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リアルな相互扶助

明日は大晦日です。
このnoteを読んでくださっているあなたも色々な思いの12月を過ごされたのでしょうか。

私は今年、仲良くなった人を通じてある飲食店の店主にお世話になり、お礼を伝えに行き、気に入ってまた訪れました。ここは昭和から続く、駅裏のレトロなお店。

明るく面倒見がよく、困っているひとを放っておかない女性店主と客、客と客が明るく冗談を交わし笑い飛ばしながらも綺麗事ではない互いの生活の事情をさりげなく思いやり支え合っている、私の心を揺さぶる光景がここにはありました。

先日このお店で顔見知りになってお喋りしたりしていた女性がいつものように編み物をしていました。

この店の二階のジョージに編んでるの、寒くなってきたし彼は自転車に乗るときに首が冷えるからね。彼の母国の国旗の青と白、あとは黄色の太陽を入れる、と。

この日、彼が生活の為に焼いて店主がここで売ってあげているという焼き立てのパンを私も買いました。完売したこのパンは本当に美味しく、買ったひとも嬉しいし焼いた本人も生活の足しになるだけでなく皆の優しさを感じているはず。

次から次へとやってくる男性客は彼女が編んでプレゼントした帽子を被っていてあったかいんたよと喜んでいる。みんなが顔見知りで、そして新顔の私にも明るく話しかけてくれてあたたかい。

私はこのお店で、2023.1月13日放送のドキュメント72で観た夫とも神回だよねと思っている「大阪 昭和から続くアパートで」を思い出していました。

今日はドキュメント72時間の年末編がやっているのでまた観られたらいいなぁと思っています。


支援というと立派な事をするような響きですが、結局のところ一人の人間の心を揺さぶるようなもの、一段上からのではなく、現実を生きている人々のリアルな支え合いが、たまたま私が来ることになったこの古いお店にあったのです。

今はこういう場や人が消えつつあり本当に残念に思いますが‥。色んな事情を抱えていても、あたたかい繋がりがあるここに集まる人達は幸せで、誰かの孤独をも救っているのだろうと思いました。
店主がいつまでも元気でいてほしいなと思います。

人工呼吸器に繋がれた弟と15年目の再会が果たされ、還らぬ人となってから5回目の年末です。そしてもう一度会いたいと願った父もまた14年前に死亡と記載された戸籍が昨年届いて2度めの年末です。

もう一度笑って合える日が来ると信じていたふたつの希望は消えましたが、それでも私は生かされていて、大切だと思える存在があります。

この人生だったからこの人と出逢えたと思うご縁もたくさんありました。

そして二度と戻らないかけがえのない今という時間とこの人生を愛しながら、いつかは終わりが来る人生を生きていけたらと思っています。

今年も関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました。

皆様が、新しい年への時を穏やかに過ごせますように願っています。


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