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46万回のありがとう #86 突然1万円が降ってきた

これはワタシが46万回のありがとうを言うまでの過程で起きた奇跡の記録。

気づけばゴールデンウィークも明けている。
86日目の夜。

そのゴールデンウィークは思わぬ事件から始まった。
パートナーの彼から「網膜剥離の疑いで病院探し中」と連絡が入ったのだ。

彼は退役軍人ということもあり、アメリカ基地へアクセスできる。
もちろんかかりつけ医も軍のお医者さん。

しかし、眼科医がその日はおらず、また、緊急で診察してくれる日本の眼科専門医を当たるもゴールデンウィークで全く受け入れ病院が見つからない。
病院でひたすら7時間以上待って、結局帰宅することになる。

ワタシもできることを手伝おうと病院を調べたり電話したりするが眼科医がとにかくいない。

専門的な診断が得られぬまま不安な夜を過ごし、翌日、市の輪番緊急眼科医に搬送されて診察されるが、軍医との見解が全く異なる。

彼がサードオピニオンも欲しいというので、大学病院の救急外来を訪れた。その間の通訳の全て、手続きをワタシが行った。

とりあえず、網膜剥離の可能性は限りなく少なさそうだ。緊急性がないこともはっきりし、彼も納得したので、その後2日間一緒にゆっくり過ごす。

散歩中の思いつきで、財布も持っていないのに電車に乗って初夏の海を見に行くことにした。

海の音や海までの道のり、行き交う人々の笑い声や笑い顔、主人に連れられてとぼとぼ歩くミニチュアダックス。

なんでもない日常的な光景や音、全てが映画みたくキラキラしていた。空気が美味しかった。

見える、聞こえる、息するって当たり前じゃないんだ。

翌日、家に帰る道中、「お金と時間の使い方がやっとわかりました〜」、と天高く宣言した。人に喜んでもらうことがどういうことなのかなんだか腑に落ちたのだ。

「あ〜、良かった。ほんと幸せ。ありがとう。」と何度も呟いた。

それから10分後。
家に着いて、彼が持たせてくれたチーズケーキの包みを開けた。

そこには一万円が無造作に挟まっていた。

ワタシは自分がしたいことをした。一瞬一瞬に一生懸命に。お金のことなんか考えず、時間の感覚も無くなるほどに。

こういうのを無償の愛というのかしら。
それともZoneというのかしら。

読んでくださった方にありがとう。
すきくださる方にありがとう。
画像提供ありがとう。

ありがとうは言われた側にも徳が積まれていくそうです。






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