ブロックチェーンはもう古い? 新技術DAGのIOTAとは



以下がこの動画の内容になります。

(インデント部分は、私の注意書きです。文中()も私の解説部分)

英語とWeb3勉強中の身ですので、多少の誤訳はご容赦ください。

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ビットコインの手数料は平均7ドルで、イーサリアムは平均3ドルですが、ネットワークが混雑しているときに11ドルになることもあります。これはコンビニでコーヒーやガムを買うのには不都合です。もし、手数料のかからない暗号通貨があるとしたらどうなるでしょうか。いくらでも自由に送金・入金できるとしたら?

IOTAは、100%、トランザクションを無料で提供するクリプトです。IOTAはInternet of Things Appricationの略と言う人もいます。IoTとは、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機、セキュリティーシステムなどのたくさんの電化製品、腕時計から電気ブレーカーまでがインターネットに接続されているというものです。実際には、IOTAはギリシャ語の9番目の文字にちなんでつけられました。最小を表す言葉ですが、小さなトランザクションやデータの記帳を無料で行うことに役立ちます。

もともと、イーサリアムのスマートコントラクトは、IoTに使えることを期待されていたが、実際には、手数料が高すぎて、とても使える状態にない。今、この欠点を解消するために、イーサリアムはバージョンアップを計画しているが…。そもそも、データ保存の問題もある。それは、後で記事に出てきます。

IOTAはブロックチェーンではありません。DAGと呼ばれるものです。
DAGとは、ブロックチェーンに似ていますが、より速く、処理能力が高いです。次世代の革命的ブロックチェーンテクノロジーです。DAGとはDirected Acyclic Graphの略です。
ここでは簡単に説明しましょう。まず用語です。ノードと呼ばれるボックスがあり、各ノードは基本的にひとつのトランザクションを処理します。そして、ノードを接続する線はエッジとかアークと呼ばれています。Directed というのは、グラフが方向性を持っているということを意味しています。Acyclicとは、グラフがいつも一方向に向いているということ、つまり、ループしないということです。

各ノードは、少なくとも2つの過去のノードとつながっていますが、最大は8までです。もし、一つのノードが少なくとも2つの次のノード(時間的にあとのトランザクション)とつながったら、そのトランザクションは決定(承認)されます。(DAGではない)ブロックチェーンにおいては、承認されるまでに10から35くらいのブロックが生成されるのを待たなければいけませんが、DAGにおいては、たった2つのあとのトランザクションがつながれば、承認されます。

特筆すべきことは、多くの人が使えば使うほど、トランザクションが速くなるということです。というのも、そのほうが、あなたのトランザクションとつながる2つのあとのトランザクションが速くみつかるからです。これは、たくさんの人が使えば手数料が高くなるというブロックチェーンとは異なります。

これは画期的。今後、スマートコントラクトがどんどん普及すれば、トランザクションは膨大になるので、イーサリアムが改善されても、そのせいでより多く使われれば、どのみちスピードは遅くなるということ。アイオタは、この問題をすでに解決しているということ。

ところで、IOTAがDAGで創り出すものをタングルと呼びます。プルーフオブワークでもプルーフオブステークでもありません。IOTAはタングル内のすべてのトランザクションの承認に至るテクノロジー、DAGを使ってやります。タングルは1秒間に千件のトランザクションを処理します。ビットコインやイーサリアムより多いですね。

もう一つ言っておくべきことは、マイナーがいないし、手数料もないということです。

でも、報酬がないなら、そのネットワークに参加するなんて(ノードになるなんて)したくないよね、と思うかもしれません。あなたがトランザクションをするとき、それは実際には、DAGにそのトランザクションを載せているのです。つまり、マイナーやバリデーター(プルーフオブステークで承認する人のこと)とか、誰かがあなたのアイオタコインをいじっくっているのではなくて、あなた自身が秘密鍵や非対称暗号化を使ってやっています。ある種のプロトコルに従う限り、誰でも自分のトランザクションをタングルに加えることができるのです。

マイナーやバリデーターがいないというのも画期的。
本来無駄なマイニングという作業や、資金を大量に持つ一部の人だけができるバリデーターがいないことこそ、分散型と言えるだろう。

IOTAには「コーディネーター」と呼ばれるまぎらわしい存在もいて、中央集権的ですが、それは、マイナーやバリデーターのかわりにセキュリティーを守っています。将来的には、このコーディネーターは別のものに変えてもっと分散型にする計画を練っています。

アイオタはセキュリティーに問題があり、それを解消するために一時的な対処のためにコーディネーターを置いた。アイオタのセキュリティーは、今まだトランザクションが少ないために生じていて、これが多くなるとセキュリティーは逆に強化されるので、そのときには、コーディネーターは必要なくなる。

手数料がないというIOTAの一番有益な使い方は、毎日の大量の小さなトランザクションを可能にします。たとえば、1ドルのコーヒーを買うときや、あなたが今日何時間働いたかということに従って毎日給料をもらう支払い方法として使えます。もし手数料がないなら、雇用者は技術的にはこれができるし、支払いも速いでしょう。

次はスマートコントラクトです。いまのところ、IOTAのメインDAG上には、スマートコントラクトは実装されていません。しかし、IOTAは、レイヤー2のソリューションとして、スマートコントラクトを実装する計画を持っています。そして2つの層の間のブリッジをつくっています。
今はテストネットしかありませんが、スマートコントラクトが開始されると、それはEVM(Etherium Virtual Machine)なので、これが実装されるとイーサリアム上で動いているどんなものともIOTAのネットワークで動くということになります。このレイヤー2の処理モデルは、オフタングルと呼ばれます。ほかでは(一般的ブロックチェーンでは)オフチェーンと呼ばれているものにあたります。

これは意外。アイオタはIoTにぴったりなのに、スマートコントラクトがない? 
それをこれからレイヤー2で実装するとのこと。これはつまり、イーサリアムが、手数料を安くするポリゴンをレイヤー2に持っている(ポリゴンが勝手にくっついた)のと、逆の構造。ただし、イーサとポリゴンは別の組織がつくったものだが、アイオタはレイヤー2も自分でつくるということ。

とにかく、IOTAのレイヤー2は、トークン、分散型アプリケーション、NFTなどを持つことになるでしょう。イーサリアムと同じような利便性になります。
でも、無料ならば、どうやってスパムを排除できるでしょうか?

IOTAは現在Congestion Control Algorithmという優秀な技術を使っているとブログで言っています。これはDAG上のCongestion Control Algorithmで最初の非プルーフオブワークだと彼らは言っています。これはちょっと複雑で、ブラックリストとかノードモデルとか、スケジューラーとか、加算増加乗算減少アルゴリズムなどという言葉を使っています。これらを説明しようとしたら、別の動画になるかと思いますが、みんなが知りたいかどうかはわかりません。

それに、アイオタは、将来、マナと呼ばれるものに依存するでしょう。マナは、アイオタのネイティブトークン(MIOTAのことか?)を保有することで稼げる仮想トークンです。
いつか、コーディネーターが取り除かれて、アイオタはプルーフオブステークに近いものにスイッチするでしょう。でも、承認するときに、コインを預ける(ステークする)必要はありません。その代わりに、あなたがコインを長く預ければ預けるほど、あなたはマナを使って自分のトランザクションを優先させることができます。もし、ネットワークが混雑していなければ、マナは必要ありません。でも、もし混雑していたら、アイオタをたくさん持っていて、それをしばらくのあいだ預けてマナを稼いだ人は、優先権を持つということです。

タングルのおもしろいところは、すべてのトランザクションの写しを持たなくていいことです。たとえば、BTCやイーサリアムでノードになろうとしたら、つまり、ブロックチェーンに加わろうとしたら、そのネットワークの全データの写しを持たなくてはいけません
BTCなら350ギガバイト、イーサリアムなら280ギガバイトです。それは毎日増加します。タングルに加わろうとしたら、あなたは全データを持つ必要はありません。あなたがつながっている数個のノードを加えればいいだけです。

ここがまた画期的。ブロックチェーンの場合、全データをノードが保存するので、データが増えればいったいどうするんだ、といつも思ってしまう。この解決には、他のソリューションもあり、それがFILEなどの分散型クラウドのやりかた。アイオタは、そもそも全部持たなくていいでしょう?という考え。これは将来性が高いだろう。
ちなみに、BTCやETHがこのようなシステムなので、NFTも画像のデータを記録しているのではなく、そのファイルのURLを記録しているだけ。最近はドット絵(データ量が小さい)などの例外が出てきている。

最後にトークノミクス(トークンの特性分析)について話します。アイオタは、テラアイオタ、ギガアイオタ、メガアイオタ、キロアイオタ、アイオタという変な名前を持っています。「アイオタ」までがネットワークで使われるコインですが、トランザクションには必要ありません。つまり、ビットコインやイーサリアムのようにインフラで使われることで自然に需要が高まるということがないということです。27億7900万枚のアイオタが発行されているため、2.779 x 10^15は、最大数のサトシ(注/BTCの最小単位がサトシ。BTCは小数点8桁まで数える)とほぼ同じですが、すべてのアイオタコインはICOで全部売られており、約50万ドルを調達しました。今のところインフレは予定されていませんが、ウオレットの秘密鍵をなくしたとかの理由で、ほんの少し減ることはあるでしょうから、かすかにデフレになるでしょう。

前半はなにを言っているかというと、普通のコインはBTCのように、小数点8ケタまでで表されるが、アイオタは小数点以下を使わず、整数で表されると言いたいのだと思う。枚数はほぼ同じになると言いたい。それだけ、1アイオタの価値が小さいということだろう。

ところで、調べてみると、出回っているコインの50%以上が、30のウォレットにあります。これは大きな疑問です。ディスコード(公式SNS)によると、取引所に多くのコインがあり、UTXO(コインの管理の方法の一つ)を使っているということです。早い話、一つの秘密鍵で多くのウォレットを持つことができることを意味します。

結論を言うと、アイオタのネイティブトークン、MIOTAは、あまり価値が高くならないだろう…。トランザクションの優先権が、どれだけ魅力なのかはまだわからず。
でも、応援したいので買う、というのはいいかも。
実際、自動車メーカー、マイクロソフト、富士通などたくさんの大手の企業が、OITAと提携しています。

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アイオタについては、こちらの記事もどうぞ。
https://coinpost.jp/?p=5096

注/この記事内で言うプルーフオブワークとは、BTCなどで行われている、条件通りのハッシュ値を競争してみつけるというものではなく、たんに、ハッシュ値を出して、データを固定する、というものではないかと思われます。アイオタは一般的なプルーフオブワークではないので。


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