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目覚めさせよう長寿菌「最高の睡眠は腸活で手に入る」要約・所感

おはようございます。本日は辨野義己さん著書「最高の睡眠は腸活で手に入る」を取り上げたいと思います。

日頃、良い睡眠はとれていますか?昔から「快食・快眠・快便は健康のバロメーターだ」とよく言われます。これまでも腸内フローラや腸内環境に関わるnoteをいくつか書いてきました。今回は睡眠と腸活のお話です。

よく眠れない理由は何か?ひょっとすると腸内環境にかるかもしれません。本書は国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員である辨野先生から良い睡眠を導く腸活のヒントが学べます。

本書から学んだことを以下にまとめておきます。


1.良い睡眠を遠ざける悪い習慣とは?

良い睡眠へと導くには、避けるべき寝る前の3つの習慣があります。

・寝る前食べる
食べてすぐ寝るいわゆる「食っちゃ寝」は良くない。よく聞く言い回しですが、なぜいけないのか今一度整理しましょう。

食後は消化器系が働き、食べ物を消化吸収するために胃腸の蠕動運動が活発になります。その時間は約3時間ほどであり、それには当然のエネルギーが必要です。

睡眠中というのは疲労回復に務めているため、全身の代謝は低下方向に働きます。反対に消化器では活発な代謝が求められる。このちぐはぐ感は体に良いわけがなく、場合によっては消化不良を引き起こし、腸内環境は悪化します。

特に睡眠のはじめの数時間は深い睡眠に入るゴールデンタイムであり、この時間に体を休めることに集中できない環境は睡眠の質低下に直結します。何だか寝ても疲れがとれない。まずは、寝る直前の食べる習慣をなくしましょう。

・寝る前の飲酒
寝酒もよくない。これは食っちゃ寝同様によく聞きます。少しお酒をひっかけたほうがよく眠れると思っている人もいるのでは、けれどもそれは間違いです。酔っ払って寝ている状態は、睡眠というよりも脳がかく乱されて意識を失っている状態に近いのです。また、お酒には利尿作用があり眠ったとしても夜中にトイレに起きてしまい、深い睡眠を遠ざけます。

摂取したアルコールは一定の時間がたつと肝臓で分解されアセトアルデヒドという物質になります。このアセトアルデヒドには覚醒作用があるため、睡眠途中で目が覚めやすくなってしまうのです。

酔っぱらって気分良く眠りについたとしても、決してそれは質の良い睡眠では無いのです。

・寝る前にスマホをみる

寝る前にスマホやタブレット端末を使用するのは良くないです。

睡眠に作用するホルモンにメラトニンがあります。幸せホルモンと言われるセロトニンから作られます。メラトニンは脳の松果体から分泌され睡眠を促します。しかし、目からブルーライトが入ると松果体は昼だと思い、メラトニンの分泌を抑制してしまうのです。結果として覚醒が促され、質の良い睡眠に導入がなされません。

効果的な睡眠導入にはメラトニンの作用を味方につけましょう。メラトニンは日光を浴びてから14-16時間後に増え始めるため、朝起床後に散歩などで外で日光を浴びることはその晩の質の良い睡眠サイクルを導きます。

2.目覚めさせたい長寿菌

腸内細菌というと善玉菌及び悪玉菌、そして日和見菌という分類がかつては一般的でした。日和見菌というのは善悪の中間にあって優勢な方に加担する。だから善玉菌を増やさねば…これまではそのように解釈されていました。また、培養が出来ない未知の菌をそう呼んでいた背景もあります。

しかし、遺伝子の解析技術が進化した現在は一部の日和見菌の正体が分かってきました。その殆どが体内にメリットをもたらす酪酸をつくりだす酪酸産生菌だったのでした。

著者の辨野先生は調査によって酪酸産生菌とビフィズス菌が健康で長生きをしている人の腸内で多いことを確認しました。そこでこの2つを長寿菌として善玉菌の呼び名を変えることを提唱したのです。

長寿菌=ビフィズス菌+酪酸産生菌

また、悪玉菌1長寿菌6その他の菌3という比率が病気を遠ざけて健康を維持するための理想的な腸内環境改善と言います。

腸内環境改善するには言うまでもなくこの長寿菌を増やすことを指します。長寿菌を増やすにはプロバイオティクスとプレバイオティクスが注目されています。

プロバイオティクスとは?
そのものが善玉菌を持っている生きた微生物、または食品のことです。

ヨーグルト・乳酸菌飲料(乳酸菌やビフィズス菌)・チーズ・納豆・ぬか漬け・味噌・甘酒・キムチなどの発酵食品。

プレバイオティクスとは?
腸内にいる善玉菌にエサを与え、増殖を促す食品のことです。オリゴ糖や食物繊維などが例に挙げられます。

さらに近年では、プロバイオティクス食品とプレバイオティクス食品をバランスよく摂取する、あるいは双方の作用をもつ食事や機能性食品を摂取して、腸内環境改善にアプローチする「シンバイオティクス」が注目を集めています。

3.腸活のメカニズム

プレバイオティクスを取ると、腸内はどのように変化していくのでしょうか。

①長寿菌である酪酸産生菌が大好物である食物繊維やオリゴ糖を発酵分解して酪酸を作り出す。

②酪酸は大腸上皮細胞のエネルギー源となり、そこで酸素を消費するため腸内の酸素濃度が低下する。

③酸素を嫌う(嫌気性)のビフィズス菌にとって居心地の良い環境となり、勢力を伸ばす。

④ビフィズス菌がオリゴ糖をエサにして3:2の割合で酢酸と乳酸を生み出すため、腸内が弱酸性になりアルカリ性を好む悪玉菌の勢力が衰える

このようなステップでまるでオセロの黒が白に変わって行くように腸内が長寿菌に優位な状態に変化させていくのが腸活です。

「21世紀は腸の時代である」とも言われます。これまでも、腸についてはこれまでも多くの書籍を取り上げてきました。「脳と腸」、「食事と睡眠と免疫」学んでいけば行くほど、相互に作用しあい繋がっているということが理解できます。

今回は腸の専門家からの睡眠でしたが、多様性の観点から次は睡眠の専門家からの免疫や健康に特化した書籍も読んでみたいと思います。

気になった方は是非手にとって読んでみてください。





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