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事業育成の実際7

●BtoBとBtoCのそれぞれのジレンマ

長期にわたる不況。
その後に来る好景気。
しかし、不況から景気が回復する隙間に思わぬ落とし穴が存在しています。
私たちはこれまでBtoBの事業展開によって成長してきました。
一般の店舗では通常BtoCでの事業が多いと考えられますが、私たちは悪化していた業績を大きく回復する方法として大きなマーケットに進出する必要がありました。ならばマーケットそのものを持っている事業者との提携が最も早い回復への道ではないか?と考えたのでした。

以前、デザイン事務所を経営していた時も幸運なことに個人事業者では契約出来ないような大手上場企業と多くの仕事をさせていただきました。
しかし、大きな企業であればあるほど交渉をしている担当者の技量や懐の大きさに仕事が左右されることをこの頃にたくさん経験してきました。
担当者が変わった途端に状況が一変することもありました。
ただあの頃に一緒に仕事をさせていただいた企業の多くが成長途中の新しい会社であったことは幸運だったように思います。
柔軟性に富み、まだまだ成長の余地のある企業は共に考えながら自分たちも成長することができます。しかし景気が低迷し、企業の成長が止まるとどの企業もその担当者も保守的になり、新しい試みをしなくなり、経験値の低いスタートアップや安定感のない小さな事業者は阻害されてゆきます。

これから景気が低迷する1年間は同じことが起こるのではないでしょうか?
大きな企業と仕事をしていると見失ってしまうことがあります。それは自分たちにとって仕事をしている相手が個々の「お客様」であることを忘れてしまうこと。
取引先であるクライアント企業に忖度し顔色を伺うようになってしまいます。
しかし、私たちの商品を選び使っているのはエンドユーザーである「お客様」に他ならないのです。
お客様が私たちの商品を選んでファンになっていただくためには、価格競争や短絡的な方法で販売数を上げることではなく、真摯にお客様と向き合っているのかということが大切なのではないでしょうか?
私たちが目指しているものは「自分の幸せ」ではなく「お客様の幸せ」で、優先順位を間違ってはいけないということです。
その視点から見れば例え大切な取引先であっても、間違っている欲求に従ってしまわない強い企業としての信念を持ち続けることだと思います。

もちろん、企業として利益を生み出さなくては事業を継続することができません。大手の得意先との取引が無くなれば事業を継続出来なくなる事業者の方も多いでしょう。それでも、景況感が変わる度に得意先に振り回され続ける悪いスパイラルからなんとか抜け出す努力も必要でしょう。
そのためには取引先よりももっと大きなユーザーの要求を生み出さなくてはなりません。
「私たちの商品」に大きな信頼感を持って選択してくれるファン層の獲得こそ、取引先の思惑に振り回されない唯一の方法だと考えています。

私たちがどのようにして私たちを強く支持してくれるファン層を獲得してゆけば良いのか?その方法を確立すること、それこそが最も大きな企業の成長の原動力になるのだと言えます。

●速報「シリコンバレー銀行」破綻

今入ってきたニュースでアメリカ大手シリコンバレー銀行が破綻しました。
銀行の名称からもわかるようにアメリカの大手IT業界各社やスタートアップに影響が波及することは必至です。
GAFAMをはじめとするアメリカの経済を牽引してきた巨大企業の業績の悪化と急激なインフレと利上げの影響だと言われていますが、コロナの影響から景気の底上げを狙ったアメリカの政策が裏目に出たと言っても良いと思います。
無理矢理に作り上げたバブルが崩壊したと言っても良いでしょう。日本や各国への影響も必至で、日本でも景気後退に警戒が必要です。
構造的な問題なのに大手企業はこのような場合下請けに対して圧力をかけるので、企業や事業の独立性も重要になります。
私自身は以前のバブル崩壊を経験したことのある世代ですが、今年前半は多くの中小企業が倒産する可能性があります。またIT大手にも異変がありそうです。IT系に投資していた企業は要注意ですね。
逆に実業への転換をする企業や投資が増える可能性もあります。
しばらくは様子見ですね。

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