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歌とともに・・・(失った恋)

これまで五十何年生きてきて、恋愛したこと…というのもそれほど無いんです。

どういう訳か、およそ十年ごとに、気持ちがワァ~っと勝手に盛り上がる…ということは何度かあったんですが、上手くいったことはありません (最初から条件として“叶わぬ想い” というパターンが多いですし、仕方のない面も有ります) 。

本当にそういう意味では、何の実りも得られない人生でした。

大体、そんなに相手を真剣に探そうと思ったことも無かったようにも思います。

今日は、自分の失恋の思い出と共に在る歌の動画を、ここに貼っていってみようと思います。


『♬.*゚Let's Call it a Day』Peggy Lee

ペギー・リーは、自分の最も好きな歌手です。ベニー・グッドマンの楽団の専属歌手として1940年代からキャリアをスタートさせ、長年に渡って活躍を続けました。ジャズとポップスの中間辺りに軸足を置いて、ニュアンスに富んだ情緒的な歌を聴かせてくれました。この歌は自分が30代終わり頃に、凄く好きになった人の思い出と共に有ります。ミュート奏法のトランペットがホロホロと良い味を出していて、いつも春の来る少し前、丁度今頃の季節の感じを自分はイメージします。


『♬.*゚No Fool Like an Old Fool』Peggy Lee

これもペギー・リーの歌ですが、録音年代が前の曲よりも大分あとなので、声の印象はちょっと違っています。

タイトルの「No Fool Like an Old Fool」は、確かことわざみたいなものなのかな…??    「馬鹿な年寄りぐらい馬鹿なものは他に無い」。13年ほど前にやっぱり好きな人が居て、告白をした上で、どうにか “友達+alpha” みたいな形でお付き合いさせてもらっていました。でも自分の馬鹿な行いの為に全ては水の泡に。この歌は自分の歌みたいだ…と思いました。ペギーのしみじみとした表現が素晴らしいと思います。最後の「like me」…私のような愚かな者も他に居ない…という歌詩の表現が取り分け心に染み渡ります。


『♬.*゚Watch What Happens』Charito

これも、前の歌と同じ時期に心を捉えました。好きだった人との関係が水の泡となったあと、一人都内の或る庭園を歩きました。秋の庭園の風景と、その時の心持ちを思い出します。フィリピンから日本に来て活躍を続けているチャリートさんが歌っています。


滅多に恋愛しない…みたいなことを最初に書きましたけど、「あ…この人素敵だな…」なんて思うことは近頃はよくあるんです。通勤の行き帰りに、(私の地元の街で) どういう訳か決まってすれ違う人。又は職場の別の部門の人。せっかく抱いた気持ちだから、その同じ職場の人には、今度はなにか話しかけてみようかな…って、いま急に思いました。


自分は割と、好きになったらずっと好き…かもしれない。音楽でも映画でも、ファンになった人はずっと好きだし。でもそれは恋愛とは違うのかな。



人を好きになったら “こういう感じで居たい”…というような歌が有ります。


『♬.*゚When I Fall in Love』Nat King Cole

ナット・キング・コールも大好きです。ここでの生の歌は、レコードに録音されたものより更にテンポがゆっくり。彼の歌に、いつもとても感激します。


もう一曲・・・『♬.*゚Then I'll be Tired of You』Peggy Lee

しつこくペギー・リー。この歌の歌詩は本当に素晴らしいと思います。

私が貴方に飽きるのはこういう時…と次々に条件を挙げていくのですが、それはどれも、実際には起きようの無いことばかり。例えば「星が瞬くのを辞めた時」「ひとが夢を観るのを辞めた時」…これは逆説として「私は貴方に決して飽きない」ということを言っているのだと思います。

そして最後に出てくる条件が、「私の心臓が鼓動を辞める時」・・・。これだけは本当に来る。歌詩の中では何一つ言っていませんが、浮かび上がってくることは一つ。“私は生涯、貴方を大切に思う、命ある限り”。この歌の言いたいのはそれだと思います。


最後にもう一曲だけ…。
『♬.*゚The Shining Sea』Peggy Lee

この詩はペギー・リー自身の書いたものです。

I can't beleave he's gone
I think I'll go where he might be
I'll go
I need him so
I need our shining sea

最後の所の歌詩だけ、ちょっと書きました。

“I need him so” という所で、いつも切ない気持ちになります。

彼が居なくなってしまったなんて信じられない。
いつか私も、彼の去っていった場所に行くのだろう。
きっと。
とても大切な人。
私たちの思い出の煌めく海。




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