イーサリアム対ソラナの比較で、Web3の問題点を理解しよう2

このブログは、TAWを学んだかたにおおくりしております。2019年の開脳マラソンで、ブロックチェーンを学びましたね。2022年はブロックチェーンがかなり勢力を増しました。そろそろ本格的にお勉強を始めて、来る未来の世界が理解できるようになりましょう。

今は、新しい世界の誕生期。誕生期にはいろいろな問題や解決法が試行錯誤で現れます。これを考えることで、あなたの脳にも、新しいものを作りだすための回路が活性化するでしょう。

このブログは前回の続きになります。(動画の4:24から)


ソラナの魅力はそのネイティブトークン、ソルです。ソラナのメインネットは2020年3月に始まったばかりです。その能力で話題になりました。そして、ソルの価格は指数関数的に上がりました。2021年1月のソルの価格は1.51ドル、2022年1月11日の価格は141ドルです。ソラナの時価総額は2021年の8580万ドルから2022年の430億ドルになりました。
一方2015年にローンチされたイーサリアムは、2022年には堅牢なエコシステムと実力ある開発力を持つ、すでにこの市場のベテランです。同じ日の時価総額は、3700億ドルで、この業界のボス、BTCに次ぐ額です。1イーサは3200ドルです。
この2つのブロックチェーンの違いはなんでしょうか。この新参者(ソラナ)はどのようにして、開発者にすでになじんでいるブロックチェーンの覇者(イーサリアム)に挑戦できるしょうか?
とはいえ、イーサリアムはトランザクションやガス代では良い成績を出せません。イーサリアムのガス代は2021年の5月中旬に60ドルと高騰しました。平均値は25~30ドルです。イーサリアム2.0になることで、ガス代は減ると予想されています。とはいえ、競合者と比べてまだ高いです。

注/ そもそもスマートコントラクトを持つイーサリアムは、IoT(家にある家電や設備がインターネットとつながる技術)に応用できると期待されていました。しかし、ひとつのトランザクションごとに、10ドル、20ドルとかかるようなものは、実用的とは言えません。しかも、処理が遅すぎて、トランザクションが集中すると、より遅くなります。これでは、家の家電を動かすには不便です。そのため、ソラナのような、スピードが速く安い新興ブロックチェーンが誕生しました。なお、IoTのためには、いまやブロックチェーンではない他の技術(タングルという技術のアイオタIotaなど)が期待されています。これはトランザクションが増えるほど処理スピードが速くなるという優れたシステムです。気になるかたは、Iotaを調べてみてください。


オービトラムやオプティミズムなどの(イーサリアムの)レイヤー2チェーンがこの問題と取り組んでいますが、開発者たちはより安いブロックチェーンを求めてイーサリアムから離れようしています。イーサリアムはまだプルーフオブワークのコンセンサスアルゴリズムに依拠していて、このアルゴリズムは複雑な数学的問題を解く必要があるため、マイナー同士の競争を生み出します。誰が一番早く(問題を解いて)新しいグロックをチェーンに付け足すか。それによって、マイナーは報酬を受け取るわけです。これはコンピュータの高い能力とエネルギー消費が必要になります。一方で、世界は気候変動と環境問題を克服しようとしており、人々はマイニングとプルーフオブワークのコンセンサスに懸念を持っています。イーサリアムのエネルギー消費は、現在、オーストリアのエネルギー消費と同等の量です。これが(ネットワークの)セキュリティーに関係なくても、費用はかかります。イーサリアムのメインネットは、イーサリアム2.0として、プルーフオブステークのコンセンサスアルゴリズムであるビーコンチェーン(ステーク移行の試験チェーン)に移行する予定です。それはイーサリアムのエネルギー効率を99.95%高めると言っています。
これはマイナー(マイニングしていた人)にとって悪いニュースですが、ステーカー(ステークに参加する人、利息で稼ぐ人)にとっては良いニュースです。
イーサリアムチームは、マージ(イーサリアム2.0への移行イベント)は2022年の第1四半期か第2四半期に完了するだろうと言っています。そうなれば、もっとエコフレンドリーになるし、ステークをする人にとっても技術的バリアが低くなります。分散化も進むし、セキュリティーも改善します。

注/プルーフオブワークは、優れたコンピュータを何台も用意して、「ヨーイ、ドン!」で計算クイズを解くという、早い者勝ち方式であるため、それで報酬が得られるので、あたかも、ゴールドラッシュのときに我先にと金を掘ろうとした様子に似ている。それで、マイニングと呼ばれる。それに対して、プルーフオブステークは、補償金のようなもの(そのネットワークのネイティブトークン)を大量に預けて、それで順番を与えてもらう、というやり方なので、マイニングとは呼ばず、ミンティング、フォージング(いずれも、鋳造するという意味)という。TAW的に考えておもしろいのは、マイニングはまだ、現環境のエネルギー消費という、価値の裏付け理由があるが、ミンティングにはほとんどそのような理由がないまま、別次元に価値が生み出されているということ。思考とお金が実は同じ、ということがこのような点から理解できる。つまり、思考が向くと、そこにいつの間にか価値が生まれているということ。

注/イーサリアムのマイニングのエネルギー消費が、いまや一国のエネルギー消費の量に匹敵する、というのは驚くべきこと。ETHはそれをやめたが、BTCはいまださらなる大量のエネルギー消費を続けている。EV車で脱炭素、などと言っている場合ではなく、ブロックチェーンをやめたほうがいい、という意見が出そうな状態。ちなみに、中国はこのマイニングを2021年に禁止した。そのため、米国でマイニングをする人たちが増えたという。そのため、規制が必要だという意見が出ている。今年の冬は、あちこちで電気が足りなくなっているので、BTCの風当たりが強くなると思われる。BTCが今後どうなるかが決まるだろう。



一方、ソラナもセキュリティーの問題を抱えています。最近、ソラナはD-Dos攻撃を受け、サービスが中断しました。ソラナにとって、この手の攻撃は初めてのことではありません。
ソラナネットワークに繰り返し攻撃があるなら、プルーフオブヒストリーのプロトコルに重大な欠陥があるということになるかもしれません。これはソラナが(トリレンマを無視して)スピードを重視してセキュリティーを犠牲にした結果でしょうか?
プルーフオブヒストリーは、結果論的にブロックをつくりますが、それが攻撃のたやすさにもなっています。Solanaは決定論的であるため、攻撃者は次のブロック生成者(バリデーター、トランザクションを承認する人)を予測し、選び取ることができるため、簡単に攻撃される可能性を残しています。

注/ブロックチェーンにはトリレンマ問題というのがある。安全性、スケラビリティー、分散化の3つのうち、2つしか選べないということ。つまり、ひとつが犠牲になるということ。BTCは、3つのうちスケーラビリティを犠牲にしている。この記事ではソラナは安全性を犠牲にしていると言っている。XRP(リップル)は、分散化を犠牲にしている。TAW的には、「地位と自由と保護は一度に全部選べない」というのに似ている。

注/D-Dos攻撃とは、同じメールを先方に機械的に大量に送り付けること。プログラムが簡単なため、企業のお問い合わせのメルアドに向けて、嫌がらせをしたい人が使う手。最近では、アノニマスというハッカー集団がロシアをこれで攻撃した。何かが生まれるときの世界は、混乱が激しいので、このような西部劇のような無法者が現れる。


需要と供給の点はどうでしょうか?コインマーケットキャップによれば、ソラナのネイティブトークンであるソルは、総供給量は5億1060万ソルで、そのうち3億1100万ドルがすでに市場で流通しています。ソラナは委任型プルーフオブステークのアルゴリズムの中にデフレの仕組みが組み込まれています。トークン所有者はトランザクションを検証するよう奨励されます。その結果、ソルの中で支払われた手数料もまたバーンされます。つまり、総供給量はだんだんと減っていくということです。

注/バーンとは、トークンを削減すること。元の意味は「燃やす」ということ。なにしろ、トークンはもともと価値基盤のない通貨なので、幾らでも湧くように生み出せる。すると、それはインフレとなり、価値がそのうちに暴落する。それを避けるために、トークンの発行量を制限して、価値を保とうとするために、バーンが必要になる。しかし、BTCはもともと発行量が決まっているため、バーンの必要はない。新しく発行されるトークンに注目するときには、発行量や、バーンが組み込まれているかなどを見ること。

(つづく)(8:17)


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