたとしても「あの時、手を挙げたヤツ」と相手の印象に残すことができます。回り回って後々チャンスが巡ってくるのはそういう人なのです。

若くて経験が浅いのは、裏を返せば何かと許される特権でもあります。こうしたチャレンジは30代前半までに経験した方がいい。そうした経験を通して、自分自身の解像度を上げていくのです。

・成功したければ正しい努力を 
まず一つの仕事に対して「こうじゃないかな?」と仮説を立てて、頭の中でそれを組み立てる癖をつける。それを実行し、その後必ず検証を行う。ズレていたら修正して、成功なら引き出しにストックする。これを繰り返す事で人は仕事で成長できるのです。

仮説を伴わずに闇雲に走っても経験は積み上がらないし、そこでした失敗は次への糧にはなり得ないのです。

2.人間関係編

・メンツ地雷を踏んではいけない

どんなときに人は他人を攻撃するのか。それはメンツを潰されたときです。プライドを傷つけられた、恥をかかされた、軽く扱われた。そんな時に相手はあなたを敵と捉えます。人はメンツで動いている生き物、なめんなよが争いの9割と言っても良いでしょう。

先人への敬意については特にしっかりと表すべき。メンツの地雷だけは踏まぬよう機微を汲んで慎重に対応をしましょう。

むかつくとかギャフンと言わせたい、そんな幼稚で短期的な感情に振り回されていてはきっとあなたが損をします。大切なのは相手に勝つ事ではなく、あなたが働きやすい環境を手に入れることなのです。

・横柄な態度はコストが高い
人はエラそうにできる場面があればエラそうにする生き物です。けれどそれはカッコが悪いし、一時の虚栄心だけ満たして失うものが大きいのです。

後輩や部下に仕事を依頼するとき「おい!こらやっとけよ!」も「悪いけれど、これやってもらえる?」もどちらも消費エネルギーはかわりません。

どんな人でも同じように接することが自分の未来をつくってくれる。相手が後輩だろうが大統領であろうが変わらずにフラットで丁寧に対応するように心がければそれだけで人間関係は改善するはずです。

褒めることは最強のビジネススキル
褒めるというのは相手の強みや武器が分かるということ。相手の強みが理解できていれば、どんな場面で活躍してくれるのかが分かる。

何か一緒に協働したいとき、チームを組みたいとき、あの人ならこのスキルとすぐに思い出すことができるでしょう。また、あなたが困ったときには必ずや適所で助けになってくれるはずです。

3.チームマネジメント編

・リーダーこそ本気で動け
リーダーのやる気はチームの指揮に直結します。死んだ魚のような目で働いていてはチームにもそのテンションが伝搬するもの。反対にリーダーが楽しくて仕方ない姿が見せられれば、くじけかけた人もまた頑張れるようになるのです。 

・身内にこそ気を使え
人は大切にされていると感じれば、期待に応えようとする生き物。「あなたが居てくれてよかった」をメンバーに示すのもリーダーの大切な役割です。

問題児には先手をうつ
どんな組織にも一人はいる雰囲気を壊したり悪くしてしまう問題児。チームクラッシャーには「以前の現場でこんなやつがいて本当に困ったよ」と作り話をしておく。人は同じ轍を踏むことは避けたいと思うものなので先に釘を打っておくことで問題行動を回避できます。

・会議では発言したら受け入れられる雰囲気作りを
会議においてはリーダーのファシリテート能力が問われます。アイディアなんてはじめの内は未熟で当然です。せっかく出たものイマイチだと一蹴してしまえばそれ以降意見は出しづらくなってしまいます。はじめに出たものを切り口、議論を燃やす薪として活用するのが良いでしょう。会議においてはメンバーの発言しやすいよう心理的安全性を担保することが大切です。

「ずるい」というタイトルですが随所に佐久間さんの人間味が溢れ、相手を想う優しさが伝わる内容ばかりでした。どんなにテクノロジーが発展しようと、結局仕事とは「人対人」そんな事を再確認させてもらえました。

 最後に佐久間さんが「運」ついて述べたところが特に印象に残りました。
“運は愛想と誠実さによって掛けられた信用という名の橋の上を渡ってやってくる” この言葉は私の中で本書のハイライトでした。
相手を大切にして誠実に対応する、当たり前のことのように思えます。しかし、それを常にやり続けられる人がどれだけいるでしょうか。この手段が”ずるい”と表現されるのはその希少性が理由だと思いました。

さらに詳しく知りたいと思った方は是非とも手にとって読んでみてください!



いいなと思ったら応援しよう!