心臓血管外科手術記録 2020/11/09

粥状硬化性腎動脈疾患(ARAD)の77歳女性に対するYーgrafting

元々急性腎障害の精査のエコーでAAAを指摘され紹介。Cre2.5、eGFR20程度であり透析をしながら造影CTを撮影、腎動脈下に50mmのemptyのAAAと、右腎動脈閉塞、SMA閉塞、左腎動脈高度狭窄を認めた。右腎は萎縮しており、左腎は相対的に腫大していた。

こちらに関してはまず左腎動脈狭窄に対してPTRAを施行、expressSD 6mm*14mmを挿入したところ、尿量増加を認め、Cre1.0まで回復した。また術前よりうっ血性心不全、肺水腫を認めていたが、尿量の増加に伴いこちらも改善した。

AAAに関してはSMAが閉塞しており、開腹人工血管置換+IMA再建の方針とした。腹部正中切開、後腹膜を切開して動脈瘤を確認、IMAはCT通り相対的に拡張していた。中枢末梢をテーピングして大動脈遮断、18*11mmのJgraftを吻合(中枢4−0BB、帯フェルト使用。末梢5−0)最後にIMAをcarrel patchの如く大動脈壁を残してcutし、6−0で人工血管に吻合した。型どおり後腹膜を閉鎖、閉腹して終了。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?