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ミリタリーファッションの文脈

1960年代から1970年代にかけての反戦運動やカウンターカルチャーは、ミリタリーファッションを新たな文脈で捉え直し、反体制的なシンボルとして再解釈しました。この時代の若者たちは、ミリタリーアイテムを通じて政府や戦争に対する批判を表現し、自らのアイデンティティを主張しました。結果として、ミリタリーファッションは単なるスタイルを超えて、社会的・政治的なメッセージを発信する重要な手段となりました。

ミリタリーファッションは、特にモードファッションにおいて、その思想哲学との親和性の高さからテーマになることが多く、10代後半から20代前半に多々影響を受けました。こうして書いているだけで青春カムバックです。特にレディースファッションでのミリタリーアプローチは、ずっと憧れのスタイルです。大きめの極太ファティーグパンツをグルグルにロールアップして革靴を合わせたり、メンズファッションよりも相対的に自由度が高く、若い頃は羨ましくも思ったりしました。

そんな自由度の高さをallinone流に取り入れて、2021年にイージーパンツをミリタリーアプローチで制作しました。その後、軍パンのような生地でも制作しましたが、今年は2021年の初回と同様に、ミリタリーとは無縁のような綿麻素材で復刻となりました。当時は、コロナ禍に複数回の緊急事態宣言が発令されるなど、外出自粛ムードが漂う時代にピッタリでした。あれから3年、デザイナー水野さんも私自身も、春を過ぎると最初に作った綿麻SMOCK pantsバージョンをよく穿いていることから、やっぱりこの生地感良いよなぁ~と、復刻に近い形で制作することになりました。