ワイのハロプロ楽曲大賞'22
ハロヲタになってから投票を忘れる年はありつつも、毎年考えているハロプロ楽曲大賞。
正直ハロプロ楽曲というくくりにこだわって聞く意味をさほど感じなくなってきてもいるのですが、こうみえて楽曲派ヲタク(笑)なので、今年も全ノミネート曲を一通り聴き込んでみました。5曲に絞るのはきつかったので景気よく20位から発表していきたいと思います。ほないっくで〜
20位 ハデにやっちゃいな! / アンジュルム
敬愛する変態アレンジャー田中直先生の4年ぶりとなるハロプロのお仕事。一聴しただけで直とわかるガチャガチャとした隙間のあるサウンドがたまらない。もともとJuice=Juiceの楽曲として書かれたせいか、非常に強気かつクールな曲調だが、歴の浅いメンバーの多い今のアンジュもしっかりドヤ顔でこなしてくれる新境地をみせてくれている。やや音程感がゆらされるようなサビ終わりのロングトーンが癖になることうけあい。
19位 虎視タンタ・ターン/ BEYOOOOONDS
今年は寅年ということを、おぎやはぎの漫才をみて知った。なるほどでは「チョット愚直に猪突猛進」出したのは亥年か!と思ったけど確認したら申年でした。なんやねんややこし。そんなことは置いておいて、ヒャダさんが自画自賛したずっとサビのようなハイカロリーな展開がお見事。西田汐里、山﨑夢羽の超絶フェイク対決にも血が滾る。歌、ダンス、セリフ、とにかくどのメンバーに目を向けてもすきがなく、総合的なパフォーマンス力ではハロプロ随一の仕上がりをみせているBEYOOOOONDS。そのクオリティの高さを堪能できる一曲である。みんな大好きダンスマンの跳ねまくりなスラップベースも最高。
18位 雨の中の口笛 / 工藤由愛・松永里愛・有澤一華・入江里咲・江端妃咲
Juice=Juiceの3rd アルバム「terzo」より年少組のユニット曲。静かなトラックの上に滋味のあふれる歌声がゆっくりと染み渡る。松永里愛、有澤一華の大阪コンビは素のキャラクターとは反対にファルセットの奥ゆかしく繊細な表現が印象的。バースデーイベントでも何人かカバーするメンバーもいたように、可愛らしくそれぞれの声質の良さを活かしやすい良曲。
17位 Never Never know〜コメ派とパン派のラブウォーズ〜 / BEYOOOOONDS
納豆の匂いさえしなければ、甘く爽やかなポップス。アルバムで曲前に差し込まれる寸劇のトチ狂った設定に困惑するが、島倉りかちゃんの台詞回しが巧すぎてこれはこういうものとして受け入れられる。無駄に洗練された無駄な動きのような、ナンセンスさの上に成立する純粋な技巧の素晴らしさ。意味を求めるのをやめれば、BEYOOOOONDSを無心に楽しめる。炊飯タイマーいれる高瀬くるみさんの異様なエロさも楽しめる。
16位 規格外のロマンス / 宮本佳林
昨年末のデビューからはや一年。卒業後もハロプロと連続した形で精力的に活動している宮本佳林ちゃんは、今もキラキラアイドル。突き抜けるハイトーンボイスは色褪せることがない。やや平面的なシンセサウンドは低く差し込んで強い陰影をもたらす冬の光のよう。
15位 Teenage Solution /モーニング娘。'21
16裏のWowに始まりシンコペーションの効いたリズミカルなサビが小気味良い。それでいてビートからはずれたノックの効果音を打ち込んできたりするから油断できない。天才まーちゃんが繰り出す「やっぱし私お部屋にいるし」の唐突な韻踏み感、伝わらなけど伝わる「イラつきのmidnight blue」などキラフレーズも満載。まーちゃんラストシングルにふさわしい強力なつんく楽曲。
14位 Chu Chu Chu 僕らの未来 / モーニング娘。'22
再生ボタンを押せば唐突に耳を奪う竹笛の音色(裏拍)。ガールクラッシュ系のダークなサウンドに変拍子。サビでもフレーズごとに拍子が替わる始末でハロプロでもモーニング娘。とつんくにしかできない攻め具合。しかしこれでなかなかポップにまとまっているのだからすごいし、ちゃんとかっこいい。森戸知沙希ちゃんの卒業曲としては流石に攻めすぎたのかもしれないが、この姿勢は失ってほしくない。
13位 タメライ / 宮本佳林
アルバム「ヒトリトイロ」の暗く怪しい色彩を担うマイナー調のド歌謡曲。作曲はレジェンド馬飼野康二先生と、こちらもジャニーズ楽曲などを多数手がけてきた大ベテラン鎌田俊哉先生(ちなみにこのコンビは金澤朋子のソロ曲「ちっぽけな自分」というのも提供しているのだが、音源化はされていない)。佳林ちゃんの地声の魅力が存分に味わえる佳曲。佳林だけに、、、、、、ばくわら。
12位 プラスティック・ラブ / Juice=Juice
言わずと知れた竹内まりやのマスターピースをJuice=Juiceがカバー。イントロに乗っかるリードシンセのフレーズがややダサく、蛇足であるように思える。原曲通りに無機質にコードをループさせたほうがよかったと思う。文句をつけたいのはそこぐらいで後は最高。ソロパートをひたすらつないでいって、曲が進むごとに少しづつ声が重なっていく丁寧な歌割りの設計は素晴らしい。特に江端妃咲ちゃんの情感たっぷりな歌い出しは優勝している。来年はこの声質を更に活かしていけるような新曲に期待したい。
11位 英雄~笑って!ショパン先輩~ / BEYOOOOONDS
言わずと知れたショパンの大名曲を星部ショウがアレンジ。ほのぴが弾く英雄ポロネーズの緊張感あふれる超絶フレーズにかぶさる桃々姫の「プシーッ」。最初にこの一音を聞いた時は思わず身震いした。これがビートの快楽か。クラシック楽曲のメロディをそのまま引用しながらも賑やかで感動的でさえあるポップスに仕上げる星部ショウの手腕に脱帽。もう頼めば何でも合体させてくれそう。彼こそアップフロントのトム・ブラウンだ。本来歌をつけることを想定していないメロディを高らかに歌い上げるBEYOOOOONDSの力量もまた素晴らしい。
10位 自分ファースト / 宮本佳林
2022年は中島卓偉の年であった。後世にはそう語り継がれるかもしれない。そして2022年の中島卓偉を語るのにこの楽曲を忘れては画竜点睛を欠いてしまうだろう。ストリングスをリバースさせたようなイントロのSEが流れるたびにテンションが沸騰するメロも歌詞もどストレートなギターロック。みなさんが一番楽しいって感じるのどんな瞬間ですか?俺は佳林ちゃんのリリイベで猿のようにクラップしてるときかもしれないです。皆さんも是非このエネルギーを体感して欲しい。佳林党はいつでもあなたの入党をお待ちしています!!
9位 夜明けまでのララバイ / 宮本佳林
身近な悩みや希望を描いてきたこれまでの楽曲とは異なり、明確にウクライナ戦争を意識した歌詞。戦争は未だ終結の見通しが見えず、血は流され続け、その余波は確実に私達の生活に訪れている。「悲しみの意味も知らないまま 大人になれる国で」という歌詞を日本人が我がものとして受け取れる日が果たしていつまで続くだろうか。しかし今日を生きる私が少なくとも命の危機を感じることはなく、直接の当事者性を持ち得ないのは事実だ。その他者性をまずはそれとして引き受けるということ、その上で目をそらさずにいること。その誠実な態度は一時のヒロイズムや軽薄なリアリズムよりも力を持ちうる。まだ現場で一度も披露されたことのないこの楽曲がしかるべき時と場所で歌われること、あらゆる悲しみを抱えた人々に佳林ちゃんの愛が届くことを願う。
8位 よしよししてほしいの / モーニング娘。'21
「時空を超え 宇宙を超え」、「KOKORO&KARADA」を生み出したつんく×大久保薫の黄金コンビが更に進化して放つ渾身の一撃。脳に響くすべての音がエロく、危険な快楽成分に満ち満ちたデジタルドラッグ。すっかり世界を席巻してしまったK-POPになおも真っ向から勝負を挑まんとするその心意気やよし。
7位 大・人生 Never Been better / モーニング娘。'22
つんくのリズムセクションへのこだわりは偏執的ですらあり、このハッピーなソウルナンバーにもそれは通底している。イントロのキメの多さ、スネアドラムの手数の多さがたまらない。キメてキメて繰り出す最初の歌詞が「着たい服 着れば良いと思う」。「KiTai huKu KireBa iTomou」キモいほどの破裂音の連打。この執拗なアクセントの付け方がつんくすぎて興奮する。そしてそれぞれの好きをまっすぐ肯定する歌詞がするっと入ってしまう。誰がなんと言おうと俺は「大・人生」が大好きだ。
6位 なんてったって I Love You / 宮本佳林
宮本佳林ちゃんの2ndシングル。リリイベ、単独、MSMW、悪嬢転生、ラジオ、あらゆる場面で聞きまくった。確実に今年一番聞いた。余裕で3桁は聞いた。それでも飽きがこないのは名曲の所以か。ファンキーなベースに跳ねる少し癖のある佳林ちゃんの歌声、これがハロプロなりのアイドル王道ど真ん中。This is 宮本佳林。早口で繰り出される「匿名希望の言葉 銃で乱射 訳なんて何もないのに」のパンチラインもドープ。感情をぶっ飛ばして会いに行きまくったヲタクにとっても、佳林ちゃん自身にとっても今年の活動の核となるような重要な楽曲だった。
5位 Kitty / 小片リサ
小片リサの角の丸いスムースな歌声はソロになってから磨きがかかっている。まるちゃんの愛称に違わず、まるい音の良さが尋常ではない。具体的にいえば「I’m your kitty」の「みゅ」の部分がエグい。あとはまるいの意味が違変わるが、「ちょっぴり」の「ぴ」もヤバい。痺れる。リサにこれを歌わせた作詞の勝利。あくまで媚びず品よく歌おうとも、溢れ出でくる色気は他に代え難い。ジャニーズやK-POPの錚々たる面々に楽曲を提供してきたKevin Chargeのエッジの聴いたサウンドもそれを良く補完し、極めて中毒性の高い楽曲に仕上がっている。
4位 Happy Days / 宮本佳林
演劇女子部「ミュージカル 恋するハローキティー」から8年、過剰なほどに表情豊かで、ずば抜けた輝きを放つ佳林ちゃんの歌声が進化してミュージカル調の楽曲に再会。佳林にHappy days、まるでピーナッツバターといちごジャム、まさに鬼に金棒、マンダのりゅうせいぐんはつよい。良曲揃いのアルバム中でもこの声の快楽は圧巻。これぞ多幸感。よく聞くと哀愁のある歌詞が佳林ちゃんらしくて憎い。
3位 運命 CHACHACHACHA~N / OCHA NORMA
"(お茶の間)を楽しませる、新世代の(スタンダード)となるような存在になってほしい!という願いを込めて"名付けられたOCHA NORMA。それまでお茶の間よりむしろ目の前のヲタクに向けられた「ハロプロっぽい」楽曲が続いたが、リリイベで踊り狂うお茶漬けヲタクの度肝を抜く奇怪な曲が爆誕した。ロカビリー、ワルツ、ラップ、コール&レスポンス、キュルルンビーム(?)、結婚式の誓約、と脈絡も節操もなく無理矢理に展開していく。バラバラの要素をつなぐのは運命?いやもう運命かどうかなんてどうでも良いのだ。「真実は No thank you 興味もありません」。この胸の高鳴り、アイドルの輝き、それだけが本物ならばよい。意図したものかは定かではないが、かつて日本に存在したお茶の間という共同幻想が崩壊し、バラバラに引き裂かれて混沌とした世界に生きるヲタクの刹那を描き出したポストモダンな問題作。
2位 Sunset Summer Fever / L!PP(from Hello! Project Dance Team)
うねるベース、粘るドラム、打ち込みビートが主流のハロプロにおいてもはや新鮮なリズムと、ごてごてしない爽やかなサウンドと展開。奥に情熱を秘めながらもサラリとして温度を感じないのは、これも儚く消える夏の夢だからだろうか。段原瑠々を加えて、歌唱面でも最強になったハロプロダンス学園は楽曲提供とボーカルディレクションを担当した西寺郷太氏を驚かせた。その中でも落ちサビ秋山眞緒パート「忘れられない 夏の痛みさ」の素晴らしさは筆舌に尽くし難い。彼女のもつシルキーかつキュートでイノセンスな歌声がとうとう本来の居場所をみつけたようだ。その魔性に身を焦がした2022年を私は忘れられないだろう。
1位 アドレナリン・ダメ / つばきファクトリー
2022年は中島卓偉の年であった。少なくともつばきにおいては確実に。シンプルで強度の高いメロディがリフレインするファンキーなキラーチューン。前のめりなベースに急かされるように、12人の歌声を次々に畳み掛けていく様は、今年のつばきファクトリーの充実した活動ぶりを象徴するよう。我らが雨子先生の作詞も冴えに冴えており、ハイテンションを爆発させながら、ちゃんとしろと自分に言い聞かせる鮮やかなアンビバレンスは情緒が荒れがちなヲタクに真っ直ぐ突き刺さった。
以上、ワイのハロプロ楽曲大賞'22でした〜
今年は佳林ちゃん:Juice:つばき(まおぴん)= 4:3:3くらいの感じでみてて他のグループはあんまり追えてなかったんですが、割とそれが反映されてしまっていますね。ただ楽曲的には良いものも、まだ良さがわからないものも半々くらいでこれまで以上に好き嫌いがはっきりして、それが各グループへの熱量にも直結していたように思います。
来年はどこも良曲が沢山出ると良いな〜
最後に宮本佳林1stアルバム「ヒトリトイロ」は超絶名盤なので絶対聞いてね!!!
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