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ここにいない人なんていない。

コロナでできなくなって
3年越し、4年越しという嬉しいイベント。
結婚式もその一つです。

20年以上、
当たり前のように司会をしていた時には気づくことのできなかった結婚式の素晴らしさ。
感覚が一回リセットされたからなのか、
毎回たくさんの素敵に気づきます。

共にお父様が他界されていた新郎新婦。
気づくと新郎のお父様の写真立てが新婦側のご家族の席にありました。
新婦のお父様の写真立てと並べて、笑顔で写真を撮る両家のご家族。

お父様が今日いらしたらどんなに喜んでいらっしゃるだろう、
と思いかけて、いやいやそうではない、と思い直します。
結婚式に関わる私たちは知っています。
お父様はいらっしゃいます。
今日、この会場に。

いやいやそれも間違い。
今日「も」一緒に。

リハーサルの時、
新婦に手を差し伸べた新郎の指先が少し震えていて、
そこに手を重ねた新婦がにこっと笑ったこと。
その笑顔が、新婦が誰よりも尊敬するお母様にそっくりだったこと。

プロフィールビデオのファーストカット、
小さな赤ちゃんの新郎の写真を見て
思わず立ち上り背伸びをして見入っていたお母さま。
その後画面の中の新郎が大人になるまでの数分、
ずっと地面から数センチ上がっていたお母さまの草履。

大切な人は、いつもそばにいる。
ずっと一緒にいる。

わたしはこの仕事が大好きで、
きっとこれからも続けていくんだろうけど、
あの瞬間を見ることができたから、
今日の司会が最後になっても
全く、全く後悔はないわ、うん。
完璧な一日。



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