Dialogue_on_Issueチラシ

Dialogue on Issueに向けて

社会には話し合われてすらいない問題がある。

と、僕が初めて思ったのは大阪のJR京橋駅から地下鉄京橋駅に向かう地下道でのことだった。

なにやら地下道の遠くから大きな声がする。

悲鳴のようにも聞こえるし、何か怒鳴っているようにも聞こえる。

近づいていくとボロボロになり、黒ずんだ服を着たおじいさんが叫んでいた。

彼がなにを言っているのか僕にはわからなかった。

周りは見て見ぬ振りをしてただただ通り過ぎていくだけだった。

僕はなにを思ったか彼に声をかけた。「おじさん、どうしたんですか?」

「わしら障害者は警察も相手にしてくれへんのじゃ。わしみたいな人間のどこに居場所があるんじゃと何度も繰り返し僕に言った。

その後、彼とどうやって話を終わったのか覚えていないが、去り際の背中の哀愁を僕はよく覚えている。

風貌から見るとホームレスで、ろれつもイマイチ回っていない。障害者だと自認したこの人物が抱える背景や直面する課題が僕には想像することしかできなかった。

対話すること

この記憶は5年ほど前のこと。僕が対話のワークショップに参加し始めた頃だったかなと思う。

対話のワークショップでは社会の課題や哲学的なテーマを題材にした話し合いが多かった。色々な人と知的な会話をすることで自分は少し大人になれたような気がしていたのかもしれない。

次第に、ワークショップに参加する頻度も増え、自分でも企画するようになっていった。

今では悪ふざけが過ぎると思うが「アラトーーク」と名付けた対話の企画もした。これは僕とゲストが1対1で対話し、その対話の感想を僕がFacebookに投稿するという企画だ。

当時は誰もが当たり前に身近な人と対話できるような社会になればいいなと思っていた。その気持ちは今も大きくは変わっていない。

何よりその延長にこの企画はあるのだから。

I have a dream

5年前。対話の面白さに目覚めた時から今も変わらない夢がある。

それは性別や肩書きなどの立場を超えて、人々が今、「直に関わる課題」に気づき共にその解決を目指すプラットフォームを構築することだ。

全ての社会にある課題と僕たちの生活や生き方は繋がっている。

誰もが当事者なのだと思う。自分自身の差別意識に気づかず、自分自身の加害的側面に気づかず生きている。

また、自分自身が差別されていると気づかず、自分自身が被害を受けていることに自覚がない。あるいは、それを当たり前のこととして受け入れる。

起きていることをテーブルにあげ、話し合うことで僕たちはたくさんの気づきを得る。

その気づきが世界を変える始まりにあると僕は思う。

5年前。対話で社会を変えるとよく言っていた。

2年前。対話で社会は変えられないと諦めた。

そして今、対話から始めてみたいと思っている。

そんなまだ形のない企画を快く受け入れてくださったNPO法人Reジョブ大阪の皆さんには本当に感謝している。

当日お越しいただくあなたと心が通うような対話ができたらと思うし、このプロセスの中で多くの気づきが皆さんの中に生まれたら嬉しい。

当日はどうぞよろしくお願いします。

= イベント概要 =
■日 時:10月4日(金)19:00〜21:00(18:45から受付開始)
■会 場:くるみの森食堂 住所:534-0027
      大阪府大阪市都島区中野町5−13−4
      桜宮リバーシティタワーアベニュ1階
■参加費:2500円(軽食付き)
■定 員:15名
■持ち物:話したい気持ち
■ゲスト:西村紀子(NPO法人Reジョブ代表理事、株式会社くるみの森代表)
■主 催:NPO法人Gift(https://giftboxcharity.org)
■共 催:NPO法人Reジョブ大阪・株式会社くるみのもり

※申し込みはこちらから参加ボタンを押してください。


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