国立映画アーカイブ「人妻の悶え ザ・不倫」「変態家族 兄貴の嫁さん」



周防監督の小津安二郎パロディのロマンポルノ目当てで行ったけど一本目の「人妻の悶え ザ・不倫」も切なくて良かった

「人妻の悶え ザ・不倫」
チックコリア的なトレモロがかかったエレピのサントラと共に女性の泣き顔のアップでいきなり引き込まれる
主題歌、和モノなソウル的な歌謡バラード「MACHIKADO」も良かった(調べてみたけどEP等のリリースはされてないよう)

http://www.jmdb.ne.jp/1981/de000420.htm

フランス映画を意識した感じの映像も美しくて幻想的な感じ、切ないラストも良かった
フィルムの劣化でラスト付近に縦の線が入ってそれが雨のように見えて物語とシンクロしてる感じがして良かった


「変態家族 兄貴の嫁さん」
大杉漣の虚無な笠智衆がセリフを言うたびにツボにハマって可笑しかった
小津安二郎の作品を直接引用したシーンのコラージュでそんな中に濡れ場もあるのがシュール
セリフまわしも徹底して小津安二郎パロディで面白い
音楽も小津安二郎パロディだけどレゲエ調なのが妙に明るくて楽しい
そんな中ラストの方で早春のセリフが直接引用される場面が急に出てきて不意を打たれてちょっと涙腺が緩んだ(大杉漣はふざけてるんだけど)
何だかわからないけど爽やかな終幕で凄く良かった

人妻の悶え ザ・不倫 [『狂った情事 おしゃぶり』改題版] *(61分・35mm・カラー)


1981(国映)(企画)朝倉大介(監・脚)磯村一路(撮)長田勇市、斉藤幸一(音)坂口博樹(出)朝霧友香、豪田路世留、沢木みみ、宮田諭、西岡琢也、下元史郎

不倫を題材に男女の行き違いの心理を描き出したピンク映画の秀作。若松孝二や高橋伴明らの助監督を経て、製作集団「ユニット5」を水谷俊之、福岡芳穂、米田彰、周防正行と結成した磯村一路の監督5作目。国映にて朝倉大介という名義を引き継いだ佐藤啓子は、50年以上にわたり1000本以上を製作し、数多くの作家たちを育て続けている。

変態家族 兄貴の嫁さん*(62分・35mm・カラー)


1984(国映)(企画) 朝倉大介(監・脚)周防正行(撮)長田勇市、滝彰志(美)種田陽平、矢島周平(音)周防義和(出)風かおる、山地美貴、麻生うさぎ、大杉漣、下元史朗、首藤啓、深野晴彦

「ユニット5」に参加していた周防正行の監督デビュー作で、シナリオ題名『お嫁さん日和』のもと小津安二郎へのオマージュを込めたピンク映画。朝倉大介名義で製作を手がけた佐藤は、将来性に賭けて若手監督たちの作家性の強い映画作りを尊重した。佐藤は、80年代後半には瀬々敬久などの「ピンク四天王」、90年代以降にはいまおかしんじを含む「ピンク七福神」といった個性豊かな作家たちを送り出している。


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