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作業中の集中力を超えて「おっ」となった曲10選7月1週

毎週更新でおなじみ音楽紹介note第4回です。前回ちょっとマジメに書きすぎた反省があるので今回は『梅雨を吹き飛ばせ!言語野消滅SP!』といった趣で元気が出るポップなやつ多目でやっていきます。というわけで死ぬほど忙しかった時期を支えてくれた7月1週に集中力を突き抜けてきた10曲です。滅ぼせ!梅雨!

■Ice Cream and Sunscreen/Martha

衝撃的にカッコいいっす。馬鹿みたいに繰り返し聴き過ぎてもはや客観的に言語化できる気がしないので最初に聴いたときの感情の流れを再現しようと思います。以下、時系列に沿った感情の流れです。聞きながらお付き合い下さい。

・曲スタート~0:15 「おっ何か名曲の気配がする…」
・0:15~0:30 「ボーカルのメロディセンスめっちゃ良いな…」
・0:30~1:00 「すげぇ良い歌だな…でもこれアレか?アルバムの合間にあるちょっとした箸休め的な弾き語りみたいなやつか…?いやぁこっから一気にドーンと爆発してくれないかなぁ…もし爆発してくれたら俺泣いちゃうかもしれない…あ…曲が終わりそう…やだ…頼む…爆発してくれ…爆発こい…頼む…」
・1:00~1:05 「あっギターのハウリングが入ってきた…てことは…!?」
・1:05~1:35 「やっっっったぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!!うわぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!カッコいぃぃいいい!!!!!!」
1:35~曲終わり 「あっ❤あっ❤あっ❤あっ❤あっ❤あっ❤あぁあ~❤❤❤❤❤」
曲終わり~ 「今のは何だったんだ…夢か…もう一回聴こう…」冒頭に戻る

いや最高です。静かな歌いだしから一気にドーン!というよくある曲といえばまぁそうなんですけど、とにかく歌メロが良過ぎる。「グッドメロディで殴るとロックファンは泣きながら嬉しそうに死ぬ」という基本原則に則った完璧な一曲だと思います。ライブでやられたら間違いなく満面の笑みで号泣しながら踊り狂うやつですね。2分で終わるのも最高。個人的に完璧な一曲です。こういう瞬間の為に生きてるんです。

■Fun Sunday/The Proctors

これまた最高のポップソングです。以前の記事でAlpaca SportsのSummer Daysというあまりに良すぎて逆に引く名曲を紹介しましたが負けず劣らずのポップセンスです。何が凄いって何一つ音楽的には新しいことをしてないんです。王道も王道のソングライティング。なのに純粋に「曲が良い」の一点で突き抜けてる。こんな魔法みたいなポップソングがこの世にはまだまだ沢山あるんだと思うとやっぱり音楽ファンやめられませんよね。この曲聴きながら海沿いをドライブしたら絶対気持ち良い。

■Sag es erst morgen/Friedrich Sunlight

さらに最高のポップソングです。今回の記事はポップ地獄です。梅雨なので。
日系ドイツ人Kenji Kitaham率いるFriedrich Sunlightの今月リリースの2ndアルバムのリードトラックです。モータウンやソフトロック、ネオアコといった過去の優れた音楽を俯瞰して美味しい所だけを今の感性で再構築したようなまさにポップミュージックとしか言い様がない最高の1曲です。無駄な音が一音もない上品でタイトな演奏と風通しの良いミックス含めて「最高のポップスを作る」以外の邪念が一切ない聴いてて清々しい気持ちにしてくれるキラキラした大傑作だと思います。

■Sixteen Minutes/Tribe Friday

小気味良いイントロのギターカッティングから掠れ声がたまらないボーカルの歌い出しで好きな人は100%好きな「いかにも」な一曲です。この手のバンドは探せば無限にいるのでやってる側も他との差別化が難しいとは思うんですけど0:28から始まるコーラスを聴いて一安心。メインのメロディといいハモりといいベースのドライブ感といいサビを彩るグロッケンの音色の丁度良さといい完全に「書ける人」の仕事です。演奏もタイトですね。ツアーも結構色んな所を回り始めてるようですし、ちょっとセンスの良い新人という枠をさっさと飛び越えて大きいバンドになるポテンシャルを感じます。世界的にバンド不毛の時代ですけど売れて欲しいですね。

■Harmony Hall/Vampire Weekend 

最初に聴いたときこれまたずいぶんオーセンティックな曲を出してきたなと思ったのですが歌詞を見て納得。

Anger wants a voice, voices wanna sing
怒りは声を求める/声は歌いたがる
Singers harmonize
歌声は響きあう
Till they can't hear anything
連中が何も聞こえなくなるまで

今の分断社会はまるで「ハーモニーホール」だと激烈に皮肉ったこの歌詞をこんなに祝祭感あふれるポジティブで豊かな楽曲に乗せて、さらに言えばバキバキの低音とボーカルがハッキリと「分離」したサウンドが主流のマーケットの中でこんなに音が密接に混ざり合うミックスをしている所に彼らの知性とユーモアと諦念と希望が込められてるようでやっぱり偉大なバンドだなと再確認するわけであります。

多分、この曲の全ての音が聞き取れるようになった頃が梅雨明けなのでしょう

■Yeah, Tonight/Gold-Bears

Black Tambourineが云々的なインディロックの文脈的面白さはググると無限に出てくるので専門家に任せます。個人的にこの手のインディロックの何が好きって「良い意味で雑」という点でして。聴いてくださいよこのドラム。ダツ!ダツ!ダツ!ダツ!ってめっちゃ楽しそうじゃないですか?ここには子供が好きなだけ具をぶっこんでガタガタのおにぎりを無限に握る的な自由と喜びがある気がします。これライブで1曲目にいきなりやられたらクソ盛り上がるだろうな…なんて妄想するのも楽しいですね。VS梅雨の憂鬱にぴったりな可愛くて元気が出る一曲だと思います。

■Kick It/The Royal Concept 

カッコいい…いや…ダサ…いやカッコいい!!Arctic Monkeysの2ndアルバムに氣志團を足しましたみたいな一歩間違ったらクソダサいことになりそうなギリギリを成立させてて凄いと思います。スウェーデンで大人気のバンドだそうですがこの絶妙にむさ苦しいイケメンルックスに仰々しいバンド名も相まって強バンドとしての存在感があってとても良いです。これが音楽性だけではない「バンド」という形態の良さですね。曲の最後の方で今時あんまり聴かないタイプのギターソロが入ってきた瞬間に笑いましたけどそういう所含めてすごくキュートで「何かわかんないけどこいつら好き」ってなります。この動画はライブ版なんですけど音源にある「いやそこ削ったらダメでしょ」っていうイントロをざっくりカットしてる判断も雑で可愛いと思います。

■accident!!/acd

“三人は知り合ってもう長くなる。それぞれのパートがギター、ベース、ドラムだなんてもはやアクシデント。2016年、彼女達はバンドをやることにした”

このバンド紹介文の時点でもうだいぶ好きなんですけど鬼ざっくり紹介すると元ハヌマーンとか元ecosystemとかバンドファンなら名前は知ってるであろうバンドのメンバーだった日本人女性3人が色々あったりなかったりしてまたバンドをやりはじめたという話だそうです。

最初にこの曲を聴いたとき「うわ!めっちゃ好き勝手やってるのにちゃんと形になってる!なんだこの新人!?ヤバ…」ってビックリしたんですけどインタビューなどで背景を知って納得。他の曲もクソかっこいいんですけどとにかくこの曲が最高です。イントロのグチャグチャっとしたセッションから一気に曲に持っていく高揚感~死ぬほどキャッチーなフックが終わるまでの53秒で完全にやられました。3ピースバンドであることの旨味が最大限出てると思います。隙間とダイナミズム。

ツイッターでもちょっと書いたんですけど「一度売れてメジャーまで行って解散して音楽を辞めた腕利きのミュージシャンが久しぶりに軽いノリでバンド組んだらめっちゃ楽しかった勢いで生まれた曲」って初期衝動と技術と人生経験がいい感じに折り合い取れててすごく魅力的なんですよね。アウトプットに贅肉がないというか「これでいいっしょ」ってシンプルに出せる潔さは一回目の人生では中々手に入らないものだと思うので彼女達が今後どういう曲を作るのか楽しみにしています。

■Open Arms/The Garlands

少し不思議な感じのするコード感と軽快な高速ビートの上で囁くように歌う女性ボーカルがクセになる曲です。バンドメンバーがカーディガン着てそうな感がすごい(偏見)いかにも北欧のギターポップといった趣ですがフックの「パッパラ~(聴き取れない…)」が麻薬的に耳に残るので繰り返し聴いています。Czecho No Republicとか好きな人は好きかも。この手のインディポップにしては演奏がやたら上手くて音がカッチリしてるのも面白いです。無意識に口ずさむ率やばい系の良曲。

■Choo Choo/Mac DeMarco

チューチュー。みんな大好き脱力系SSWマック・デマルコさんです。聴いて1秒で好きか否かが判断がつく最高の曲です。チューチュー。勿論僕は大好きです。チューチュー。1:15辺りでチャイナシンバルがズシャーンって鳴ったところで爆笑しました。
死ぬほどクールですね。チューチュー。音楽的なIQの高さを嫌味なく自然体で出せるこういうミュージシャンは貴重な存在だと思います。チューチュー。

■The Forgetting Of Names And Faces/Annabel

あんまりこのnoteでは触れてこなかったエモ寄りのバンドの9年前の曲です。
「なぜ今更そんな曲を…?」と思った方はこのnoteのタイトルを思い出してください。
youtubeで適当なラジオを流してたら耳に入ってきたんですけど、この曲まぁカッコいいことカッコいいこと。カタログ的には一応エモバンドの括りに入るらしいんですけどシューゲイズ~インディロック的な要素もあって聴きやすく、何より歌メロの「グっと来る感」が異常です(だからエモなのですが…)メインのコーラスに入るまでの振絞るようなボーカルの時点で相当にグッと来てるんですけど1:26からの「カモーン!カモーン!」でもう涙腺決壊です。クソ熱い。地球が敵に襲われてピンチになって爆弾を抱えて突っ込まなきゃならなくなったときは絶対この曲聴いて突っ込みます。聴いてるとなんでも出来る気がしてくる最高のブーストソングです。あえて言いましょう。エモい。

■Resolver/Night Flowers

『トゥールットゥルッ、トゥールットゥルッ、トゥールットゥルッ、トゥールルルール』が全てであり他に言うことないやつです。以前にツイッターで紹介したThe Perfect Kissの「At The End Of The Rainbow」っていう曲もそうなんですけどこういう声が綺麗で熱量控えめの女性ボーカルにキャッチーなメロディ歌われるとダメです。好きになっちゃう。好き。これも気づいたら口ずさんでる率やばい曲ですね。可愛い。

■At Arkaroo Rock/The Steinbecks

今回の記事のエンディングテーマです。めちゃくちゃ渋い。聴いてる最中はそうでもないけど聴き終わるともう一回聴きたくなる謎の中毒性があります。
このタイプの曲が世界のメインストリートで流行ることは永遠にないとは思いますがこういうメロウでダラっとした音楽を聴きながら梅雨空を眺めるのもまた一興。
梅雨と戦おうとしたのがそもそも間違いだったんだ…自然は友達…雨は恵み…
ラ~ラ~ラ~ラ~…ダ~ラッタタラ~…

…というわけで7月1週の10曲でした。13曲ありますがまぁ10も13も数字という大きい括りでは同じでしょう。梅雨なので数が数えられないんです。
なるべくポップで聴いて元気が出る曲を集めたつもりでしたがどうでしょうか?
正直最近死ぬほど忙しくてあんまり音楽を聴く時間が取れなかったんですけど
やっぱり自分好みの音楽が見つかった瞬間の「やったー!!!!」感は何物にも変えがたい感動とエネルギーが生まれると思うので読んで頂いた方の中に1曲でも何か響くものがあれば良いなと思います。梅雨、みんなで破壊しましょう。
ではではまた次の記事でお会いできたら幸いです。じゃあねー

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