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耐タンパ性(Tamper Resistance)とは

耐タンパ性(たいタンパせい、Tamper Resistance)とは、機器やシステムが不正な改ざんや攻撃に対してどれだけ抵抗できるかという特性のことです。主にセキュリティ関連の製品やデータ保護技術において重要視され、物理的およびデジタル両面での保護が求められます。
Tamper」は、許可なく変更したり、改竄したりすることを指します

物理的耐タンパ性

物理的耐タンパ性は、ハードウェアデバイスが物理的な侵入や破壊、不正な改変からどれだけ守れるかを指します。例えば、ATM、クレジットカードのチップ、モバイルデバイスなどがこれに該当します。これらのデバイスは、特定のセキュリティ要件(例:耐衝撃性、耐熱性、密封性など)を満たす設計がされていることが一般的です。

デジタル耐タンパ性

デジタル耐タンパ性は、ソフトウェアやデータが不正な改ざんやハッキングからどれだけ守れるかを指します。暗号化技術、デジタル署名、アクセス制御システムなどがこのカテゴリに含まれます。これらの技術は、データの完整性と秘匿性を保つために不可欠です。

耐タンパ性の応用例

  • 金融セクター: 銀行カードやATMは、盗難や不正利用から顧客の資産を保護するため、高い耐タンパ性を備えています。

  • モバイル端末: スマートフォンやタブレットは、個人データを保護するために、物理的およびソフトウェア両方の耐タンパ技術が採用されています。

  • 政府・軍事機関: 極めて高いセキュリティが要求されるため、機密情報を扱うデバイスやシステムには高度な耐タンパ技術が用いられます。

耐タンパ性の課題

  • コスト: 高い耐タンパ性を持たせるためには、追加の物理的な保護機能や高度なセキュリティソフトウェアが必要であり、それにはコストが伴います。

  • 技術的進化: 攻撃者も技術的に進化しており、常に新しい攻撃手法が開発されています。そのため、耐タンパ性を持つシステムも継続的に更新される必要があります。

耐タンパ性は、デバイスやデータの安全性を確保する上で重要な要素であり、特にセキュリティが重要視される分野では不可欠な特性です。



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