ハロプロ バースデーイベントアナリティクス'22

今年も残すところあと3日。昨夜のビッグニュース含め2022年もハロー!プロジェクトでは色んな出来事が起こりましたね。個人的には有り難いことにハロプロセトリ検索システムへの反響が大きく、思っていたよりも何倍もハロプロ漬けの1年となりました。

今日はセトリと向き合い続けた1年の締めくくりとして、セトリを集めるきっかけともなったバースデーイベントのセトリ分析を少し詳しくやってみました。バーイベのセトリからハロプロの今がみえてくるかも!?以前公開して好評だったバースデーイベント選曲ランキングも2022年最新ver.でお届けします。

まず最初にバースデーイベントってそもそも何?って方のための簡単な前置きを書いたので、ガチ勢の方はささっと読み飛ばしてもOKです。

ちなみにここで扱ってるセトリのデータは全てハロプロセトリ検索システム「ToMoKo」から調べることができます。ぜひぜひご活用下さい〜

それでは行ってみよ〜

バースデーイベントとは?

とにかく歌って踊る体育会系ライブアイドルとして年間通して多くの公演を行っているハロー!プロジェクトですが、各グループの単独コンサートツアーや、ハロプロ全体で行うハロコンと並んで現在人気コンテツとなっているのがハロプロのファンクラブ会員限定のファンクラブイベントとして行われるバースデーイベント(以下BDイベント)です。

各メンバーの誕生日に近い日程で行われる1日限りのソロイベントで、バースデーケーキを用意して会場みんなでバースデーソングを歌うほか、トークコーナーや、他のハロメンからのバースデーメッセージ、ミニライブなどが行われます。

現在のBDイベントのはしりとなったのは2010年2月に行われたファンクラブ会員限定イベント『℃-ute緊急企画「3人でバースデーイベントやっちゃいます!だって私たち2月生まれなんですもん!』で、誕生日の近い矢島舞美・中島早貴・萩原舞をまとめてお祝いするイベントでした。これが好評につき毎年恒例のイベントとなり、2012年からは他のハロプロのグループでもソロや二人合同でのBDイベントが次々に開催されます。

2013年からは基本的にハロプロに在籍している全てのメンバーのBDイベントが開催されるようになりました。ハロメンは現在全体で60人を超えていますが、これだけの大所帯ながら誰もが年に1回は主役となれるイベントが用意されてるというのは今のハロプロの特徴の一つといえるかもしれません。

BDイベントの内容は各メンバーによって様々ですが、一番の目玉は各自が自分で選曲したハロプロ楽曲を披露するライブコーナーでしょう。普段グループでパフォーマンスをしているハロメンがソロで歌ってくれるとても貴重な場になっています。

どんな曲を選ぶのか、どんな演出をするのかといった自己プロデュース力を発揮する場でもあり、ハロメンとハロプロ楽曲の魅力をより深く知ることのできるこれ以上無い機会だともいえます。そのためか自分の一番好きなハロメンのみならず、あらゆるメンバーのBDイベントに片っ端から参加するバーイベのヲタクが存在するほどです。

それでは、これからそんなバースデーイベントでハロメンからどんな楽曲が選ばれ、歌われ、愛されてきたかを詳しく見ていきましょう!

2013〜2022 バースデーイベント選曲ランキング

まずは本格的にバースデーイベントが行われるようになった2013年から2022年までの10年間に行われた全てのバースデーイベントで最も多く選曲された楽曲のランキングを御覧ください。ちなみにこのランキングの詳しい作成方法については一番最後にまとめてあります。

ソロで歌唱する都合上、原曲がもともとソロであったり、比較的人数が少ないグループ/ユニットの楽曲が多くランクインしています。最近ハロプロを知ったという人には馴染みの薄いであろう名前も多くありますが、こうしたファンだからこそ知るような名曲たちに出会えるのもBDイベントの魅力の一つです。

トップ3の「赤いフリージア」、「もしも…」、「恋ING」はBDイベント以外でも卒業コンサートの最後のソロで歌われるなどこれまで数多の名演と名場面があり、ハロプロの歴史を語る上でも重要です。もし自分がハロプロに入れたとしたら1度はソロで歌ってみたい楽曲達ですね。

さて次からは各年の変遷と照らし合わせながら、2022年のバースデーイベントについて振り返っていきます。

イベント数

まずはバースデーイベントの行われた回数をみてみましょう。最後に詳述しますが、名古屋イベントやバースデーバスツアー、OGのイベントは含みません。

2013年はハロプロ全体の人数も今の半分ほどでしたが、2014年〜2015年の相次ぐ新グループの結成に伴ってバースデーイベントの数も倍増しました。ここ数年はほぼ1週間に1回はバースデーイベントが行われている計算です。ちなみに新グループのメンバーはメジャーデビュー前後のスケジュールが多忙を極めるため、デビュー翌年から最初のBDイベントを行うことが多く、既存グループへの加入メンバーも同様です。これによってハロメンの増加とイベント数の増加に1年ほどのタイムラグが生じています。

次に今年行われたBDイベントの内訳をグループ別にみてみると下の表のようになります。


モーニング娘。は2名の卒業メンバーと1名の新メンバーが全員イベントを行ったため、現在の在籍人数よりイベント数が多くなりました。アンジュルムの平山遊季、Juice=Juiceの江端妃咲・石山咲良・遠藤彩加里は新メンバーのため、植村あかりは謎の理由でスケジュールの問題で今年中のBDイベント開催はありませんでした。稲場愛香もBDイベント前に卒業してしまったため、既存グループではJuice=Juiceのみイベント数がやや少なくなっています。

OCHA NORMAのメンバーは11月生まれのリーダーの斉藤円香のみBDイベントが開催され、他のメンバーに関してはバースデーイベントではありませんが生まれ月ごとに2、3名合同のファンクラブイベントが行われました。

来年は現在のところ浅倉樹々・竹内朱莉・譜久村聖の卒業が発表されていますが、それを差し引いても過去最多の60回を超えるバースデーイベントが開催されることが見込まれます。通算の選曲ランキングにも大きな変動がありそうです。

バースデーイベント選曲ランキング(年別)

先に2013〜2022年の通算ランキングを紹介しましたが、ここからは各年ごとに最も歌われた楽曲についてみていきます。

10年という長いスパンの間にほとんどのメンバーが入れ替わり、グループの解散、結成もありましたがよく歌われる楽曲というのはあまりかわらず、ソロの定番のようなものが存在しています。ただ近年はそうした定番楽曲も多く歌われる一方でリリースから間もない楽曲でも多くのハロメンに好まれて選曲されるようなパターンが出てきました。

2022年にもっとも歌われたのはつばきファクトリーの「My Darling 〜Do you love me?〜」。単独コンサートのセットリストでもレギュラーとなりつつある可愛らしい楽曲です。メロディやテンポが一人でも歌いやすく、人気楽曲「My Days You」と同様に自分を応援しくれるファンへの感謝をストレートに伝えられるような歌詞ということもあってかBDイベントで歌われる楽曲として多くの支持を集めました。2位の「雨の中の口笛」も近年では貴重なややスローなテンポかつ可愛らしい楽曲で、今年4月発売のアルバム収録楽曲ながら6人ものハロメンに選曲されました。他にもJuice=JuiceメンバーのBDイベント数は少なかったのにも関わらず、Juice=Juiceの楽曲が多くランクインしており、他グループのメンバーからも支持を集めたようです。

次はカバーされた楽曲を原曲のグループ別にみていきましょう。

グループ別

2013〜2021までの各年について上位のグループを表にすると以下のようになります。これはユニットや別名義も含みます(例:「モーニング娘。'14」、「道重さゆみ・譜久村聖」→モーニング娘。としてカウント。「NEXT YOU」→Juice=Juiceとしてカウント)。

いきなりこんなに表がでてきて目がチカチカしてしまったかと思いますが、毎年上位を占めるのはモーニング娘。と松浦亜弥、ベリキュー、それにスマイレージといったところ。これはバースデーイベントによく行く方ならなんとなく体感でわかるかもしれません。しかし今年はこの割合に大きな変化がありました。

Juice=Juiceとつばきファクトリーの楽曲が急増。つばきファクトリーに関しては18/33がつばきファクトリーのメンバーによって選ばれており、4人の新メンバーが加入したことが一つの要因でしょう。しかしこれだけ本人達からソロカバーされるというのも、他のグループにはない現象で、つばきはつばき楽曲への愛が強いといえるかもしれません。Juice=Juiceは先にみたように他のグループの半分程度のイベント数でありながら、他のグループのメンバーから非常に多くの支持を集めました。

ここでグループごとの割合の変化をより分かりやすくみるために、よく選曲されるグループやユニットを世代や性質によって6つにまとめてみていくことにしましょう。なお「ごまっとう」はソロとして活動した後藤真希、松浦亜弥、藤本美貴それぞれの楽曲の合計を表し、同名のユニットはカウントしていません。

こうしてみると年によってかなり上下があるものの、大きな傾向としてはかつて最も大きなウェイトを占めていたベリキューやソロ組の楽曲が割合としては減少し、その代わりに次の世代であるカンこぶつばの楽曲が歌われるようになっているのがわかります。Juice=Juiceも今年の躍進の前から安定して歌われ、素地は十分に育っていたようです。モーニング娘。の楽曲は常にBDイベントのでトップの支持を集めています。逆にアンジュルムに関しては現在のグループの勢いに比べてBDイベントでの存在感やや薄めです。

次にリリース年に着目してみると、この傾向がより深くはっきりみえてきます。

リリース年

下の表は2018年から現在まで直近5年間にリリースされた楽曲に絞ってつくった選曲ランキングです。

1位が鈴木愛理というのもびっくりなのですが、一旦それは置いておいて、ほとんどがJuice=Juiceとつばきファクトリーの楽曲によって占められています。アンジュルムはUraha=Loverが10回ともう少しでバースデーイベントの定番楽曲の仲間入りをできる位置にありますが、他に5回以上選曲された楽曲はありません。モーニング娘。'18~22に至っては3回以上選曲された楽曲が一曲もなくBDイベントで披露されるのは相当レアになってしまっています。

原因は色々考えられますが、曲の善し悪しの前に単純に楽曲のつくりがソロ歌唱に向いているかというのは大きなポイントです。短いパート、時には1音のみをつないでいくようなつんく楽曲を一人で歌うのはかなり困難。一方Juice=Juiceの楽曲は音域が広くある程度の技術的な難しさはあるにせよ、もともと一人あたりのパートが長く設定されているため、技量があるメンバーであればソロでも挑戦できるようです。アンジュルム楽曲はモーニング娘。ほどではありませんが、やはりパートが細かくリズムも複雑でソロには不向きなものが多い傾向にあります。

モーニング娘。に関しては25年分の圧倒的に豊富な楽曲があるため、現役メンバーはそこから思い思いの楽曲をカバーしており、グループ全体としての選曲回数は減っていませんが、アンジュルムに関しては、スマイレージ楽曲が可愛い系に特化しているためどうしても他のグループのカバーも増えてきます。

つばきファクトリーは現在12人と大所帯ながらスロ〜ミドルの比較的歌いやすい楽曲が多くあります。つばきの多くの楽曲を提供している中島卓偉と山崎あおいはふたりともシンガーソングライターで、自分で歌って作っているためか一人でもなんとか歌えるようにできています。逆につんくのメロディや歌割りが難解になっていったのは声を失ってしまったからかもしれません。

また歌いやすさという点からするとBEYOOOOONDSやOCHA NORMAが現在までに発表している楽曲はとてもソロ向きとはいえないのでユニット曲は別として、この2グループの楽曲が上位にランクインするのはあってもかなり先になりそうです。

ひとまずのまとめ

いろいろな表でバースデーイベントについてみてきましたが、やはりJuice=Juiceのヲタクとしては今年Juice=Juiceの楽曲が沢山歌われたのはとても嬉しいところ。ですが、上でも述べたように10人前後のグループで歌っている各局をソロで歌うというのは簡単ではなく、曲の人気や良し悪しとは別の要因も関係してきます。今回は質的なところまで殆ど手が回らなかったので、今後他のデータや資料も合わせてハロメンや同世代にどんな楽曲が愛されるのか考えてみたいなと思います。

また今回は時間と集中力の関係で会場やコーナーなど、セトリ以外のイベントの内容に触れられなかったのですが、いつかそちらについてもまともられたらと考えています。

現在ハロプロ関連のデータベースをより拡張した形で作ることも考えていますので、このnoteを呼んでいただいて、何か調べてみてほしいこと、気になったこと、欲しいデータやサービスが有りましたらお教え頂けると幸いです。

お付き合いいただきありがとうございました。

それでは良いお年を〜

※選曲ランキングの作成方法について

・2013〜2022年に行われたハロプロのファンクラブイベントのうち、タイトルにバースデーイベントと入っているもの全てを対象とする
・名古屋イベント、バスツアーは対象外とする
・ハロプロ内外に関わらず歌われた全ての楽曲を対象とする

・同一タイトルのイベントにおいて複数公演に渡って同じ楽曲が披露される場合(回替わり曲以外)は原則として一つにまとめて記録するが、同一曲であっても公演によって歌唱するメンバーが異なる場合は回替わり曲として別個にカウントする
・回替わり楽曲もそうでない楽曲も1イベントにつき1回とカウントする

・メドレー形式で披露された楽曲に関しては、原則として含まれる楽曲全てをそれぞれ1曲として扱う
・コーナーなどで楽曲の一部のみを歌唱した場合はセトリの対象外とする
・ダンスパフォーマンスなどで使用楽曲が明らかでない場合は対象外とする
・オープニングアクトは原則として対象外とするが、ライブ本編の出演者がパフォーマンスをしたり、実質的に本編の内容の延長線とみなせる場合は対象とする


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