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Altered TCGのススメ

免責事項

本記事および執筆者はEquinoxとは一切関係ありません。Altered TCGおよびセット名はEquinoxの登録商標です。たぶん。
本記事内容は公式サイトやKSページに記載の内容などを執筆者の解釈で要約したものです。本記事内容にて生じた一切の責任を負いません。可能な限り正確な情報を提供するよう心掛けていますが、正確な内容の提供を保証するものではありません。
I am in no way affiliated with Equinox. 
Altered TCG, and set names are trademarks of Equinox, maybe.

はじめに

Altered TCG、最初は海外の友人から紹介されたから蹴るか…程度の認識でしたが、調べれば調べるほど、ゲーム内外で数多くの革新的な要素を含むTCGであることが自ずと理解できてきました。
インディーズでありながら、懐古的な枯れたTCGプロジェクトが多い中、このような意欲的なTCGに出会えたことで、久しぶりに少し興奮しています。
Thanks! Viet Pham!

基本情報

Altered TCGはEquinoxによってデザインされ、2024/1/30~2024/2/29までKICKSTARTERにて資金調達が行われているインディーズTCGです。Equinox自体はRégis Bonnessée (Dixitを出版するStudio Libelludの出身で、 Diceforge、Seasonsなどのデザイナー)がフランスのパリで設立した会社で、フランスの大手アナログゲーム出版社であるAsmodee(BGAも買収しています)、魅力的な製品群ながらも日本での入手性に難のあるサプライメーカー、Gmaegenicと協力関係にあるようです。

KS Backerへの配送が2024年7月、正式発売は2024年8月の予定です。

https://www.kickstarter.com/projects/equinox-studio/altered-tcg?lang=ja

世界観

Key Art

"何世紀もの昔、我々の地球は永久に変わってしまった。大変動は現実世界におとぎ話の世界から生命をもたらした。彼らと同盟を結び、ともにアスガルタの安息地に再び文明を構築する。さあ、安全な城壁を出て、世界を旅する時が来た。ゲートの先に何があるかを…目にする準備はできたか?"

これに関して私から特に言及することはないですね。

特徴

ゲームシステム

・1ターンは1分以内でテンポの良い爽快なゲームが体験できる
・勝敗は戦闘ではなく、後述の探索レースで決まる
・使用した大半のカードはリザーブに送られ、再度プレイすることができる
・ドラフトもプレイできる

カードの所有権

・カードにはQRコードが印刷されており、コードを読み取ることでデジタルの所有権を登録することができる
・所有するカードは手数料と配送料を支払うことで無制限に印刷することができる
・所有するカードはマーケットプレイスで取引をすることができる

ユニークカード

・Keyforgeのデッキ生成で使用されているものと同じアルゴリズムで生成された世界に唯一のカード
・8パックに1枚程度の封入率、ユニークカードはデッキに3枚まで投入可能

Rarity System

ゲームの目的

前述のとおり、ゲームの勝敗は戦闘ではなく、探索レースの進捗によって決します。
ヒーローとコンパニオンが両端からスタートします。プレイしたカードの領域適正(Statistics)を比較、勝利することでヒーローあるいはコンパニオンが前進し、対戦相手よりも先にヒーローをコンパニオンが合流すれば勝利です。

How to contest for a winner

ゲームのルール

理解のサポートとしてフェイズの後に他TCGで類似するフェイズを記載しています。フレーバーとややずれる側面はあるので参考程度とご理解ください。
また、本説明内の番号はQuick Rulesに準拠しています。文字だけではわかりづらいので、併せて参照ください。

デッキ構築制限

カードは6つのファクションに所属しますが、デッキは1つのファクションで構成する必要があります。
・ヒーローカード1枚を含む40枚のデッキ
・ユニークカードは3枚まで投入可能
・レアカードは15枚まで投入可能
・同一カードはレアリティに関係なく3枚まで投入可能

Deck Restrictions

ゲームの準備

Preparation

①3枚の動乱カードをシャッフルし、裏向きでプレイヤーの間に配置する。
②ヒーロー領域カードとコンパニオン領域カードを両端に配置する。
③それぞれのプレイヤーはヒーロー探索トークンをヒーロー領域カードに、コンパニオン探索トークンをコンパニオン領域カードに配置する。
④動乱の両側に向かい合うようにプレイマットを配置する。
⑤それぞれのプレイヤーはヒーローカードをプレイマットのヒーローゾーンに配置する。
⑥ランダムにスタートプレイヤーを決定し、先行プレイヤーマーカーをそのプレイヤーのヒーローの上に置く。
⑦デッキからすべてのトークンカードを取り除き、残ったカードをシャッフルしてプレイマットのデッキゾーンに置く。※構築済みのみの処理かもしれません
⑧ルール参照カードと残ったマーカー類を手元に置けば、準備完了!※構築済みの処理ですね

開始時の手札
デッキから6枚のカードを引き、その中から3枚を選び裏向きかつレディ(縦)状態でマナゾーンに置く。残った3枚が初期手札となる。

マナオーブ
マナゾーンのカードはマナオーブと呼ばれ、常に裏向きで存在する。マナオーブはエグゾースト(横向きに)することで1マナを生み出す。すべてのマナオーブはあなたのMorningフェイズの間にレディになる。
マナゾ-ンに裏向きで置かれているカードはゲーム中そこのとどまる。

Phase 1: Morning (モーニング、午前、ドロー他)

ゲームの最初のデイ(Day)だった場合、すぐさま次のフェイズ(Noon)に移行する。それ以外の場合、下記のステップを順に行う。
①先行プレイヤーマーカーの所有者を変更する。
②マナオーブとエグゾースト状態のカードをすべてレディにする。
③デッキからカードを2枚引く。
④先行プレイヤーから順に、それぞれのプレイヤーが手札からマナゾーンにカードを1枚置くかを選択する。

Phase 2: Noon (ヌーン、正午、アップキープ)

Noonに誘発する効果を起動する。

Phase 3: Afternoon (アフタヌーン、午後、メイン)

このフェイズでは、先行プレイヤーから順番に1度に1枚のカードをプレイする。
※Alteredでは1ターン=1カードプレイ
プレイヤーがカードを1枚プレイするとすぐに、もう一方のプレイヤーがそのターンを開始する。このように、Afternoonが終わるまでプレイヤー間でターンが往復する。

ターン構成
1. 望む回数のクイックアクションを行う。
2. その後、カードをプレイするかパスをする。

クイックアクション
カードをプレイする前に、望むなら複数のクイックアクションを実行することができる。パスを選択する前にも1つ以上のクイックアクションを実行することができる。

クイックアクションは下記の2つがある。
エグゾーストアビリティ:いくつかのパーマネントやヒーローがこのアビリティを持つ。カードをエグゾーストすることでこの効果を起動できる。
サポートアビリティ:カードのサポートアビリティはそれがリザーブにあるときのみ使用できる。そのカードをリザーブから捨てることで起動できる。

※クイックアクションを実行することはカードをプレイしたことに数えず、ターンを終了させない。

カードのプレイ
カードをプレイするために、そのコストに応じたマナオーブをエグゾーストしなければならない。

キャラクターのプレイ:キャラクターをプレイするとき、ヒーローかコンパニオン、どちらの探索に置くか選択する。

リザーブからカードをプレイする:リザーブを参照

スペルやランドマークをプレイする:その他のカードタイプを参照

パス
カードをプレイできないかしたくないとき、パスをすることでターンを終了してもよい。これは次のAfernoonまで、これ以上のターンを実行できないことを意味する。
一度プレイヤーがパスをすると、残ったプレイヤーは引き続きターンを実行することができる。双方のプレイヤーがパスをすると、Duskフェイズに進む。

Phase 4: Dusk (ダスク、夕暮れ、コンバット)

Duskの間、プレイ中のキャラクターの適性を比較し、その探索マーカーが前進でき、どの探索マーカーが前進できないかを決定する。

ヒーローかコンパニオン、いずれかの探索から、次のステップに沿って実行する。

A: 探索マーカーがおかれている領域の領域タイプ(G, R, U)を確認する。
B: 各領域タイプにつき、その探索内にあるキャラクターの適性を合計する。
C: 少なくとも一つの(探索が属する領域タイプの)合計が対戦相手の合計より高い場合、探索マーカーは前進する。そうでない場合、探索マーカーは進まない。

次に、残った探索(ヒーローかコンパニオン)に関しても同様に処理する。

How to resolve expeditions

※前進するためには合計が0より高い必要がある。
※それぞれの探索につき、Duskフェイズ1回につき1回のみ前進できる。
※探索が裏向きの動乱カードに移動する場合、それを表向きにする。
※2つのマーカーが同じ領域にない場合でも、常に自分と対戦相手のヒーロー探索を比較する。コンパニオンも同様。

Phase 5: Night (ナイト、夜、エンド)

リセット
探索にあるすべてのキャラクターをリザーブに置く。それらが泡沫(Fleeting)を持つなら、代わりに捨てる。

クリーンナップ リザーブに3枚以上のカードがあるなら、2枚のカードが残るように超過分を捨てなければならない。ランドマークも同様。

リザーブ

リザーブは第二の手札のように機能する、表向きカードのゾーンである。

リザーブからカードをプレイする
リザーブのカードは手札にあるかのようにプレイできる。
-手札にあるときのコストの代わりにリザーブコストを支払う
-リザーブからプレイしたカードは(ランドマークであったとしても)泡沫を得る。

泡沫とは:泡沫を持つカードがリザーブに送られる場合、代わりに捨てる。

その他のカードタイプ

ヒーロー
プレイヤーはヒーローとしてプレイし、コンパニオンとチームを組んでいる。それぞれのヒーローはファクションに所属し、固有の能力を持つ。ヒーローはプレイヤーの戦略を形作り、ヒーローの能力を賢明に使用することがゲームに勝利するための根底を成す。

スペル
スペルをプレイした時、すべてのカード効果を解決し、即座にリザーブに送られる。スペルをリザーブからプレイした場合、泡沫を得る。

パーマネント - ランドマーク
ランドマークをプレイした時、直接ランドマークゾーンに置く。

ゲームの終了

最初にヒーローとコンパニオンが同じ領域で合流したプレイヤーがゲームに勝利する。

タイブレーカー
双方のプレイヤーマーカーが同一Duskフェイズに合流した場合、まずゲームに勝利するのに必要な分より前進しているかを確認する。もし一方のプレイヤーが前進しており、もう一方のプレイヤーがそうでない場合、前進しているプレイヤーがゲームに勝利する。

それ以外の場合、プレイヤーはアリーナでタイブレーカーデイをプレイする。アリーナはコンパニオン領域カードの裏面である。テーブルの中央に置き、双方のプレイヤーの探索マーカーをそこに置く。

Arena

下記の追加のルールを除き、通常のデイと同じようにプレイする。
追加ルール:
探索マーカーを前進させたり、後退させたりするカードアビリティの効果は無効になる。
Duskではアリーナの領域タイプごとに双方の探索のキャラクターの適性を合計する。
3種類すべての領域タイプを対戦相手と比較する。より多くの領域タイプで高い値を持っているプレイヤーがゲームに勝利する。

あまりない状況として、双方のプレイヤーがそれぞれ1か所で勝ち、1か所で引き分けた場合、あるいは3種類すべてのタイプで引き分けた場合、アリーナで新たにデイを開始する。

その他のルール

デッキが枯渇した時
デッキが枯渇し、かつカードを1枚以上引かなければならないとき、捨て札をシャッフルし、それが新たなデッキとなる。その後カードを引く。

ここが楽しみ!

テンポの良いゲーム

ゲームプレイのシーケンスは最近のゲームらしく非常にシンプルで、テンポの良い体験ができそうです。MtGは退屈な時間が存在し、FaBは逆にゲームが密でかつ長すぎると感じていたので、ちょどいいテンポ感かもしれません。個人的にはある程度複雑であった方が肌には合うので、どの程度複雑なゲームであるかはしばらく遊んでみて評価したいですね。

リザーブ周りのシステム

一度したカードがそのまま捨てられず、一旦リザーブに置かれて再度プレイできるシステム、またリザーブから使用する場合のコストは個別に設定されています。そのまま聞くと他カードゲームの一部のカードが持つ機能に似ています。ただし、Alteredのそれは一味違い、ほぼすべてのカード(たぶん)がリザーブから使用でき、かつリザーブからしか使用できないサポートアビリティの存在もあります。2枚しかリザーブにキープできないという制限も相まって、ゲームを味わい深く複雑化してくれる要素になると期待しています。

ユニークカードの存在

Keyforgeも遊んでいたので、そのアルゴリズムを利用し、生成されたカードと聞くと期待してしまいますね。私が遊んでいた当時、生成されたデッキは編集することが出来ず、TCGの重要な一部要素が削がれたものと感じていたので、それを改善したシステムであれば期待大です。自分だけの世界で一枚のカード、と聞いてときめかないTCGプレイヤーは居ないですよね。ね?

懸念点

オンデマンド印刷

自身がデジタルで所有するカードは手数料を支払って無制限に印刷することができます。ただし、私の知る限り配送地域に関して詳細な言及はありません。

所有権を手放したカードに関して当然フィジカルは手元に残りますが、カジュアルにプレイする分にはもちろん使用できます。ただし、公式の大会に参加する場合は、自身の所有するカードでデッキを構築する必要があるようです。逆に言うと、前述の配送地域の問題さえクリアできれば、複数デッキの構築、友人への布教に使用するリソースは無尽蔵ということですね。

日本での入手性

TCGを始めるうえで、対戦相手の次に重要になってくるのが、その入手性です。Altered TCGは現状、どの程度入手しやすいものになるのでしょうか。

2024/2/4現在、公式FAQにて少なくとも発売時点では大手の流通(Amazon.comなどを指していると認識しています)には乗せず、実店舗小売店中心の展開になるという旨の記載があります。日本で入手するにあたり、Amazon.comでの購入が最も容易な手段ではあるので、流通し始めても少し入手性に難が残る可能性があります。欧米系小売店の通販で入手することが主な手段になると思われます。
また、流通はAsmodee(フランスのアナログゲーム出版社)になるようです。Asmodeeのボードゲームは国内小規模業者によって翻訳・流通されていますが、TCGやサプライはその限りではありません。少なくとも私の知る限り日本ブランチや明確な代理店は存在しないように思われます。その点からも入手性、また国内展開に於いて低くはないハードルになるものと考えています。

小売店での扱い(セカンドマーケットなど)

未開封商品に関しては前述のとおりです。次に気になるのはセカンドマーケット、中古商品すなわちシングルカードです。デッキを組みたいのにカードが入手できない、欲しいカードのために、いつ終わるともわからないパック開封のたびに向き合わなければならないのは、ゲームを続けていく上で大変なハードルになります。このゲームに於けるカードの所有権は主にフィジカルではなくデータです。では、小売店としては一体どのような形で取り扱えばいいのでしょうか。

公式サイトを参照する限り、小売店でのシングルカードの扱いは小売店向けアプリを使用するようです。当然、紙の在庫ではなく所有権を扱うわけです。ただし、このゲームのユーザー向けアプリににもマーケットプレイスが存在します。果たしてユーザーはシングルカードを店舗から購入するという思考に至るものでしょうか。一応、小売店向けアプリにはマーケットプレイスでの取引に発生する手数料の割引は適用されるようです。Group Purchasesというサービスも構築中で、複数人分のオンデマンド印刷を低コストでまとめて印刷、受取場所を小売店に設定することもできるようです。

結論、もちろんシングルカードを一般プレイヤーよりは有利に扱えるものの、小売店としては未開封商品の販売、イベントなどで収益を上げる必要がありそうです。とはいうものの、前述のとおり、AIによって生成されるUniqueカードが存在するので、ユーザーが未開封商品を開封する動機は十分にあるものと思われます。

追加:レアリティごとの違い

コモン
通常のカードです。カード上部にレアリティシンボルとして白の宝石が描かれています。

レア
コモンの性能違いです。コストが軽い、地形適正が高い、能力が強いなどの違いがあります。各カードごとにファクション違いのカードが1種存在します。その場合の性能としてはコモンと同じ、あるいは能力が異なるなど、ファクションの弱点を補ったり、強みを補強するものとなっています。カード上部にレアリティシンボルとして青の宝石が描かれています。

ユニーク
コモン・レアの性能違いですが、能力は全く異なったものになっています。現時点ではRatatoskr1枚のみが見えていますが、リザーブからプレイした時に発動するという条件は共通しているものの、カードを1枚引くという、強力ながらも性質の異なる効果であり、運用も変わるものと思われます。また、常在能力としてブーストしていないキャラクターがブーストされたとき泡沫を失う、リザーブから発動するサポートアビリティとして、手札からプレイされたカードのリザーブからプレイされたときの効果を発動するという元のカードでは影も形もなかった効果が追加されています。当然、地形適正も異なります。カード上部にレアリティシンボルとして橙の宝石が描かれています。

Rarity System again

Appendix

主に公式サイト各項目へのリンクです。

Asmodee

Quick Rules

https://altered-prod-eu.s3.eu-west-3.amazonaws.com/downloads/quick-rules/2024_Altered_TCG_Quick_Rules_2.0_EN.pdf

PnP

Keyforge

まぁそういうカードゲームもあるんですよ。みんな大好きRchard Garfieldデザインで、Fantasy Flight Gamesからリリースされました。記事内でも言及した通り、AIが生成したデッキ(なんとすべてユニーク!)で戦います。戦闘はありますがこちらもAmberを集めてKeyを3つ作成することを競うといったデザインになっています。エンド時上限までカードドローといったどこかで見たシステムも持っていますが、こちらが先です。ユニットの配置順にも戦略性があったり、ゲーム外の特徴以外にも魅力あるゲームです。
今はGhost Galaxyが権利を買い、Gamefoundで資金調達、リブートしています。

手元にまぁまぁの数所有しているので、遊んでみたい知り合いは声をかけてください。

https://www.keyforgegame.com/

つづく…

のか?

下記の有料部分には特に何もありません。ご購入いただいたことによる収益は発売後のティーチングなど布教活動の原資になるかもしれませんし、ならないかもしれません。少なくとも今後同じようなインディーズ系アナログゲームの紹介・ようやく記事を書くモチベーションにはなります。

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