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願望


仕事で外回りが終わり
あとは帰社して終わりというタイミング


駅のホームでぼーっとニルヴァーナを聴きながら
電車を待つ夕刻


梅雨の本格的な訪れを感じさせる今日の東京は

たいして体力も気力もないちっぽけな独身女を疲弊させるには、十分に力を発揮していた。


ふと、


このような半分満身創痍な状態で
今、この真横の線路に飛び込んでみたら


と思うことがこれまでの短い人生の中で

多分5回くらいはあった。



先に断っておくと
これから展開される話は

自殺願望とは全く違う感情だということを
一番に主張したい。


やりたいことがたくさんあると
自己紹介で曰ったばかりなのだ。


実際、死にたくなる日が全くないわけではない。

そんな日はとりあえず湯船に使って
酒でも飲んで本を読んでぐっすり寝れば
翌日には大抵のことはどうでも良くなってるタイプ。



そう
このままよろよろと右に傾いて
ふわっと電車が来たタイミングで宙を舞えば

間違いなく即死

損害額はきっと何億単位の計り知れないものになるだろうし

きっと真っ先にニュースになり

若者はあいみょんの歌が頭に浮かび

鉄道業者とホームで電車を待ってただけの人たちは
本来ならば見なくても良かったものを見せられ

メディアとお上の仕事は増えて

物申す系のSNSにのさばるブロガーやらインフルエンサーがこぞって
20代真ん中の女が自殺するなんて…
といった趣旨の記事やらストーリー、ポストが乱立し


コスト的な面でまとめると
税金の無駄遣いにプラスして
ただ単に鉄道会社の赤字を増やすばかりだ。

社会に与えられる衝撃は
それほど大きくはないにしろ
心理カウセラー系の専門家的な人たちの
テレビでのコメント等の仕事は増えるだろう。


という上流から下流まで
思いつく限りの起こり得そうなことを
書いてみたのだが


自分はこの流れの様子を
自分自身で体現したいという
意味不明な好奇心を満たしたいだけのサイコなのだと

いうことだ。
それ以上でもそれ以下でもない、ただの心の叫び。


似て異なる感覚なんだけど
不意に何もかも全部目の前に映るものがぶっ壊れて
それこそサマーウォーズの中の世界みたいに

一個一個がドットでばらばらになっていく様子

みてみたくてたまらなくならない?

たまーに。


あたしはなる。


低気圧は憂鬱さを誘うね
乱世だからみんなご安全に。


2020.06.01
なぜか止まった東武東上線の中より

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