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休場とは…??/21歳の志田さん(&天元戦 本戦 2回戦)

囲碁棋士の桒原くわばら駿しゅんさんという方の休場を伝えるニュースを少し前に見聞きしました。

休場という言葉だと伝わりにくいですが、実質 “廃業” と捉えるべきものなのだろうなぁ…と思います。ことの発端は伝統のある「本因坊戦」の規模縮小だった…とのことですが、囲碁界の先行きに赤信号が灯っている象徴なのかもしれず、今後への提言を含んだ内容なので、⬇にご本人のTwitter(X)への投稿を引用します。

祝日のどこかでコメントしよ〜と思ってたら棋院のリリースが早くて先を越されました笑
という事で休場します!いつまでかは未定!理由は後ほど!  (2024年5月1日 8:50)

⬇【手合休場】『桒原駿三段 | 棋士情報 | 囲碁の日本棋院』


休場の理由についてですが、大きな理由は会社に就職する事になったというところであり、何故そこに至ったのかというのをお気持ち表明的なものを含め書いていこうと思います。

きっかけとしてはやはり本因坊戦の格下げというのが大きかったです。憧れのタイトルであり目標の一つが失われたという心理的ショックに加え、契約の交渉で粘らなければいけない一線を越えてしまったことが如実に感じられ、一つの棋戦がタイトル料、契約金を含めこれだけ下がってしまうと、他の棋戦を支えてくださっているスポンサー様がじゃあウチも下げますとなっても何らおかしくないと思っています。

日本棋院は現状、スポンサー様やファン、職員の方々の「ご好意」の元に成り立っているのであって、いただいている金額に見合ったメリットやリターンを提示できているようには感じられません。この現状を打破するには色々な制限やしがらみがあるとは思いますが、まずは対局日を土日祝にしたり午後から対局開始にしたり、現在中継、掲載されていない棋譜を閲覧できるようにするなど、ファンの方はもちろんこれからファンになってくださる可能性のある方々の目に留まるよう、既存のスタイルを変えていかなければならないと思っています。観る将という言葉が広がったのに対し、何故観る碁という言葉を聞かないのかというファンの方のお言葉を見かけた事がありますが、そもそもリアルタイムで見られる方が少ない時間に対局しているようでは広がるはずもありません。プロ野球やサッカーもひたすら平日のデイゲームばかりやっていたらここまでの人気は出ていないと思います。

僕の私見ですがこのまま行くと近い将来、多く見積ってトップ棋士20人、女流棋士10人、解説や配信、番組で人気の棋士10人くらいの計約40人しか専業の棋士で食べていけなくなるのではないかと思っています。またこの場合普通の会社で働くのと同程度で考えると、60歳くらいまではトップの内に入っていなければならず努力ではどうにもならないような気がしました。

(2024年5月3日 19:46~47)

先の投稿で挙げた不安要素や問題点が氷山の一角という現状の中で、愚直に囲碁だけを頑張るというのは自分には難しいものがありました。

働いていく先でフリーランスのような形になり兼業棋士として復帰する可能性はありますが、よっぽどの事がない限り専業棋士として復帰することはないと思います。

ただ、これはひとえに自分のモチベーションの問題であり、囲碁の魅力はこんなもんじゃないですし、これから日本棋院や囲碁界は変化、進化してもっと良くなっていくと信じています。

今まで応援してくださった皆様には感謝を申し上げるとともに、これからの囲碁界へのさらなる応援をお願いいたします。

(2024年5月3日 19:47)

というわけで僕の棋士としての冒険はひとまずおしまいです。
楽しいことも辛いこともありましたがなかなか良い棋士人生でした!
まあ投了ではなく打ち掛けなので、ひょっこり戻ってきたらまた仲良くしてください!
ではありがとうございました!

(2024年5月3日 19:48)


⬇「本因坊戦」縮小を報じる昨年の記事


⬇とある方のブログ


自分なんか ごく最近囲碁に関心を持つようになっただけの人間で、現状、桒原さんのツイート (ポスト) にも言及のあった “観る碁” という立ち位置にいるような輩です。せっかく新しい追っ掛け対象を見つけた所ですから、これからも発展していってほしいなぁ…と思っています。


CSの「囲碁・将棋チャンネル」で昨日放送された『志田達哉特集』を見ることができました。

2012年に行われたテレビ棋戦「第21期 竜星戦 本戦Gブロック 最終戦」山田規三生きみお 九段 vs 志田達哉 五段 (←当時) 戦。

NHKの囲碁トーナメントとは雰囲気が違いますし、まだAIも導入されていない時代なので、形勢については素人には全く分からず、或る意味自由に見られるような感じがしました。

『志田達哉特集』と銘打って放送するからには多分勝つのだろう…と思って見ていましたが、予想通り勝ちの場面を見られて、ちょっと涙ぐんでしまいました。

当時の志田さんは21歳だそうで、今とは雰囲気がまるで違うので面白かった。終始苦しそうな顔のまま推移し、笑顔の出るような場面は無かったように見えました。

画面はほぼ盤面のみを映し、棋士の様子はさほど映りませんでした (ちょっとつまらない) 。志田さん、集中すると物凄い前傾姿勢で盤上を見るので、終局近くになるに連れ、画面に後頭部が頭上から何度も映ってちょっと笑ってしまいましたし、又その画面から僅かなミスも許されない…という緊張感も伝わってきました。志田さん、今は眼鏡を掛けておられますが、この頃はあまり視力の良くないまま、手合いに臨んでいたのでしょうか・・・。

勝利の場面でこの顔ですよ✨

昔の貴重な対局を見られてとても良かったです。中身については正直相変わらずチンプンカンプンですから、もっと勉強しなくてはなりません。





※[追記]⬇
本日、5月6日の「天元戦 本戦 2回戦」のAIによる勝率判断のグラフ(志田さんは白番で、二目半勝ちでした✨)


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