イーサリアム対ソラナの比較で、Web3の未来を想像しよう3

最終回です。

新しい世界を理解すると、未来が見えてきます!

(この動画は2022/01/18 のですので、数字は古いです)

最近、ソラナは本当の分散型とは言えないと非難されました。その理由は、19人のバリデーターが総ステーク量の33%以上をコントロールしているからです。理論的には、彼らが結託すれば、ネットワーク全体を検閲し、停止させることも可能です。
また、イーサリアムに比べれば、ソラナはまだバリデーターの数が1142と少ないです。対するイーサリアムのバリデータ数は200,121です。

注/分散型というのにもいろいろ意味があり、台帳が分散型なのか、運営者が分散型なのか、利益が分散型なのか、その記事を書く人によって、ポイントが違います。たとえば、DAO(分散型組織)は、運営者が分散型であることが一番重要ですが、BTCのような暗号資産は台帳が分散型であるのが重要でしょう。チンピラザルにとっては、利益が分散型なのが重要のようです。これは「俺にもよこせ」の心理が混ざっているためです。しかし、表向きはそう書かれていないので、注意です。
そもそも、利益も分散していたら、開発者はどういう動機で開発するのでしょうか? ちなみに、イーサリアムの開発者、ヴィタリック・ブテリンは、2021年のデータでは、33万3348イーサリアムを保有しています。現在のレートで換算すると約5億ドル(700億円)となります。
リップル(XRP)は、国際送金を目的につくられた暗号資産なので、リップル社が管理しています。つまり、分散型運営ではありません。それだからこそ、各銀行が信頼して使っています。

イーサリアムの場合、もともと、ビットコインやドージコインのように主に支払いの手段として意図されたものではなく、次第に希少さを創り出す手段が組み込まれていません。イーサリアムのトークン、イーサには総供給量の上限がなく、一年間にリリースされるトークン量が8000万(枚)と決められています。これは、トークンの価値に悪い影響を与える供給過多を創り出すことなく、ネットワークの運用をサポートするのに十分な量です。

注/ドージコインは、ミームコインと呼ばれるタイプのコイン。ミームコインとは、遊び心でつくったコインのこと。ドージとは犬コロというような意味で、同じタイプでシバイヌというコインもあります。これらは人気や感情によって価格が動くうえ、発行上限がないものが多いので、本当の価値があるコインとは言い難いですが、イーロン・マスクがドージやシバイヌを応援しているために、高い人気が出ています。
本来の目的や機能がなく、投機や話のタネにしかならないので、TAW的にはおすすめしません。でも、「かわいいと言われたい」という末っ子心理には合うものがあるでしょう。




さて、ソラナとイーサリアムは、どちらが優れているのでしょうか。
より初期のスマートチェーンの足かせとなるものは、どのようにトランザクションがバリデート(承認)されるかです。イーサリアムのようにチェーン上でマイナーかバリデータかが互いにやり取りするのは面倒で、ほとんどのDeFi プロジェクトで要求される多量のトランザクションを処理するのを妨げます。ソラナの暗号化時間スタンプのコンセンサスアルゴリズムは、この問題を解決したかもしれません。実際65000件/秒のトランザクションを可能にするならば、他のどのブロックチェーン、あるいは伝統的な金融システム(Visaのような)よりも速いです。簡単に言うと、ソラナはスピーディーな送金と手数料で優っており、イーサリアムはセキュリティーと分散化で優っています。しかし、イーサリアムは最近さらにユースケースを増やしています。Solanaは高速かつ低トランザクションコストですが、最近のD-Dos攻撃で明らかになったように、その代償は大きいです。
(どちらが優れているかを見る)もう一つの指標は、各ブロックチェーンのプロトコルにロックされた価値の総額です。DeFiのLlamaによると、イーサリアムのロックされている額は1450億ドルで、ソラナは95.9億ドルです。これはクジラ(大口投資家)たちがイーサリアムのDAppに投資しているように見えます。
もしネットワークの能力がイーサリアムに追いつけば、ユーザーや投資家はソラナに注意を向けるかもしれません。

ブロックチェーンは、BTCから始まり、イーサリアムで一段階進化しました。しかし、これらの分散型台帳という方式は、みんなで全データを保持したり、マイナーまたはバリデーター(取引を承認する人)がみんなでやり取りしたりするという、無駄に思えるシステムがあります。
そのため、手数料が高くなったり、スピードが遅くなったりします。ソラナなどのイーサリアム・キラーは、それらを解決しようとしていますが、なかなかスムーズには解決できない様子が、この動画の内容からうかがえます。

もう一つの問題は、ブロックチェーンのシステムそのものです。これは、各ノード(承認のためにコンピューターを動かしている人)が、それぞれ全データを保持するシステムです。それで、「分散型台帳」というシステムになっています。
今はまだ、全データを保持しても大した量ではないのですが、トランザクションが増え、またNFTがもっと発達すれば、NFTの画像データをブロックチェーンに収めるというニーズも出てきます(今、一部がそうなっている)。そのため、未来に行けば行くほど、データ量が指数関数的に増えると考えられます。これを全ノードが全データを保持するのは無理があると思われます。
それを解決する新しいブロックチェーン…ではない、新しい分散型台帳システムが登場していますので、次回は、それについて調べて、まとめたいと思います。


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