心臓血管外科手術記録 2020/12/16

PAD急性増悪に対する左総腸骨動脈(CIA)、左浅大腿動脈(SFA)ステントグラフト

67歳男性、1ヶ月前から徐々に進行する左下肢痛、痺れで救急搬送。造影CTでLtCIA、SFAの完全閉塞を認めた。EIA、POPA以下は造影効果があり、またDダイマーも正常であったためPAD急性増悪と診断。ヘパリンとPG製剤で症状が改善したためDM(来院時a1c11!!)の強化インスリン療法後に治療を計画した。

全身麻酔導入、左大腿動脈(CFA)、SFA,大腿深動脈(DFA)を露出。それぞれテーピングしておいた。まずはCFA下端に5−0で巾着縫合をかけ、上に向かって8Frシースを挿入、CIAの閉塞部を35gwが通過、4Frグライドキャスも問題なく通過したため、造影。IVUSで血管径と長さを確認しOmniLink10mm*39mmをCIAギリギリから留置、postかけずIIAの開存を確認した。

次いで左SFAの治療を行った。CFA上端にタバコをかけ、腹部の皮膚を貫いてCFA上端から穿刺、gwがSFAに上手く入らなかったが、DFAを遮断してなんとか入った。そのままシースのインサーターを入れてSFAにシースを入れ、35gw+グライドキャスでナックル形状で閉塞部を通過、程なくSFA末梢まで通過しPOPまで進み真腔に開口した。グライドキャス経由で18のV1gwに変更しIVUSで血管径を測定したところ5−6mm出会ったためpreは5mm*20cmバルーンをを選択、SFA全体的に拡張した。造影及びIVUSで血管径を測定して、治療長は30cmであり、preで6−7mmまで拡張できたためViabahnは6mm25cm+7mm10cmを選択した。1つずつ挿入してpostをかけた。CFAまでシースを抜いてSFAギリギリもpreをかけてから7mm10cmをおいた。最終造影ではきれいな形で留置できた。シースを抜去して洗浄して創部閉鎖。

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