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リユース的『ただより高い物はない』

ライフスタイルギャラリーのオータです。
『ただより高いものはない』ということわざ、みなさん耳にしたことがあると思います。
タダで何かを手にしても、お礼だったり修理だったりで余計にお金が掛かってしまうケース、借りが出来たように思えて、その人からの頼みごとを断りにくくなるケースなど、結局は何かしらで相応の対価を支払う事が多いです。
このご時世そんな旨い話が転がっているわけもなく、タダの時ほど注意して動かないとダメですね。

そんな「タダ」という単語、リユース業界でも実はよく耳にするんです。
同業の方はうっすら想像がついているかもしれませんが…
「タダでいいから引き取ってもらえる?」
このフレーズを数えきれないほど耳にしてきました。
これ、お客様と買取業者との認識のズレを見事に体現しているフレーズなんです。

「タダでいいから引き取ってもらえる?」
これをお客様と買取業者、双方の目線で考えてみます。

お客様目線
「査定が終わったみたいね。一体いくらになったのかしら。」
「あら、意外と安いのね。でもこれは良い値段で売れたわ。」
「え?これは引き取ってもらえないの?買ったときは高かったけれど。」
「なるほどね、安全基準を満たしていないのね。それならしょうがないわね。」
「でも捨てるのももったいないし。」
『タダでいいから引き取ってもらえる?』

ディティールは違えど、おおよそこんな感じでしょう。
当時高かったモノだし、何かしら価値はあるはずだから、タダで引き取れれば買取業者としても嬉しいはず。
という思いやりに満ちた言葉であると、僕は思っています。
ありがとうございます。

では逆に業者目線も考えてみましょう。

業者目線
「ふむ、査定が終わったぞ。」
「これは相場が下がっているから少し金額も安めにしなければ。」
「こっちはこれから相場が上がりそうだな。少し高めに査定しておこう。」
「残りはウチではどうにもならなそうだな。」
「自社で処分はできないからお返ししよう。」
「申し訳ございませんがコチラのお品物は当店では・・・え?」
『タダでいいから引き取ってもらえる?』

大体こういう流れなんですが、基本的にお返しするお品物って自社でどうにもできないモノなんです。つまり商品としての価値が無いという事。
すごくドライに言いますが、自社の区分で言うと「廃棄物」にあたります。
そもそもライフスタイルギャラリーは一般廃棄物の収集運搬許可を持っていないので、廃棄物を引き取ることはしません。

が、仮に許可を持っている場合。それでもタダでは引き取りはしません。
なぜなら廃棄物を処理するのにはお金が掛かるから。
人の心をしまい込んで機械的に言いますが、ゴミを貰ってそれを自分でお金出して捨てるという経済活動に反した事は出来ないから。
まさに『ただより高いものはない』です。


モノを買うということは、いずれ手放す時が来るという事。
手放す時のことまで考えて購入する人はわずかだと思います。
食品や日用品の様に消費するモノであればある程度の見立てはすると思いますが。
購入したものを一生使っていくのか、将来的に誰かに譲るのか、ダメになるまで使うのか。
そんなことを考えながらお買い物を楽しんでもらえれば嬉しいなと思います。

では今回はこの辺で。また次回。

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