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なぜ私は宗教にはまってしまったのか③【JW】

こんにちは。
エホバの証人という宗教組織へ入信していく過程を
私自身の経験をもとに綴っております。

本日は、
入信への3つめの段階
「伝道」について解説します。

聖書レッスンをして、集会にある程度行き始めて
しばらく経つと、
今度は「伝道者」にならないか
という誘いがあります。

エホバの証人が戸別に家を訪ねて宣教を行うというのは
知っている方も多いと思います。
この宣教活動ですが、
体調不良者を除いて、基本的にすべての信者が行うことを
義務付けられています。

見習いの数年間だけ、というわけではなく
「伝道者」になったその日から、
永遠に、死ぬまで
宣教する義務が課されます。


きっとこの宗教に関わりのない方にとっては、
「どうしてそのような苦行を自ら行うのだろう?」
と思われるかもしれません。


その答えは
彼らの宣教する動機に焦点を当てることで見えてきます。

動機①「神のご意志を行っている」

これが公式見解であり、
周りにエホバの証人の方がいれば、
きっと「なぜ伝道するのか」と聞くと
こう答える方が大半だと思います。

JW(エホバの証人の略称)では、
現在の世界は悪魔に支配されていることになっている
という話は前の記事ですこし触れました。

ここまでは他のキリスト教宗派でも言われていることかもしれません。
しかし、
彼らがこの世界に対して抱いている思想で
最も特徴的なのは、
「今が終わりの時」である
という終末思想を持っているということ。
そして、その終わりの時は
1914年から始まっており、かつ世界中でその証拠が見られている
というものです。

この独特の終末思想について、
個人的には教義の中でも
かなり底深い闇だと感じており、
この教えさえなければ、
JWとして生きている信者たちは
もう少し幸せに暮らせたのではないか
と感じるほどです。

なぜなら

ここ最近宗教2世の問題として、
エホバの証人が出てくる際、
・大学進学が許されない
・アルバイトやパートタイムでの職業選択を推奨される
・子どもをもてない家庭もある
などの問題を指摘されていますが、

これらの方針は、元を辿れば
この謎の「終末思想」に端を発しているからです。

これについては、今後詳細に書いていきますので、
今は紹介するにとどめておきます。


さて、
説明した通り、
今は「終わりの時代」なので、
人々を1人でも多く信者にしなければならない
という思いが
彼らの間にはあるわけです。

終わりとは具体的に何が終わるのかといえば、
「悪魔による支配」が終わり、
それが「神の支配に取って代わる」
ということです。

悪魔の支配が終わるという
=今の支配体制が終わる
=今、信者ではない人は神によって滅ぼされる

という思考回路になっているのです。

え?
今、滅ぼされると言いましたか?
はい。

これが動機②につながっていきます。

動機②「自分たちは命を救う活動をしている」

しばらくエホバの証人として活動したことのある方や、
集会に行っていた方であれば、
分かるかと思いますが、

彼らは伝道活動を「命を救う活動である」と信じています。

実際に聖書に「神は避難所」であるという言葉があるのですが、
それを引用したりしながら、集会でもそうした趣旨の話がなされます。

ちょっとややこしいので整理します。

・この世は悪魔によって支配されている
・しかし、今はその支配の「終わりの時代」であり、
まもなく神は悪魔による支配を終わらせ、新しい世界を作ろうとしている。
・その際、新しい世界に入ることができるのは、
神のご意志を行っている人(=エホバの証人)だけであり、
悪を行う人はことごとく滅ぼされる。


「ノアの方舟」という聖書のエピソードを知っている方は、
それをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
概要はこちら↓


終わりの日(これをハルマゲドンと言われることが多い)がくるまでに
1人でも多くの人を仲間にしなければならない
これが彼らの活動のモチベーションになっているわけです。

だから、繰り返しますが、
かつての私を含め、信者たちは本気でこれらのことを
信じていますし、
人々を助けたいという思いから、家を訪ねてまわっているのです。
そこには、相手を騙してやろうという動機など一切ありません
(だからこそ、罪深いとも言えますが・・・)


もちろん、
信者たちも一般の人間です。
日本では構成員の多くは、主婦層であり、
特別何かスキルに秀でているわけではありません。
知らない人の家のピンポンを押すことに抵抗がないわけではありません。


しかし、
「自分たちは神のご意志を代行している」
「人々の命を救う業に携わっているのだ」
こうした思いが、彼ら彼女らを励まし、
伝道活動へと駆り立てるのです。

これは実際にやってみた方でないと
理解しがたい部分もあると思うのですが、

この「自分は正しいことをしている」という感覚は

どこかやみつきになります

ボランティア活動をして、誰にも感謝されなくても、
何だか嬉しい気持ちになったことがあると思います。

あの気持ちを10倍くらい強めたものだとイメージしてみてください。

私が、この宗教に入り、
そして、抜け出すためにあれこれと考え悩み抜いた中で、
学んだことがあります。


それは、
正しさというのは、何よりも”気持ちいい”ということ。

そして、
それは麻薬のように人を依存させるものであるということ。

多様化した世界だからこそ、
人は「正しいもの」に飢えています。
だから、何か正しさを感じることができるものにすがり、
一度その味を占めてしまうと、
そこから抜け出すことができなくなるのです。

いや、正確には
抜け出そうとすら思わない。
むしろ、その正しさを守るために
自分の都合の悪い情報は耳を塞いで聞かないようにします。

これについてもまた改めて記事にしようと思っています。



成果は上がっているのか?


さて、この伝道活動。
どれくらいの成果が上がっているのか、
気になる方もいるのではないでしょうか。


公式サイトから見ることのできる「2023年奉仕年度の報告」によると
2023年度の信者(最高伝道者数)は
21万4457人

前の年と比べてどれだけそれが増減したのかを
示す増加率の欄は
空欄
でした。
(つまり1%に満たない増減だということでしょう。)

ここから分かるように、
信者数は大きく増えているわけではない

そして、それは
実際につい最近まで伝道活動に携わっていた
私の肌感覚としても納得の行く数字であるといえます。

家に訪ねていって、家の人が興味をもって話を聞いてもらえることは
ほとんどありません。
体感1%以下です。笑

こうした状況の中でも
信者たちは今日も家をめぐり、ピンポンを押し続けています。

伝道の実情については、
まだまだ書いておきたいことがあるのですが、
あまりにだらだらと書き続けているため、
改めて記事にしようと思っております。


最後になりましたが、
この記事はjwを辞めたいという方に向けても書いていますので、
アドバイスをして締めくくりにします。

※ここからは、エホバの証人の専門用語が連発します。
関係者でない方は、何を言っているか分からないかもしれません。
ご了承ください。


JWを辞めようと思っている方は、
前回の集会での時と同じく
一気にではなく、少しずつ辞める方針でいくのが
ベターだと思います。

まずは、伝道の機会を減らすところから始めましょう。
開拓者や補助開拓者になっている人は、事情をつけてやめましょう。
2023年秋から、一般信者であれば、
奉仕時間を報告する義務がなくなりました。
これは朗報です。

そして、会衆・グループでの奉仕の集まりに参加する日を減らしましょう。

理由は何でも構いませんが、
おすすめは仕事が忙しい
です。

体調不良を挙げると、何かと心配されます。

「奉仕よりも世俗の仕事が優先なんてけしからん!」
「物質主義に陥ってるのではないですか??」

みたいに仕事について、
うるさく言う人は以前よりも減ったように感じます。


2024年現在、
一連の報道の影響もあったせいか、
エホバの証人の間で
暗黙の了解とされてきた様々な規制
パートタイム推奨や高等教育を認めない
などは少しマイルドになってきた感があります。

出版物などでは相変わらずですが、
実際には
フルタイムで働く人や
大学に進学する人が
増えた印象がありますし、
それに対する周りの信者たちの目も少しゆるくなったように思います。

あくまで私の周辺での様子かもしれませんが、
やや規制緩和の動きがあるのは確かだと思います。

これは辞めたいと思っている方にとっては追い風になるはずです。
ぜひ、焦らず少しずつ距離をとっていってください。

このnoteでは、引き続き記事を増やしていきます。
よろしければ参考にしてみてください。

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