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同じ形のちょっとした変化
時代に左右されない物でありつつも、同時にその時々の空気をまとうような感覚をとても大切にしています。長い年月を経て振り返った時に、時代の変化に左右されずに持ち続けている基準と、その時々の思い出が蘇るような細かい調整と常に向き合っているような気がします。
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『SMOCK GROWTH』という型を、生地やサイズ感を変えながら、こうした考えから作り続けています。そして今回、このシャツの最大の特徴であるチェーンステッチとサイドのカラカンを、巻縫いのダブルステッチに変更することにしました。
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デイリーウェアは同じであることで安心感を得られますが、少し退屈に感じることもあります。私たちのシャツが、好きなミュージシャンのアルバムを選ぶときに、1stアルバムか最新作かどれを手に取るかのように、時代の感覚をこの形で伝えようと作り続けているのです。
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今年は、さらに半袖にも挑戦してみました。この仕事をはじめた30歳まで、ミュージシャン気取りで年を重ねてきたせいか、シャツは真夏でも長袖を着ていました。どうしても暑い時はポロシャツか、たまに色褪せたTシャツ。むしろ、アンチ半袖シャツだったくらいに、袖を通すことはありませんでした。数年前、50歳を目前にした頃のこと。もうすっかりロック魂の欠片も残っていない姿が鏡に写っていました。そして、ようやく半袖のシャツを着たくなったのです。
こんなことを考えながら、同じ形を作り続ています。という裏話でした。