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次の一手-9

いよいよ手詰まりになって、どうにもならなくなった時に
どうやっって再生すれば良いのか?
何からどう手をつければ良いのか?
高額なセミナーに行ったり、コンサルティング会社に相談する必要はない。
でも、自分でわからないこと知らないことはたくさんあるはず。
だから、やはり相談する相手は欲しい。

●どこに相談に行けば良いのか?

いきなり弁護士事務所に行くのはちょっと待って、
もっと身近にある相談をする場所がある。
まずはここに行ってみましょう「よろず支援拠点」

私たちとよろず支援拠点との出会いは偶然といって良いと思います。
いつも通る駅前の交差点のビルの2階の窓に「なんでもご相談ください。よろず支援拠点サテライト」と書かれた紙が貼られていました。
最初は気にもせず前を通り過ぎていたのですが、以前から経営について相談する相手がいなくて困っていたので、少し気になっていました。
すぐに声を掛けなかったのは、私の周りでコンサルティング会社に相談をして高額な報酬を払わなくてはならなくなって、逆に経営を圧迫して、しかも最終的には騙されていて財産を盗まれた友人がいたからです。
「よろず支援拠点」とは何なのか?を知らなければ何か怪しいコンサルティング会社のようにも思えます。
自分と同程度の経営者の友人や企業に勤めている友人に相談しても、正直明確な答えを得ることは困難でした。
商工会議所にも入会していましたが、最初ビジネスマッチングのイベントへの参加を打診した時に「お宅みたいな零細企業が出せるようなイベントではない」と揶揄され、あまりの失礼さにすぐに退会しました。
ネットで検索して「よろず支援拠点」がそんなに怪しい組織ではないことを知りました。
「よろず支援拠点は中小企業・小規模事業者様が抱える様々な経営の悩みに対する相談対応のために、中小企業庁により各都道府県に1ヵ所ずつ『よろず支援拠点』が整備されました」
つまり、「よろず支援拠点」は中小企業庁直轄の支援組織だということがわかりました。

●ふらっと入ってみたら

少し勇気が要りましたが、駅前のその「よろず支援拠点」のドアを叩いて中に入りました。
カウンターに受付の女性がいましたが奥に仕事をしている何人かの壮年の男性や女性の姿が見えました。
初めての訪問であること、経営の相談をしたいことなどを簡潔に言うと、奥の個室に連れてゆかれました。しばらく待っていると二人の男性が部屋に入ってきて名刺を差し出されました。
「中小企業庁 よろず支援拠点 コーディネーター ○○○夫」
と書かれています。
大まかな説明をして聞くと、その場所は「よろず支援拠点」のサテライト(出張所)で、相談内容に対して専門的な知識を持ったコーディネーター(相談員)が本部にいるので、別の日にもう一度予約をして欲しいと言われました。
最も驚いたのは「何度相談にきても無料ですから」と言われたことでした。
経営が苦しい経営者にとってはありがたい話です。
帰ってもう一度「よろず支援拠点」のホームページを見ました。
「メンバー紹介」のページに進むと20名ほどのコーディネーターが顔写真入りで紹介されていました。ほとんどの方は「中小企業診断士」の資格を持っておられます。写真の横にはそれぞれの経歴や得意分野が書かれています。
多くの方は一般企業の専門部署で働いていた経験をお持ちです。その分野については精通しておられると考えられます。
相談する前に自分が相談したい内容についてどのコーディネーターの方なら的確に答えてもらえるかを調べておいて、その方を指名することも可能です。
私の場合は財務に関する相談がほとんどだったので、そこから先は財務に精通したMさんに相談することが多くなりました。

●何から手をつけるか?

Mさんは以前中小企業で財務関係の仕事をされていました。
普通財務と言っても単に「経理」の関係の仕事や金融機関の融資の折衝などをしている場合がほとんどです。
Mさんがいた会社は機械部品の製造を主にされていたようですが、赤字が続き財務的には危機的状況だったようです。単に「財務」だけで立て直すのは難しい状況だったと言います。
「財務」を立て直すためには「製造」「営業」「生産管理」「予算管理」まで、つまり経営に対して口出しをする必要があります。
創業者が経営をしている場合、特に以前経営的に良い時期を経験した経営者は経営に口出しされるのは嫌がるものです。
しかし、経営が上手くいっていないのには理由があります。その原因を理解しなければ、何度やり直しても失敗してしまいます。

補助金や融資は事業を続けるために必要なのかも知れません。
それでも、事業を維持するだけのためにそれらを使ったとしても状況は好転しません。何に投資をすれば事業の未来が拓けてゆくのかをよく考えて投資をしなくてはなりません。
設備投資なのか広報宣伝費なのか?
経営が困難になっている原因は何でしょうか?

得意先からの仕事が減った。
自分たちの商品がお客様に認知されていない。
仕入れや在庫が多すぎる。
いくら売っても利益が残らない。
融資額が多すぎて返済に困っている。
生産設備が貧弱で生産が追いつかない。
人件費がかかりすぎて経営を圧迫している。

当然、抱えている問題の内容によって投資の仕方も内容も変わってきます。
仕事の受注に関しては既存の得意先だけに頼らず新しい得意先を開拓しなければならないかも知れません。
多くの場合自分たちが持っているマーケットが老朽化して以前のように活気のあるマーケットではなくなっている場合が多いのです。
新しいマーケットは商品を適正価格で販売でき、利益を確保できるマーケットでなくては意味がありません。

仕入れと在庫の関係は、以前よりも商品の販売数が落ちているにもかかわらず余分に在庫を抱え、その保持のための経費が圧迫している可能性もあり、
販売数に対して適正な仕入れができていない場合も多いようです。

利益が残らないのは販売価格、売上額に対して損益分岐点が高くなりすぎているからで、原価率を下げる必要があります。
材料の仕入れ代金はもとより、光熱費、家賃などの維持費やランニングコストを見直し、人件費に関しても見直す必要があるのではないでしょうか?

経営が困難になるたびに融資を受けて債務を増やしてゆくと、企業の成長に見合わない債務超過になってしまいます。債務は整理し、場合によっては特定調停など簡易裁判によって再生の道を探る必要も出てきます。
生産が追いつかない状況は事業が上手く行っていないわけではなく、事業が成長する過程でよくみられる状況です。
得意先からの支払いに影響がある場合は黒字での倒産もあるので、この場合むしろ状況に応じて常に銀行との交渉をしながら資金の調達をする必要があります。

人材に関しては安易にリストラをするのではなく、現場での生産性を再確認する必要があります。少ない人数、少ない時間で高い生産性を得ることができればリストラは必要なくなるかも知れません。社員の場合は一人当たりの生産性をもう一度見直して、一人当たりの給与と生産性の釣り合いが取れているかどうかを考えてみる必要があります。

まず必要なのは、自分たちの状況がどういう状況なのかを知ることです。

●信頼のおける専門家に聞く

この「信頼のおける」というところが大切です。
自称「コンサルティング会社経営」とか自称「相談員」が巷に溢れています。
「私がいう通りにすれば上手くいきます」なんて言葉を安易にいう人物は要注意です。
まずは公共性の高い相談窓口への相談をお勧めします。
前述の「よろず支援拠点」は中小企業庁直轄の相談機関ですし、入会されていなくても各自治体の「商工会議所」および「商工会連合会」でも相談が出来ます。
各相談機関から適切な相談方法や別の相談先なども紹介していただけるので、
自分でどうにもならなくなってしまう前に相談することをお勧めします。

※私はコンサルティング会社ではなくあくまで困っている人のサポートをしています。(コンサルティングを生業とはしていません)専門分野は広報宣伝、デザイン、ブランディング関連ですが、最終的には適切な相談できる機関などをご紹介することになります。


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