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LtVベンチャー投資ゼミ vol.13 ホープ編

Lifetime Venturesでは、毎月有志を募って実際のケーススタディを用いた投資ゼミを開催しています。

今回は、2020/10/02に開催されたLtVベンチャー投資ゼミのまとめ記事です。このゼミで取り上げたケーススタディ企業は、福岡発のベンチャー企業ホープさんです。

今回の投資ゼミの内容のメモは、こちらのScrapboxにまとまっています。
MoM_LtVベンチャー投資ゼミ vol.13 ホープ編_20201002

1. ホープ社の概要について

今回のケーススタディ企業については、こちらのScrapboxにまとまっていますが幾つか抜粋をしていきます。

▼参考資料

レジュメ(ホープ)_20201002

成長可能性に関する説明資料

IPO情報

目論見書

▼会社概要

株式会社ホープは、自治体向けのサービスを扱う開発・運用する会社さんになります。

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▼沿革

2005年に創業をし、8年の時を経て第三者割当増資を行った珍しいケースの会社さんになります。

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▼事業概要

ホープ社のPPS事業は3つの事業からなります。
シンプルにいうと、自治体が持っているメディアとしての面や媒体としての面・webだったり紙だったりを使用した広告ビジネスになります。

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①財源確保支援サービス
 ①-a)DS(デッドスペース)サービス
自治体の広告枠をホープ社が代理店となって民間企業に販売する事業です。

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 ①-b)MC(メディアクリエーション)サービス
自治体から配られる専門冊子の無償で制作~納品まで行う事業です。

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②営業活動支援サービス
 ②-a)営業代行サービス:
クラウドキャスティングを使用した自治体にサービス・商品を提供したい企業とレベニューシェアの等の契約結び、資料送付や見積もりを行う事業です。

 ②-b)マーケティングリサーチ:
企業のサービス・商品に関する分野の予算状況や担当者のニーズを調査し、リストなどの形式でお渡しする事業です。

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 ③情報プラットフォームサービス:
自治体と地域住民をつなぐアプリ「i広報紙」の開発と運営を行う事業です。

▼市場環境

自治体広告事業は、2005年を境に成長をしており市場の成長余地が生まれている状況です。

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そのため、クライアントも順調に増加し、売り上げも安定している事業が展開されています。

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また、自治体に特化した事業を展開している企業は少なく、競争の優位性が担保されます。

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自治体は大小星の数ほど存在しており、財源が豊富にある自治体がターゲットとなり事業を展開してきました。
しかし、今後は大きな自治体で培ったホープ社独自のノウハウを生かし、小規模な自治体でも確実に成功を治める座組みで展開を行いより大きな成長を描くとのことが資料には記載をされています。

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そのため、株式市場では、2.3倍の評価を得ています。

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▼初めてのVCラウンド

時間軸が短いグロービスさんでの投資。この時期のプレスリリースは存在せず…当時話題の企業ではないかもしれない中での投資判断をされています。

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- 調達時期:2013年08月
- 創業後経過年月:8年6ヶ月
- 引受先VC:グロービス・キャピタル・パートナーズ
- 調達金額:150百万円
- Post-value:740百万円(20.0%希薄化)
- 発行後株式総数:231株
- 発行価格:641,359円/株
- 概算リターン:150百万円→865百万円(初値ベースで試算
        [IRR]:84.0%
        [RoI]:5.77x

【Case1: 「自分だったら、上場時にこの会社へ投資するか?」】

以下候補者のコメントです。

▼投資する派 

少しだけ投資。(Valuationは公募価格でも30倍を超えていてかなり高いから。Liquidityの低さも後で売るときの懸念要因。)自治体ビジネスは一度獲得するとそのまま売上が積み上がっていきそうだから、伸びることは伸びると予測できる。
自分に知見はそこまでないが、ブルーオーシャンで勝ち残っている感があるから。グロービスの信頼感なども後押しするかと。レガシーな面も依然として残っており会社の体勢としても、成長の余地という観点からも余裕が伺える。
Jカーブを描くようなスケールは難しく、導入時は地道に営業・交渉をしていくビジネスモデルに思えるが、だからこそ逆に参入障壁を作りやすいと考え、他企業にシェアを大きく奪われることがなさそうだから。インタビューにあった、社長の、営業を地道に続けながらマーケットに合ったビジネスを見つけていく姿勢が尊敬できるから。
絶対します。ユニークな事業アイデアで主要都市との関係も構築できている。今後、地方を活性化させるという意味でももっと伸びてほしいです。
難しい領域のビジネスだけども、契約に1件に対して長くお付き合いができそうなので積み上がりそうなのと単純に、DXが遅れている領域なので、web広告は伸びそう。地方の連携をより大事にするという意味では、東京や大阪といった大都市圏(多数の地方民の集合体的な意味合い)にはマッチしないけども、福岡であれば。。何より、九州だから。。。(ごめんなさい本音です。)

▼投資しない派

領域的には面白いと思いつつ、何となく経営陣のバックグラウンドがピンと来ない。市場では評価されるかもしれないが、後続でもっと面白い会社がでてきたりしそう。グロービスさんがいなくなったあとが心配。
ニッチな細かい市場を確保しているので参入障壁は高く、現状の収益は手堅くみえる。ただ、大きな伸びは期待できなくみえた。また地味がゆえに、IPO時に人気が出ず、株価がはねあがらなそうに当時は考えると思う。創業者たちのいう新規事業が見え始め、そこが大きく伸びそうなら投資する。

【Case2: 「自分だったら、初めてのVCラウンドでこの会社へ投資するか?」】

▼投資する派 

かなりすると思います。ほぼBreakevenで売上1倍ちょっとのValuationはかなり安いし、だいぶ実績が積みあがっている時点なので、その後の全国展開等がかなり読みやすい段階だったので、不安材料が結構少ない案件だと思われます。(ただ、上場後ここまで伸びる(2020年度売上140億)とは、予測できなかったと思います)
数億円単位の売上をちゃんと積み上げてきた叩き上げ社長。自分がコンサル時代から知っているレガシーな行政市場のポテンシャルと閉鎖性があわされば、それだけでいける気も。150百万円という出資額も問題ないが、あえて言えば少しマイルストーン投資みたいな感じで刻んで、共同経営者のリクルーティングを6-12ヶ月でやれたら追加出資みたいな形にはするかも。

▼投資しない派

しない、というよりできない気がする。2013年8月時点ではまだデットスペース事業しか展開しておらず、成長可能性を見出せないと思う。
 売上・利益から見るバリュエーションはかなり割安だが、急成長するイメージがないため。黒字なので、IPO時期も特に拘りがなさそうで、売却可能時期も読みにくい。
もう少しアーリーだったらしたかも。ここからどこまで伸びるのか。「i情報誌」必要??他の新規事業は具体的にどんな感じなのか?


いかがでしたでしょうか…?

次回ケーススタディは202011/06 (金)  にて株式会社ビザスク を取り上げる予定になっております。

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