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事業育成の実際26

●浪費したものは力を失う

北朝鮮からのミサイル。ロシアのドローン。
戦争は相手から資源やエネルギー、人を奪うことが出来なければ最も巨大な浪費となります。
ある大手メーカーが「○○も本気、○○も本気。全部本気です」というCMを流していたけれど、こんなに恐ろしいCMはないと感じたのは私だけでしょうか?
時代を牽引してきた企業が「どこに投資をすれば良いかわからない」といっているように聞こえます。映像の端から端まで新商品を並べ「私たちはこれだけ浪費してきました」と言っているように聞こえました。
浪費したものは必ずどこかに皺寄せを起こします。
世界中の企業も国も何に投資すれば自分たちの未来を明るくできるかわからなくなっています。

一点に集中して10~20年先までを見越して「投資」あるいは「無駄を整理」できた企業が生き残るでしょう。
イーロン・マスクのツイッターでのリストラや変革、テスラのEVへの素早い投資はとても的を得ているように感じます。ただ急激な変化は人の反感を買うし、変化に巻き込まれた人々には災難に思えるかもしれません。
しかしこれらの変革は3〜5年後に必ず「再生」に向かって働くのではないでしょうか?
「痛み」には与えられた痛みと、自ら生み出す「痛み」があります。
いずれの「痛み」も乗り越えなくてはならないものですが、自ら生み出す「痛み」はその種類や対処法をあらかじめ考えておくことが出来ます。
それに対し与えられた「痛み」を予測できていなかった時のダメージは計り知れないものがあります。
コロナ禍が始まった時、助成金などの国からの補助が大量に出ました。助成金や補助金を得るために売上額が減少しているように見せかけ出来る限り多くの助成を受かられるように画策する業者も多く見受けられました。
しかし、財源は無限にあるわけではなく、コロナ禍が終了したと判断した今年から、この財源を建て直すためにあらゆる「税」の負担が増え、企業は商品価格を上げると同時に原価率を下げるために下請け企業に無理を強いるでしょう。
国や組織の上層部は失われた財産の補填に躍起になり、その財源を中小事業者や一般生活者への税金や負債への利子から得ようとします。
どの時代も同じような事が起こります。
中小事業者が生き残るために必要なのは自らの知恵であり、これまでとは違ったマーケットを作り上げる事だと考えています。

●2023年前・2024年後

ここから数年が歴史上のメイキングエポックな年になるのではないかと考えています。NewsPicsやPivotなどのネットのビジネス局が放映する動画はすでに成功した事例を取り上げ、この後起こることとそれにどのように対応するべきなのかについては一般的な情報のみを流しています。
それはかつてのコンサルティング会社の手法で、特徴的なデータを提示しているように見せかけて、本当のマーケットの深部を分析できていない効果の薄い方法論になっています。
ポイントを明確についてきた落合陽一や成田悠輔は問題解決への提示から離脱し、自分たちの本業や興味の対象に集中しています。
どうしても問題を直視しなくてはならない三浦崇宏などのクリエイティブディレクターがどこに着目し解決策を図るのか?
でもそれはごくまともな正攻法であって、有名・有能である、ないには関係なく本来は経営者が学習するべき内容であると考えています。
まずは正確な情報の取得。
TVやネット上に流れている情報だけを取り入れるのではなく、現場にある本当の情報を正確に収集できているか?という問題であって、そういう意味ではWeb上の情報番組であっても鵜呑みには出来ないということです。
人はあまりにWeb上の情報の取得に慣れてしまって、現場で起こっていることとのギャップを感じる事がなくなっているように思えます。
移動しなくても得られる情報には均一化と偏りが生じることをもっと知るべきでしょう。
「現場を知る人間しか生き残ることはできない」
古いと思われている手法が実は問題解決の糸口であると考えています。

●「イレギュラーのレギュラー化」

それが今起こっていることの本質である気がしています。
地球温暖化による夏の異常な高温。
巨大台風の襲来。
山火事や洪水の発生。
世界各地の紛争。
外国人の流入。
感染症の蔓延。

ほとんどの現象が社会や組織、国家の内部から起こっていることというよりも外部の環境が起こしていることのように見えます。
しかし実際にはここに列記された事象のほとんどは
「地球温暖化」が関連しており、その「地球温暖化」自体は人間による「経済活動」が引き起こしていると言えます。
つまりは現在起こっているイレギュラーな環境の変化そのものは元々人間の「経済活動」が生み出したものであると言えます。
化石エネルギーを燃やすことにより様々な形に転換して得られたエネルギーを使用して人間は経済を発展させてきました。
化石エネルギーを使用する限りはどんな方法であっても地球温暖化は止めることはできません。
人間が「火」を使うことで文明を発展させてきたとしても、その「火」は環境を蝕み、凍土の中に隠れていたウイルスを呼び起こし、
地球全体の温度を上げ、環境を変化させ、
食料と資源の奪い合いを引き起こし、
人が暮らす環境を脅かします。
風力も太陽光エネルギーもそこに「経済」を持ち込めば利権や争うの火種になります。大きな組織になればなるほど大量のエネルギーがなければ維持ができず、
小さなエネルギーで維持できるのは小さな組織や社会なのだということを自覚せねばならず、
いかに小さなエネルギーで効率よく暮らして、環境や自然に残ったエネルギーを還元しなければならないことに一部の人たちは気づいているにも関わらず、得られた利権は失いたくない、というのが現在の世界の状況ではないでしょうか?

●イレギュラーをレギュラーに戻す

環境が激しく変化する状況を改善するにはこれから気の遠くなるような時間が必要でしょう。
自分たちが使っているエネルギーをどうすれば自然の再生に使えるのかを真剣に考えなくてはなりません。
企業の大小に関わりなく環境の最背の努力をしなくてはなりません。
例えばパン屋さんでパンを焼く時、ガスオーブンや電気オーブンを使いますが、一般的に考えると電気オーブンの方がCO2の排出が少なく環境に良さそうですが、実際には電気オーブンで使われている電気を発電するためにも化石エネルギーを大量に使っています。
原子力エネルギーも一歩間違えば環境に大きな悪影響を及ぼします。原子力発電をやめれない理由には大きな利権が絡んでいます。
パン屋さんで使われている電気エネルギーがソーラー発電や風力発電、水力発電などを使って得る事ができていたなら随分と環境にやさしいパン屋さんが出来るはずです。
またパン屋の周りを緑化すれば発生するCO2は植物の光合成によってかなり消費されるでしょう。
緑化された庭をお持ちの方は知っているでしょうが、植物の状況を環境として整備するにはとても労力がかかります。
「脱炭素」などと呼ぶとそこにまで利権が絡んできますが、100年前の生活では利権など関係なく「脱炭素」の生活が実現していたのではないでしょうか?
人が「便利な生活」を求めるあまりガソリン車を生み出し、照明器具や電子レンジ、テレビを生み出し、結果として環境の悪化や利権争い、感染症まで生み出しているのだと言えます。
以前のような自然と融合した生活を取り戻すことは難しいかもしれませんが、エネルギーを再生可能エネルギーに変換し自分で手に入れ、庭やべランダを緑化することは可能かもしれません。さらに作物を育て食糧を確保することも可能かもしれません。都心のマンション暮らしでは難しいかもしれませんが、郊外の一戸建てをリフォームすれば出来るかもしれません。
あまりに便利な生活に慣れてしまいほんの少し生活を不便にすることが難しくなっているのはそれぞれの個人の問題なのでしょう。
企業も巨大化することで経済的なロスを埋めるために維持するのに必要な以上のエネルギーや経済性を求めるようになりました。
小さな経済を小さなエネルギーで回す。AIは社会の効率性のためにこそ使うべきで、それらを根気よく続けることで私たちは以前のようなイレギュラーではない暮らしと環境に戻る事ができるのでしょう。

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