その日が「お日柄もよく」。
ご家族や親しい親戚だけの披露の席。
子どもたちの元気な声がずっと聞こえています。
乾杯の音頭を我が子たちにとってほしい、
新郎新婦はそう考えました。
しっかり者のいとこのお姉ちゃんのリードで
ステージに並んだ子どもたち。
「かんぱ~い」の言葉はもちろん揃うはずもなく、
それでも、
いやそれこそが
最高に愛らしく笑顔あふれる乾杯になりました。
結婚をしたタイミングでするのが結婚式って誰が決めたんだろう。
そう思わずにはいられない温かい時間。
子どもたちを授かって親の気持ちを知り、
今、親の気持ちを味わっているお2人が
新郎新婦として
お父様お母様の子どもとして
花束を贈るその後ろ姿は
本当に素敵。
結びのごあいさつで
もしかしたらご本人も覚えていなかったのかもしれない
子どもの頃の小さなエピソードを話してくださった新婦のお父様。
小さかった娘さんのその時の顔をはっきりと思い出されたのか、
言葉がつまり息が震えた瞬間。
驚いたようにお父様を見て
ふわっと優しく微笑みながら涙を流した新婦は、
娘で、だけどお母さんです。
そんな素敵な女性の隣で
ぐいっと大きな手で涙をぬぐった新郎は
ステージに上がるお母様に
当たり前のように手を差し出しエスコートした、
これまた最高の息子であり、お父さんでもあります。
私たちはみんな
誰かの子どもなんだなあ、と
当たり前で最高に素敵なことに気づかせてくれる。
世界は誰かの子どもでできている。
子どもたちの笑い声や飛び跳ねる姿、
ふわっとゆれるおそろいのリボン。
おばあちゃまの腕の中で安心して眠っている小さなドレスの背中。
結婚式って、いつやっても
その時がベストタイミングなんだと思う。
私はこの仕事が好きで、
これからもきっと続けていくんだろうけど、
今日の司会が最後になっても、
全く、全く後悔はないわ、うん。
そんな完璧な一日。